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エンタメ 書評

【ブックレビュー】桜風堂ものがたり(著:村山 早紀)

更新日:

【作品情報】
 作品名:桜風堂ものがたり
 著者:村山 早紀
 ページ数:382ページ
 ジャンル:エンタメ
 出版社:PHP研究所

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 本屋に行きたくなる度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 優しくなれる。そして本と書店に頑張って欲しい人

 

■作品について

書店員の月原一整は埋もれていた名作を見つけ出すのが特異で、店長からは「宝探しの月原」と呼ばれ信頼されていた。
しかしある日、万引き事件をきっかけに店をやめることになる。
傷心の一整は以前よりネットで親しくしていた桜風堂書店の店主を訪ねるが・・・・

桜野町で一整を待ち受けていたもの、そしてそこから起こす小さな奇跡の物語。

■良かった点

物語全体を通して優しい気持ちになれる作品である。
登場人物の誰もが自分の弱さを知りつつも優しく人のことを思い、どうにかしてあげたいと思っている。
誰かをどうにかしてあげたいと思うと同時に、自分の居場所を見つけたいとも思っている。
自分に自信がなくて、でもやりたいことはあって、勇気を出すことが出来なくて。
でも、周囲からのほんのちょっとしたことがきっかけで一歩を踏み出すようになる。
そう言った意味では、自立と再生の物語、といえるかもしれない。

再生するためのきっかけは本である。
一整が見つけ出した一冊の本、「四月の魚」。
この一冊を契機にして、一整がかつて勤めていた銀河堂書店、桜風堂書店、作者や出版の営業さんなどを巻き込んで、ちょっとした奇跡を生み出していく。
衰退していく一途の書籍、特にリアル店舗。
でも、まだこれだけのことが出来るんだよ、起こすことが出来るんだよ。
人や、人が本を愛する力や、そして本の力はこれだけのことが起こせるのだと訴えかけてくる。

私も幼いころから本に触れ、図書館、本屋を巡り、地元で自分の本屋巡りルートを決めて土日には毎週のように足を運んでいた。
だからこそ、それらの本屋がどんどんなくなっていくのを見るのは辛かった。
本屋ごと、棚の置き方、棚に陳列された本の配置、それぞれ違って、本屋の中でも歩いて巡るルートがあった。
そういう、本屋を巡る楽しさを思い出させてくれる作品。

あと、本屋さんの仕事とか、大変さとか苦労とか、そういったものも分かります。
とりあえず、そうだ、本屋に行こう。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

こんなに都合よくいくわけないだろう。
こんな都合の良い人達と知り合い、皆が手助けしてくれるなんてありえない。
まあそうなんだけど、それを言っちゃあいけない作品でしょう。
だって、これはファンタジーでもあるのだから。

 

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感想(1件)

 

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