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SF 書評

【ブックレビュー】少女庭国(著:矢部嵩)

更新日:

【作品情報】
 作品名:少女庭国
 著者:矢部嵩
  215ページ
 ジャンル:SF?
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 頭おかしいんじゃないかと思う度 : ★★★★★★★★★★
 こういう人におススメ! : いや、どういう人にお薦めだろう・・・・

 

■作品について

卒業式に向かっていたはずの中学三年生の少女達だったが、ふと目覚めると張り紙があり、そこには次のように書かれていた。
「ドアの開けられた部屋の数をn、死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ」
それは彼女たちに課せられた卒業試験。
これ即ち、数式を達成するためには仲間を殺すしかなく、そうしないと生きて出ることが出来ない。
少女達で繰り広げられる凄絶なデスゲーム、脱出劇・・・ではなかった!

■良かった点

表紙・タイトルだけを見ると、可愛らしい少女達を中心とした箱庭的学園生活を連想させられるかもしれない。
いや、ある意味では間違っていないんですけれどね・・・

一つ、先に言っておきたいことがあります。

この作品をお薦めすると真面目な顔をして言ったら変態と思われるかもしれない。というか正直なところを吐露すれば、お薦めとは口にするのを迷ってしまう。
もし誰かが「この作品は本当に凄い、最高に面白いお薦め作!」と真面目な顔をして言ってきたら、その相手が正気かどうか疑うかもしれない。少なくとも自分は真顔でそんなこと口に出来ない。
なんかもう、薦めたいけど薦められない。
読んでいて変な気分になる。

だが好きな作品であることも事実なのが悩ましい。

なんとも矛盾しているようだが、おそらく読んで、自身の琴線に引っかかった人は同じように感じるのではないか。
それくらい、ある種特異な作品だと思える。

作品としては、閉じ込められた少女達、そこから脱出するには相手を殺すしかない。
お、デスゲームものかと思ったら大間違い、遥か斜め上をいく話の展開に正直なところ「ぽかん」としてもおかしくない。
なんというか、そのような状況下に置かれた少女達の行動を追跡していく、凄まじいまでの思考実験。
様々な進化(?)、変化を遂げていく少女達の果てること無き物語なのである。

自分の語彙というか表現力のなさで申し訳ないが、とにかく「ヤバい」、「スゴい」作品である。
但し、誰もが楽しめる作品ではない。

淡々とした筆致がこれまたこの作品に合うわけで。
本当に今まで出会ったことのないタイプの作品で、一読の価値あり・・・と人に薦めづらすぎる!
本好きの仲間達と時々読書会を開いて本を紹介し合うが、この本を持っていこうと考えてはやめたことが何度あったことか。
例えて言うなら、「大洋ホエールズ時代、大洋ファンだとなぜ言い辛かった」とか、「TBSが親会社時代の後半にベイスターズファンだとは言いだし辛かった」ような感じだろうか??

いや、全く違う気がするなぁ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

や、この作品はもうこの作品でしかないから、どこをどうすればとか考えるのはやめましょう。
そういう次元を超過しているし。
考えた作者の頭の中を見てみたいですわ。

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