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SF 書評

【ブックレビュー】遙かなる星1 パックス・アメリカーナ(著:佐藤 大輔)

更新日:

【作品情報】
 作品名:遙かなる星1 パックス・アメリカーナ
 著者:佐藤 大輔
 ページ数:320ページ
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 この先の期待度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 史実をもとにした架空歴史小説が好き

 

■作品について

キューバ危機において全面報復戦争が起こってしまう。
一方で日本は高度経済成長を迎え、北崎重工が宇宙開発の先駆者としてはしっている。
もし、あのとき、あの選択がなされていたら?
そんな歴史の「IF」をもとに描かれた架空歴小説が幕を開く。

■良かった点

今の世界があるのは、過去の歴史の数々の積み重ねがあってのものである。
その中で異なる選択がなされていたら、もしかしたら人類は滅亡に向かって進んでいたかもしれない。
日本ももっと違う世界になっていたかもしれない。
そういった想像の翼を羽ばたかせてくれる架空歴史小説の面白さよ!

キューバ危機、現実世界においてもかなりヤバい状況だった模様。
実際には回避できたわけですが、それがもしも噛みあわずに進んでしまったら?
第三次世界大戦の引き鉄となったのか?
ICBMが飛び交い、互いの国を滅ぼしにかかる。その時、日本は?
先の展開が気になるしかないではないか。

佐藤さんの作品の凄さというかは、読んでいてどこまでが史実で、どこを少しずつ変えていったのか? というのが非常に巧みである点であろう。
ケネディやフルシチョフのやり取り、そういうのも本当にこういうやり取りあったんかと思わせられる。

日本の描写については、航空産業についてなど描かれており、何気にその辺が興味深く読める。
この手の作品は、歴史が変わった後は一気に現在と離れてゆくから、史実と絡みクロスしつつ徐々に離れていくところが面白いんだろうなぁ。

やはりストーリーテリングの魅力を感じさせてくれる一作。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

あたりまえだが、「1」なので、これから! というところで終わる。
まあ、さっさと次を読めばいいのだけど。
あと、先の巻を読まないときっと分からなそうなところもある。

 

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