ミステリー 書評

【ブックレビュー】希望が死んだ夜に(著:天祢 涼)

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【作品情報】
 作品名:希望が死んだ夜に
 著者:天祢 涼
 ページ数:268ページ
 ジャンル:ミステリー
 出版社:文藝春秋

 おススメ度 : ★★★★★★★★★☆
 切ない度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 切なすぎる青春モノが好きな人

 

■作品について

中学二年生の女の子の死体が発見された。
その子を殺した容疑者というのが、同級生である中学二年生の女の子である冬野ネガ。
ネガは、彼女を殺したことは認めるものの、殺した動機に関しては決して話そうとしない、いわゆる「半落ち」状態。

なぜ、女の子は死んだのか。
なぜ、ネガは理由を話そうとしないのか。

そこには、どんな真実が隠されているのか。

■良かった点

まず、純粋に一言。

良かった、面白かった!!

いやー、天祢 涼さんってこんな作品も書くんですね。
初めて読んだ「キョウカンカク」で、いまいちあわないなー、と思ってそれ以来手を付けていなかったのですが、 「葬式組曲」で、あれ、こういう方向性だったっけこの人? と思って、 そして本作で、なんかこう、更に見方が変わった感じですね。

【参考】:ブックレビュー 「葬式組曲」

本作では上述したように、女子中学生の殺人事件を発端としているわけですが、そこから追いかけて見えてくるのは、「貧困問題」。
幼い頃から貧しい家で育ったネガ。
彼女がどのような思いを抱いて育ったのか。そして、そこからなぜ、女子中学生殺しの容疑者となったのか。
もうね、そこに近づいていくのがなんというか・・・・

物語は、事件の謎を追っていく刑事の視点と、ネガのエピソード、この二つが交互に描かれていく形で進む。
白眉はやはり、ネガのエピソードであろう。
なんだろう、うまく言えないけれど、凄く純粋で良い子なんだろうな。
母子家庭の貧しい家で(本当に貧しい)、環境的に恵まれていないけれど、それが自分にとって当たり前だと思って育つ。
容疑者として相対したときは、貧しい家で育ったから、ちょっと擦れて捻くれた小生意気な女子中学生という雰囲気なのだが、ネガのエピソードを読むとグルリとそれが変わる。
中学生らしい、子供らしい無邪気さと素直さの塊であり、魅力がぐっと上がる。

そんなネガが出会った少女、のぞみ。
お嬢様で社交的で友達も多くて、フルートの才能もあって。
ネガが持っていないものを全て持っている、正反対としか思えない少女。
そんなのぞみとの関係性は、これまた意外な方向に。

懸命に生きる少女達。厳しい境遇でも生命力を輝かせる少女達。
だけど、世間は、大人たちは、彼女たちのことなど何も分かっていない。
彼女たちの活きる姿を描いているところは、まさに「青春小説」ど真ん中と言って過言でない。

なぜ、ネガは犯行を認めながら黙秘したのか。
その理由、そして解き明かされる真実は残酷であり、切ない。

あー、もう、本当にネガが・・・・のぞみが・・・・

タイトルの意味も分かります。

読んでよかったわー。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

ミステリーとしても最後にどんでん返し? 的なものを用意していて最後まで楽しめます。
だから別に改善点でもなんでもないけれど、やはり「少女達の青春小説」が主で、ミステリーはその次。
そういう作品だと思います。

 


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