書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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【マリみてSS(蓉子×祐麒)】想い、エターナル <第三話>

更新日:

 

~ 想い、エターナル ~
<第三話>

 

 

 祐麒くんの消えてしまった世界は、何と無味乾燥なことか。
 途端に、世界から色が消えてなくなった。

 だけど私の中に残る、祐麒くんの痕跡が消えたという事実。
 奈落の底に突き落とされるような恐怖の中、それでも私は少しずつ冷静になりつつあった。
 祐麒くんの痕跡が消えているということだが、裏を返せば、まだ残っているものもあるのではないだろうか。残っているのであれば、まだ祐麒くんは世界から完全に消えていない、ということではないだろうか。
 嘆いていても何も好転することなどない、ならば落ち着いて確かなことを積み上げ、どうにかしなくてはならない。
 おそらく私は、この『一週間前に戻る』ということを何度か経験していると予測するが、今回も同じことが起きるとは限らない。ならば、これからの一週間でどれだけのことが出来るかにかかっている。
 私は家に戻り、勇気を振り絞って確認することにした。
 もし、確認を行った結果、祐麒くんの痕跡が全く無かったらと考えると、心臓を素手で掴まれているような恐怖を感じるが、やらないわけにはいかなかった。
 まず、携帯電話のメモリー。登録されていないことは分かっていたが、改めて見るとやはり落胆する。祐麒くんの電話番号にかけてみても、やはり番号は使われていないとのアナウンスが流れるのみ。
 祐麒くんの家に電話するのは躊躇われたので、まずは自室で出来ることを優先する。続いて取り出したのは、二人で撮ったプリクラ。取り出す前に一度目を閉じ、深呼吸をしてから恐る恐る目を開ける。
「――っ!」
 やはりそこには、祐麒くんの姿は映っていなかった。
 だが。
 プリクラに写っている私の隣に、一人分のスペースが空いている。まるで、誰かがそこから消えてしまったかのように。
 姿がないことに落ち込みそうにもなるが、だが裏を返せば、誰かがいたというような痕跡が見えるということ。私が、祐麒くんと撮ったのではないかと思えるような写真が存在したことに、私は心のどこかで安堵していた。
 他のプリクラも全く同じだったし、デジカメで撮った写真も同様であった。祐麒くんの姿はないけれど、祐麒くんがいなければ独りでは行かないような場所の写真。逆転の発想を示してみれば、祐麒くんの存在を示すものではないだろうか。
「あと……そうだ、携帯メール!」
 忘れていたことを思い出し、もう一度携帯電話を開き、メールのフォルダをのぞき見てみると。
 受信フォルダにも、送信フォルダにも、謎のアドレスから受信した空メールと、謎のアドレスに向けて送信した空メールが残されていた。
 だけど私は覚えている。
「ああ……ああ……っ!!」
 どれもこれも、祐麒くんからメールを受け、祐麒くんにメールを送信した日、時間に違いなかった。
 全てを覚えているわけではないけれど、他の人のメールはそのまま残っているから、絶対に間違いない。
 残っている。ただの空メールかもしれないけれど、祐麒くんの存在はまだ、残されている。
 それに、今まで当たり前だと思っていたから意識から外れていたが、携帯のストラップだって祐麒くんと一緒に買ったもの。私が買ったけれど、祐麒くんがいたからこそ購入したものだ。
 私は携帯を抱きしめ、一人、祐麒くんを想った。

 

 気持ちを落ち着け、しばらくしてから作業を再開する。
 私は立ち上がり、机の引き出しを開けた。
「あった……!!」
 それは、今まで見た何よりもの希望だった。
 祐巳ちゃんからクリスマスに貰った、ロザリオ。
 祐巳ちゃんから貰ったものではあるが、祐麒くんがいなければ、祐麒くんとお付き合いしていなければ貰うことはなかったであろうもの。
 心の奥から勇気が、希望があふれ出てくる気がした。
 力をもらうようにロザリオを首からかけて、続ける。
 ロザリオに続いて、色々と私を力づけるものが次々と出てきた。

 初めてのデートに備えて購入した、マニュアル本。

 初デートに備えて購入した、二着の洋服。

 初デートのときに購入した小説。

 みんなで海に行ったときに購入した水着。

 他にも、色々あった。それらは確かに、私自身が購入したものではあるから、存在して当然といえば当然なのだけれど、祐麒くんと付き合っていなければきっと買っていなかったものだから。
 なんでもないような物かもしれないけれど、どれもこれも、私と祐麒くんを繋いでいてくれるかのように思えて、輝いて見える。
 そして、最後に。
 私はそれを、手にした。

「ああ――」

 ただ、そんな声を出すことしか出来ない。
 クローゼットから取り出した、白いジャケットと、それとお揃いのキュロットパンツ。忘れることなどあるはずもない、紛れもなくクリスマスプレゼントに祐麒くんが私にくれたもの。
 他のとは違う。
 祐麒くんが私のために選び、祐麒くんが私のために購入し、祐麒くんが私だけにプレゼントしてくれたものだ。
 祐麒くんはまだ、消えてなどいない。
「ああっ……あああぁぁっ……!!」
 ジャケットをきつく抱きしめ、嗚咽する。
 胸を貫く嬉しさと悲しさを感じながら、私はただ体を震わせるのであった。

 

 しばらく時間を置いて落ち着きを取り戻した私は、次に何をするべきかを考えた。まずは、今の状況を整理することだろう。
 無駄になるかもしれないけれど、ノートを取り出して一つずつ分かっていることを書き出していく。

1.私は一週間前(3月25日)の世界に戻っている。
2.おそらくこの事象を何度も経験しているが、その記憶は無い。
3.最初の一週間の記憶(祐麒くんと喧嘩した)に関しては残っている。
4.最後の最新の記憶は公園。
5.祐麒くんはこの世界に存在しない。
6.祐麒くんと結びつくものはこの世界に存在する。
7.祐麒くんが存在しないことを示す記憶だけ、私の中に蓄積され残されている。

 主なところはこんなものだろうか。6については、実際に結びつくものを列挙して書き出した。
 そして、纏めていくほどに混乱する。
 特に、相反する2と7。おそらく私はこの世界をループしているけれど、ループしている間の行動については記憶していない。だから、本来であれば一回だけ過去に戻っていると認識できるだけのはずなのだが、7があるから何度も繰り返していると分かる。そう、7の記憶については『積み重ねられている』のだ。
 即ち、初めて過去に戻ったときに一週間を過ごし、祐麒くんがいないことを確認しているはず。つまり、最低でも二回はループしていなければ、おかしい。初めてループして戻った時点では、祐麒くんが存在しない、という記憶はないのだから。
 さて、ではこれからどうするか、そこで私の思考は行き詰る。
 例えば、『一週間後に事故に遭う』という未来を覚えているならば、そうならないような行動を取ることにより、最悪の事態を回避することが出来る。本やドラマなどでよく取り上げられるのは、このパターンだろう。
『最悪の未来を回避する』、これはタイムスリップものでは王道のテーマ。
 ならば今の私に置き換えてみると、『最悪の未来』=『祐麒くんと謎の女性の逢引きを目撃したことによる喧嘩』とでもいうことになるのだろうか。しかし、あまりにも弱い気がする。たいてい、こういうときは『生命の危機』か、それに近い悲劇を回避するため、過去の世界で行動するのだが。それとも、『祐麒くんが存在しない世界』が最悪の事態なのだろうか。だとしても、今の時点で既に『祐麒くんが存在しない』のだから、どう回避したらよいかなんて、良いアイディアが浮かんでくるはずも無い。
 ましてや、私は過去にループしたときの行動の記憶を持っていないのだ。そうなるとおそらく、何度繰り返しているかは分からないが、毎回の行動内容なんてそう簡単に変わっているとも思えない。オーソドックスな行動も、突拍子も無いと思える行動も、所詮は私、『水野蓉子』が考えて実行に移したものだから、大きく変化しようもないはずなのだ。
 じゃあ、何もせずにいるか?
 答えは『ノー』だ。何もしないでいられるわけもない。
 結局私は、無駄かもしれない、以前のループ時にも同じ事をしているかもしれない、そう思いながらも動かないわけにはいかなかった。
 祐麒くんに、再び会えるときを願って。

 

 果たして、私の行動は前に進んでいるものなのか、あるいは逆に自ら退路を断っているようなものなのか、判断できなかった。
 祐麒くんとの思い出の場所を歩いて回って見る。花寺学園に赴いて様子をうかがってみたり、伝手を頼って中学の卒業アルバムを入手したり、聞き込みもどきみたいなことをしてみたり。しかしどれも、結果は私を落ち込ませるだけだった。どこにも、祐麒くんの痕跡を見つけだすことが出来なかったから。
 もしも、また繰り返すようなことがあるならば、この記憶も、行動も積み上げられていくのだろうし、そのことを知った時の私自身の衝撃を考えると、吐き気がこみ上げてくるほどだけれど、それでも、やらないわけにはいかなかった。
 苦しく、そして空しいとしか思えない行動を続け、何の収穫もないままに日にちだけが過ぎ去っていき、あっというまに最後の日となった。いや、おそらく最後の日、と想定される日とでもいうべきか。
 とにかく、祐麒くんがいない、ということだけを思い知らされる七日間だった。押しつぶされるような不安と、漆黒の闇に包まれた絶望を両手の友として、私は疲れ切った体を公園へと運んで行く。
 疲れているのは体というよりも、むしろ精神である。鑢で削られるような、なんて表現はまだ甘いくらいで、鉋で削がれ、電動鋸で切り落とされる思いでしのいできた毎日だった。ただ、祐麒くんはまだ必ずどこかにいる、という私の気持ちだけが、私の心を支えていた。
 やっぱり桜は満開で、周囲はこんなにも賑やかで、楽しげで、幸せに充ち溢れているというのに、自分の周囲だけが青黒い。
 おそらく、今の自分は寝不足と精神の失調で酷い顔をしているだろう。今日はもはや、メイクして取り繕う余裕もなく、なおざりな化粧しかしてこなかった。
 公園内を重い足取りで歩きながら、不安と、わずかな希望を桜の中に見る。
 この公園から始まった、悪夢のような日々。だが果たして今回も、前と同じようにまた過去に戻るようなことがあるのか。そんな非科学的なことなんて当たり前のように発生せず、ただ時間だけが流れていくのではないか。そうすると、この祐麒くんがいなくなった世界をずっと生きていかなくてはいけないのか。想像することもできないくらい、恐ろしい未来である。
 一方で、同じように過去に戻ることとなれば、ひょっとしたらそこには祐麒くんがいるかもしれないという希望。仮に、単にまた同じ世界に戻って繰り返すだけだとしても、もう一度チャンスが与えられたとも考えられる。
 一番おそろしいのは、今の状況のまま世界が先に続いていくこと。それだけは、耐えられそうにない。
 わずかでも希望があるのならば、また同じ過去に戻る方が遥かにましだ。
 無駄かもしれないけれど、また戻ったら次はどういう行動をしようか、何を考えようかということを脳内でまとめる。
 諦めた瞬間にすべてが終わる。ほんの少しでも、たとえ一パーセントに満たない可能性だとしても、願いを叶えるための努力をすることが自分を助けるのだ。この七日間で私が行ったこと、確認してきたことを逐一、頭の中で並べていく。一つでも覚えていれば、また次のときにそのことを知っている分だけ、時間を有効に使うことができる。
 そうこうしているうちに、いつしか『その時』はやってきていた。
 どこかで経験したことがあるような気のする春の風。強い風は桜を舞い上がらせ、私は思わず腕をあげて顔をかばう。
 ぐにゃり、と、世界がねじ曲がるような感覚。
 来た、と思った次の瞬間。

 

 私は立ち尽くしていた。
 左右に首を振って周囲を見回すと、どこか違和感のある光景。頭が、体が、なぜか分からないけれど異様に重く感じる。
 やがて気づく、違和感の正体。
 自分の服装、桜の開花状態、そして何より、隣にあるべき人の姿がない。
「うっ……」
 その瞬間、頭の中に閃いたものが、嫌だという私の深層意識を払いのけて顔を見せる。祐麒くんがこの世界にいないということを指し示す、数々の事柄。
 電話、プリクラ、福沢家の家族構成、etc。
「嘘……嘘よ……っ!」
 よろめき、否定の言葉を口にしながらも、私は心の奥底では今の事態を事実として受け入れていた。積み重ねられている、祐麒くんを探そうと行動して、落胆した私自身のことを覚えていたから。
「うあ、あ、あ……」
 呻きながら近くの桜の木に背中をあずけ、こわばった手で携帯電話を取り出す。電話帳には登録されていないから、番号を思い出して入力をする。思うように動かない指をどうにか言うことをきかせ、発信する。
 寒くもないのに震え、歯の根が合わずにガチガチと嫌な音を出す。
 耳に携帯電話をあてると、しばらく無言であったが、やがてコール音が届いた。待つこと何コールか、電話を取るような音が聞こえてきて、続いて誰かの声が電話の方から聞こえてきた。
『もしもし?』
「えっ……?」
 自動音声システムにつながるとばかり思っていたので、明らかにそれとは異なる口調の応答に驚いてしまい、思わず口も開いたままで固定される。これが祐麒くんの声だったら歓喜に飛び跳ねたかもしれないが、聞こえてきたのは甲高い女性の声だった。
 声を出すことも出来ずに沈黙していると、電話に出た相手が苛立ったような声をかけてきた。
『――もしもし? 悪戯電話かしら?』
 切られそうな気配に、慌てて声を出す。一縷の望みをかけて、訊いてみる。
「あ、すみません。あの、失礼ですがこの電話は福沢さんでは……」
『いえ、違いますけれど』
「そ、そうですか。失礼しました」
 私が言い切る前に、通話は切られた。
 物言わなくなった携帯電話を見つめて、私は呆然とする。私の中に納まっている記憶では、確かに、祐麒くんの電話番号は携帯の電話帳から消えていた。だけど、祐麒くんの電話番号にかけてみたところ、その電話番号は存在しなかったはずだ。ところが今、まったくの別人とはいえ、電話はつながった。
 念のため発信履歴を確認してみるが、間違いなく、私が記憶している祐麒くんの携帯電話番号である。確実に暗記していたから、絶対にあっている。
 どういうことか、まったく分からない。蓄積している記憶ですら、置き変わっているのだろうか。
 私は無意識のうちに手にした携帯電話を操作し、履歴を確認して、そして衝撃を受けて携帯電話を取り落とした。鈍い音を立てて、地面に転がる携帯電話。足に力が入らず立っていられなくなり、膝をつく。震える腕を伸ばし、どうにか電話を掴むと、ディスプレイを表示させ、穴があくほどに凝視する。指を動かし、表示を変えて、様々に確認するけれども、結果は同じ。
 ――ないのだ。
 記憶の中では、携帯電話の電話帳には確かに祐麒くんの情報はなかった。だけど、メールを送信した履歴はまがりなりにも残っていた。空のメールで、送り先もブランクだったけれど、間違いなく私が祐麒くんに送ったメールだと私には分かった。
 それなのに、今、確認した送信メールの履歴には、前まではあったはずの履歴が綺麗さっぱり消えてなくなっているのだ。
 目を見開き、息をすることも忘れ、私はただ携帯電話を握りしめる。
 どれくらいの間、呆然としていただろうか。私は、他のことを思い出し、慌ててバッグの中を探った。普段の自分ではありえないくらい取り乱し、ひっかきまわすようにして、中からデジタルカメラと手帳を取り出す。
 恐怖すらも忘却し、中身を確認する。
「……あ、あった……!!」
 思わず、安堵の声をあげる。
 デジカメの映像データも、プリクラの写真も、私一人だけが映っている画像がきちんと残っていた。本来なら、祐麒くんと二人で撮った写真に私一人で映っている。本来なら落ち込むはずの画像が、なぜか私を安心させる。
 ようやく少し落ち着き、ひょっとして見間違いだったのではと、再度、携帯電話を確認してみるが、やはりメール送信の履歴はどこにもなかった。
 更に、急いで家に戻って確認すると、他のものも存在していた。安堵のあまり、私はベッドに倒れ伏した。そして考える。なぜ、携帯電話のメール送信履歴が消えてしまったのかを。もちろん、考えたところで分かるわけもない。分からないものをいくら考えていたところで、単なる時間の無駄である。私は頭を切り替えて、祐麒くんを探す行動にチェンジした。

 

 このとき私は、無意識に考えることを放棄したのかもしれない。心の奥底では、なんとなく予感があったけど、あまりに恐ろしいため、自分自身で鍵をかけて考えを表に出さないようにしていたのだ。
 しかしそんな行為も、無駄なものとなる。
 結局のところ、何の収穫もなく日にちだけが過ぎ去り、また過去に戻ることになった。今回、即ち、メール送信履歴が消えた次の回、次の次の回、またその次の回、はたしてどの回のことなのかは分からないけれども、私は身をもって教えられる。
「うそ……うそよ……っ」
 両手の爪で頬をかき、必死になって吐き気をこらえる。
 暗い闇が、私の中に迫ってくる。私を覆い包んでしまいそうになる。必死になって逃げる私を嘲笑うようにして、暗黒がゆっくりと背後に忍び寄る。
 祐麒くんに向けたメール送信履歴の消えた携帯電話。
 それだけではない。
 デジタルカメラに収められていたはずの、私が祐麒くんと撮ったはずの画像が、画像そのものが消えうせていたのだ。
 残された記憶では確かに、私だけが映っているデータは存在していたはずなのに、そのデータすらなくなっていた。
 まさか、まさか、残されていた痕跡すらも、消えてゆくのか。消されてゆくのか。プリクラの写真は残っていたけれど、慰めにはならなかった。一つ消え、二つ消え、ならば次に他の物が消えないと、誰が言えるだろう。
「うあぁぁっ、あっ、あぁっ……!!!!」
 嗚咽する。
 大地に顔を伏し、ただ嗚咽することしか出来ない己の無力。
「……おねえちゃん、大丈夫? おなかいたいの?」
 近くにいた小さな女の子が心配そうに声をかけてくる。喚き散らしたいのを耐え、どうにか大丈夫だと応じ、逃げるようにしてその場を後にする。
 大丈夫なわけがない。
 誰にもいえない、他の誰も感じることのできない恐怖が、私を襲う。
 家に戻り、服やロザリオ、その他のものが消えていないことを確認した私は、残されたすべてのものかき集め、抱きしめてベッドに寝る。
 離さないように、消えてなくならないように、力を込めて抱きしめる。
 何かから逃げるように、子供のように丸くなって、震える体を抱きしめる。
「祐麒くん、祐麒くん、祐麒くん、祐麒くん……」
 呪文のように繰り返し名を呼び、私は全てに背を向けてベッドの上で小さくなる。
 そのまま、いつしか私は疲れ果て、眠りに落ちる。
 暗い、漆黒の眠りへと落ちる。

 

 祐麒くんはまだ、応えてくれない。

 

 

第四話に続く

 

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