【作品情報】
作品名:アキレウスの背中
著者:長浦京
ページ数:328
ジャンル:ミステリー
出版社:文藝春秋
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
女性刑事の愚痴が面白い度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : スポーツ×事件というのに興味あり
公営ギャンブル対象のマラソンレースで、世界記録を狙うトップランナーに脅迫状が!
国際テロリスト集団が、襲撃を仕掛けてきた。
標的は日本人最速ランナーと、ランニングギアの開発をめぐる機密情報。
警察庁は極秘に、特別編成の組織横断チームMITを立ち上げた。
MITを率いる女性刑事は、ランナーを守れるか。
マラソンを公営ギャンブル化する流れで、当然ながらそういうところには妨害派もいる。
警察と、妨害を企むテロリストのせめぎ合い。
主人公は、そのマラソン大会に出場する日本人最速ランナーと大会を守るために立ち上げられたチームに召集された女刑事。
チームではリーダーとなり、急ごしらえのチームメンバーと協力して動きまわる。
クセのある上司、有能な部下、そしてちょっとだけ変な主人公。
事件に挑みつつ、チームの中でリーダーとしての立ち振る舞いに悩んだり、過去のことを思い出したり。
悩みつつ、それでも立ち止まることは許されず、ゴールを目指して走るしかない。
事件を負うだけではなく、スポーツ、そしてシューズ開発といったところにも焦点を当てている。
マラソンはもはや個人の競技ではなくチームで挑むものになっているというのも思しろい。
例えていたのが、登山。
最後の頂上に向かうアタックは一人だとしても、そこに至るまでに多くのチームのサポートがあってアタックに挑める。
その登頂の栄誉は個人のものではなくチームのモノだというもの。
ははぁ、マラソンもそういう時代になっているのですね。
主人公の女性が色々と愚痴を漏らすのだけど、そこにリアルがあるのかもしれない。
これまでの長浦作品を読んで、同じテイストを期待して読むとがっかりするかもしれない。
違う路線というかになってしまっているので。
色々と物足りないと感じちゃうなぁ。