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【ブックレビュー】天上の葦 上(著:太田愛)

更新日:

【作品情報】
 作品名:天上の葦 上
 著者:太田愛
 ページ数:440
 ジャンル:ミステリー
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 物語にどっぷりはまる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 胸を打つ骨太サスペンス好き

 

■作品について

渋谷のスクランブル交差点の真ん中。
一人の老人が突然、そこに立ち止まって空を指さした。
老人はその後、その場に倒れて亡くなった。

老人は死の間際、その空に何を見ていたのか。それを突きとめろという依頼を受けた探偵の鑓水。

そして同日、一人の警察官が姿を消した。
その捜索を命じられた刑事の相馬。

二つの方向から動き出した事件の行く末は。

シリーズ前作はこちら

【ブックレビュー】幻夏(著:太田愛)

【作品情報】  作品名:幻夏  著者:太田愛  ページ数:395  ジャンル:ミステリー  出版社:角川書店  おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆  切ない度 : ★★★★★★★★☆☆  こういう人 ...

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■良かった点

太田さんの作品は面白いですね。
本作は鑓水、相馬、修司の三人組シリーズの第三作となります。

なんというかもう、冒頭から面白くなりそうな匂いがぷんぷんとします。
スクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した老人。
何を空に見ていたのか、その視線の先には何を映していたのか、気にならないわけがない。
しかも、その謎を突きとめる依頼の報酬が一千万とは、何かあるとしか思えない。

鑓水たちに謎の依頼が入る一方で、相馬は失踪した警察官の捜索を極秘裏に命令される。
警察官が失踪したのは老人が絶命したのと同日。
追いかけていくうちに二つの事件が一つに結ばれる。
当然、それでも面白いのだが、まだまだそんなのは序盤で、一つになってからがどんどん面白くなっていく。

事件のもとにあるのは遠い過去。
その過去を求めて三人は動き回るが、その裏には巨大な悪があるっていうのはもうお約束的なものだが、だからこそ面白いわけで。
巨大な力に逆らった三人は終われる羽目になり、どうやって逃げながら真相を掴み、そして反撃していくのか。
読んでいて目が離せない。

上巻ではまだ謎が深まるだけで、真実は全く分からない。
先が気になるしかないわけで、すぐに下巻をとりたくなる筆致、物語の進め方はさすがである。

ということで、早々に下巻を読みましょう。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

序盤はゆっくり、というわけではないが、じっくりと色々なものを積み重ねていく感じ。
下巻でスカッとするだろうと思いつつ、そういうのが物足りないと思う可能性もある。
というのが、あえて言うならというところ。

 

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