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SF エンタメ 書評

【ブックレビュー】きのうの春で、君を待つ(著:八目迷)

更新日:

【作品情報】
 作品名:きのうの春で、君を待つ
 著者:八目 迷
 ページ数:342
 ジャンル:SF、エンタメ
 出版社:小学館

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ホロにが青春度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 青春+タイムリープとか大好物

 

■作品について

東京での暮らしに嫌気がさした高校生の船見カナエは、家出をして中学まで暮らしていた袖嶋にやってくる。
久しぶりに訪れた故郷では幼馴染である保科あかりと二年ぶりに再会する。
その日の夕方。
午後6時を告げるチャイム『グリーンスリーブス』が島内に鳴り渡るなか、突然、カナエの意識は4日後に飛んだ。
そこで起きていたのは、あかりの兄である彰人の死。
空白の4日の間に何が起きたのか。
カナエはさらに1日ずつ遡り、彰人の死の謎を知り、その死を止めるために動きだす。

■良かった点

タイムリープものです。
大好きです。

本作におけるタイムリープは、最初に4日後に飛び、そこから1日ずつ遡っていくというもの。
未来に飛んで、確定している事実があるけれど、本人の記憶にはない。
何が起きているのか、自分の記憶にない時間に自分は何をしていたのか。
知らない間に死んでいた彰人の死を回避できるのか。
記憶の空白を埋めながら、過去へと遡っていく。

この手の作品の面白いところは、記憶にないのに先に未来を経験して、過去に戻る。
その、自分の記憶にある未来につながるような行動を自分がどうやって取ってしまうのかというところ。
違う行動を取ろうとしても、どうしても未来につながるようなことになってしまうのは、運命に定められたことなのか、それとも運命とは変えられないものなのか、ということを考えさせられる。
結局、収束するところは変わらないのか。
ならば、過去を変えて彰人の死を回避することはできないのか。
過去を変えたら、自分が今まで経験してきた未来はどうなってしまうのか。
タイムリープの醍醐味的な部分と、パズルを組み合わせる様な面白さがある。

そして単にタイムリープを楽しむだけではなく、幼馴染のあかりが抱えるもの。
過去に遡っていくことでそれを知り、どうすれば彼女を助けることが出来るのか。
どうすればより良い未来を得られるのか。
こちらを選べばあちらが立たず・・・・みたいなのも、こういう過去遡行系の楽しみである。

 

  • タイムリープとしての面白さ
  • 少年少女の甘くも苦い青春ものとしての面白さ

その両方を併せ持った一作。

しかし、あかりが可哀想すぎたけれど、最後には救われてまあ良かった。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

改善というわけではないが、この手の作品では高畑京一郎氏の「タイムリープ」という名作がある。
パズル的という意味では、圧倒的にそちらの方が高い(なにせランダムリープだから)から、それと比べちゃうとというのはある。

あと、主人公が基本的に無能。
いや、結局流されるままに過去に遡っているだけなんですよ。。。
本気でどうこうしようとしているように思えないのがね。

 

 

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