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【ブックレビュー】家族パズル(著:黒田研二)

更新日:

【作品情報】
 作品名:家族パズル
 著者:黒田 研二
 ページ数:282
 ジャンル:ミステリー、エンタメ
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 良いお話度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 心優しくなれる家族モノが好き

■作品について

父は亡くなる直前、雨降る病院の庭をなぜ靴を脱ぎ歩いたのか。
リストラ中年と迷い犬の新生活は、奇妙な出来事ばかりの日々で・・・。

などなど、様々な家族の形を描いた、ちょっとミステリー風味の入った短編集。

■良かった点

いや・・・・なんか久しぶりに黒田さんの本を手に取った気がする。
黒田さんの文体は読みやすくて、すらすらと一気に読めてしまうのが良いですよね。

本作は短編が5編、収録されている。
いずれも「家族」にまつわる短編で、親子のすれ違いとか、思い違いとか、親の心子知らずというか、そういった姿とその裏にあった真実を描いている。

  • 幼い頃に見せた親の言動
  • 子供の頃に感じたことと、大人になってから分かった事実

そういうのって、きっと誰にでもあるのではないか。
親は子供のためを思って行動をするけれど、全てが上手いくわけではない。
優しいけれど不器用でうまく表現できない人もいるだろう。
それが子供に誤解されることもあるかもしれない。

5つ収録されているエピソードは、内容的にはどれも重たいものを持っている。
親の死、子供の死、家族のぎくしゃくした関係、等々。
だけど、読み進めていくうちに解きほぐされていくので、読んでいてそこまで重くならない。
もちろん、黒田さんの文体というのもある。

読み終える頃には、ちょっと切なくも優しくなれる。
そんな5つの物語。

どれが一番、というのは難しいけれど、なんだかんだで最初の「はだしの親父」と、あと「我が家の序列」が良かったかな。
ベタだけど、それだけに良いというか。
ペットが家族の潤滑油になるのは間違いない。

ミステリー風味で最後に謎が解き明かされるのも、読んでいて楽しめる。

 

■ここが改善できるともっとよかったかも?

とりたてて欠点はない一作。
圧倒的なものはないかもしれないけれど、安心してお薦めできると思います。

 

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