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【ブックレビュー】競歩王(著:額賀澪)

更新日:

【作品情報】
 作品名:競歩王
 著者:額賀澪
 ページ数:316
 ジャンル:エンタメ
 出版社:光文社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 競歩について知れる度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 自分の人生に悩んでいる人とか

■作品について

現役大学生の榛名忍は高校生のときに「天才高校生作家誕生!」という触れ込みで小説化デビュー。

しかし一作目以降は伸び悩み、最近はスランプに陥っていた。

そんな折、学内のテレビで流れるリオ五輪ハイライト番組で、競歩の結果を目にする。

その夜、忍は担当編集者から、次作は東京オリンピックに向けてスポーツ小説はどうか、と勧められ、思わず「競歩」と口にしてしまう―

思いがけず始まった競歩への取材、そこで知り合った同じ大学の競歩選手の葛藤に、自分の姿を重ねる忍。

五輪に向けて、そして新たな作品に向けて、彼らが下した決断は。

■良かった点

タイトルを見て、そして著者の「タスキメシ」を読んでいて、競歩選手の話なのだろうと思っていた。

ところがいざふたを開けてみたら、主人公はスランプになっている学生小説家!

ちょっと意外でしたね。

青春スポーツ小説かなと勝手に思っていたので。

 

その主人公である忍が、次の作品に東京五輪を舞台にしたスポーツ小説と編集者から言われ、咄嗟に答えてしまったのが「競歩」

それも、たまたまテレビでリオ五輪のハイライトで競歩が映されているのを見ていたから、というだけ。

当然のことながら競歩に興味はないし、そもそもなんで走らないで歩く競技が面白いのか、選手達は競歩をやろうと思ったのか全く理解できない。

同じ大学の陸上部に在籍しているただ一人の競歩選手、八千代の姿を見学に行き話もするが、そんな忍の考えは態度から伝わるものですげなく扱われる。

そりゃそうですよね、取材にきても、事前に調べることもせずなんの前知識もなくやってこられても、良い気分はしないでしょう。

気は進まないけれど、他にアイディアがあるわけでもないので、なんとなく八千代を追いかける忍。

この辺の前半は、読んでいて忍が好きになれなくてイライラしますね(笑)

言った通り、興味もなく、ただ惰性で仕方なく競歩を追いかけている感じがモロに出ていて。

 

だけどまあ、八千代と接し、実際に競歩の試合を見て、少しずつ八千代という選手に、そして競歩に興味を持っていく。

というか、さすがに長期間(作品中ではそれこそ1年以上)接していれば、思い入れも入ってきますよね。

で、そこで知っていくのは、やっぱりスポーツというか、思うようにいかない残酷さというか。

 

初めから競歩がやりたい! 

といって競歩を始める人というのは少なく、大抵は長距離とか、他の競技からの転向者という。

要は、他の競技では芽が出ない、先がないと判断して競歩に転向する。

でも、競歩なら結果が出るかというとそういうわけでもないし、いつまでもそんな気持ちでいて良いわけでもない。

競歩を、歩くことを好きにならないと、やっていけない。

八千代も、箱根駅伝を夢にして、でもそれが敵わなくて競歩に転向して今度は五輪出場を目指す。

ライバルたちが結果を出す中、自分は結果が出ずにもがく。

そんな八千代を見て、忍は自分の姿を重ねる。

天才高校生作家と言われてデビューしたが、デビュー作以降は売り上げも落ちる一方。

同時期にデビューした同年代の作家が人気を伸ばして有名な賞の候補に挙がるのを見て焦りを募らせたり。

こんなに苦しい思いをして、小説家を続けるのかといった葛藤。

専業作家として生きていくのか、就職して働きながら書くのか。

そういった悩みを抱えながら進み、競歩や八千代を通して色々なことに気が付き、認めて、前に踏み出していく。

青春スポーツ小説というよりは、青春小説かな。

苦しいだけじゃなく、ラストは未来に向けて苦しさも抱えながら前向きに歩き出す姿となって良かったですね。

 

額賀先生の文体は読みやすく、一気に読み切れます。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

亜希子の存在は結局なんだったんだ?

最終的には福本と付き合うことになったということ?

中途半端に恋愛要素を入れる必要があったのか・・・・

ていうか、そんな存在の女友達、大学生の頃に実在するのか・・・・?

 

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