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SF ミステリー 書評

【ブックレビュー】時を壊した彼女 7月7日は7度ある(著:古野まほろ)

更新日:

【作品情報】
 作品名:時を壊した彼女 7月7日は7度ある
 著者:古野 まほろ
 ページ数:554
 ジャンル:SF、ミステリー
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ループの決着への納得度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : タイムリープ、ループものが好きな人

 

■作品について

7月7日、吹奏楽部の仲間5人で屋上に七夕の飾りつけを行ったところに謎の爆発が発生。
爆発に吹き飛ばされた仲間の一人が命を失ってしまう。
その原因となる爆発は、未来からきた二人の少女が乗ってきたタイムマシン装置であった。

仲間の死を回避するため、過去に戻ってやり直そうとする現代人と未来人。
しかし、何度繰り返しても仲間は死んでしまう。
それどころか犠牲者も増えてしまう。

運命の輪から脱出するために同じ一日を繰り返す、青春SFミステリー。



■良かった点

タイムリープもの、ループものである。
今まで数々の名作が世に出てきており、果たしてどのような物語にするのか。
どのように歴史を変えてループを終わらせるのかと、興味をもって購入してみた。
そもそも、この手のループ系は好物であるし。

本作では、古野氏らしいロジックによるループを発生させている。
無限にループできるわけではなく回数に限りがある。
その回数の限界についてもきちんと設定がなされ、その制限された設定の中で登場人物は奮闘しなければならない。
この辺の理詰めの部分は作者の十八番なところ。
無制限にループできたら緊張感もなくなりますからね。

ループの制約に加え、なぜ、死者が出てしまうのか。
どうして過去に戻っての改変が成功しないのか。
過去改変を阻んでいる要因はなんなのか、誰の行動に起因して失敗しているのかを推理させるミステリー要素ももちろん。
高校生達が主人公であり、青春SFらしさ全開である。

過去に戻って違う行動を取ることで「世界線」が変わるとか。
その世界線の変動率とか。
物語が展開する様とか、もろもろの中身は『シュタインズ・ゲート』と被っているが、まあこの手の作品を作ろうとするとどうしても似たようになる部分は避けられない。
本作ではそこに、細かな設定とその設定にとらわれた細かいロジックを重ねることでオリジナル色を出している。

SFではあるが、それは設定であるのでSFが苦手な人でも特に問題はありません。
SF要素を用いたミステリー。
そこに青春テイストを加えた一作。

文体が人を選ぶ部分はあるかもしれませんが、好きな人にはたまらない一作かもしれない。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

登場人物達の会話の冗長さというか説明クサさは、古野氏の特徴なのでそれをどうこうは言わないようにしましょう。
まあ、確かにそれゆえに長くなってしまっているとは思いますが。
こんな風に話す高校生なんているか? って思うかもしれませんが、ラノベと思いましょう。

 

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