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ノーマルCP マリア様がみてる 可南子

【マリみてSS(可南子×祐麒)】二輪草 <序>

更新日:

 

~ 二輪草 ~

 

<序>

 

 可南子と二人で買い物に行く途中で帰宅中の美月と出会い、結局は三人で商店街に寄り、食べ物とケーキを購入。飲み物は重いので、家に帰ってからコンビニに改めて買いに行くことにした。
 帰宅して、買ってきたものを並べつつ、簡単に調理も行う。さすがに全部買ってきたもので手作りがないのもどうかと思ったのだ。
 キッチンに可南子と祐麒が並んで立つ姿を見つめて、美月は嬉しそうに頷く。
「うーん、愛娘とお婿さんが仲良く私のために料理してくれる姿を見られるなんて、幸せよねー」
「お母さん、変なこと言わないでよっ」
 無視すれば良いのに、軽口にムキになって反応してしまう可南子。それが面白いから美月もやってしまうということが、どうしてわからないのだろうか。

 

 作った料理は本当に簡単なもので、さほど美月を待たせることなく出来上がる。
「わーお、凄いご馳走じゃない、美味しそう!」
 食事は、美月が好きだというものをチョイスしている。
「お腹すいた、早く食べましょう」
 嬉しそうにはしゃいでいる美月。
「お母さん、まだその格好なの? 着替えてきたらいいのに」
 可南子が指摘する通り、美月は会社から帰ってそのままの格好でいた。
「大丈夫よこのままで。着替えるとさ、楽でだらしない格好になっちゃうから。やっぱり女として、気になる異性の前でそういうことは出来ないと思うのよ」
「へ、へえ~~~」
 平静を装っているが、可南子の頬が微妙にひきつっているように見える。
「それより、もう我慢できない、早く食べたい~」
「あーもー、分かったから、子供みたいなことしないでよ」
 呆れた顔をしながら、可南子は飲み物を冷蔵庫から取るためにキッチンに向かう。可南子の背中を見送りながら、美月がちらと祐麒に視線を送り、ぺろりと舌を出した。

「な、なんですか?」
「ふふっ、祐麒くんはこういう格好の方が、好きでしょう?」
 可南子に聞こえないくらいの声で言われ、思わず反応してしまう。
 ほんのりと薄く桜色の入ったブラウスに、オフホワイトのスカートは同色のリボンベルトで飾り立て。そしてスカートから伸びる脚は、肌より少し濃い目のブラウンのつるりとしたストッキング。可南子からは感じられない、大人の女性の色香、働いている女性というものが感じられてそそられる。
 ブラウスのボタンは一つ外して首元がちらりと見える。ブラウスの袖を捲り、肘から先の腕が見えるようになっているのが、一方でどこか男っぽさも感じさせる。
「こらー、ユウキも手伝いなさいよ、今日はお母さんのお祝いなんだから」
「あ、と、ごめん」
 キッチンから声がかかり、立ち上がる。キッチンに向かう背中に、にやにや笑う美月の視線を感じるが無視をする。
「ほら、重いんだから」
 美月用のビールを持たされ、ウーロン茶を持った可南子とともに部屋に戻る。
「やったー、ビール、ビール。ふふーっ、若い男の子にお酌してもらうビールなんて、最高ね」
「お母さん……」
 嬉々として祐麒にビールを注いでもらっている美月を見て、なんとも言いようのない表情を見せる可南子。
「さあさあ、食べましょう。今日は無礼講ということで」
「いつもそうじゃない」
「はい、いただきます!」

 そうして、祝の席が始まった。

 とはいっても、料理が豪華という以外に、特に変わったところがあるわけではない。可南子と美月と、会話をしながら楽しく食事をする。
「……でも、今日みたいなお祝いの席に、俺なんかが一緒でいいんですか? 母娘水入らずとかの方が」
「可南子とはいつも水入らずだもの。それよりも、若くて格好いい男の子に祝ってもらった方が嬉しいに決まっているじゃない」
「だからそういうこと、言わないでよ、恥ずかしい」
「いいじゃない、誕生日くらい祐麒くんを貸してくれたって。可南子ってば、意外と独占欲が強いのね」
「そ、そんなんじゃないし」
 いつも通り、美月がからかい、可南子が反応し、祐麒が苦笑しながら眺めて時に口を挟むというような展開だが、誕生日でありお酒も入ったせいか、美月のテンションは随分と高く感じる。
「……それにしても、あっついわねぇ~」
 ぱたぱたと手で扇ぐ可南子。
 夏は暑いものだということでエアコンは極力入れない方針、扇風機は回っているもののそれだけで凌ぐのはさすがに厳しい。
 可南子の顔も、随分と赤くなっている。
「……って、ちょっと可南子ちゃん、これお酒じゃん!」
「え、そうなの?」
 可南子が口にしていたのはカクテルであった。見た目、ジュースに似ているが、アルコールの入ったれっきとしたお酒だ。祐麒達はお酒は購入できないので、アルコール類は美月が帰りがけに自分で購入してきている。
「そーゆーユウキだって、飲んでるでしょ?」
「え? あ、マジでか!」
 よくみれば、自分自身が口をつけているのもアルコールだった。口当たりがよく、ジュースと間違えやすい。そうして気が付いてテーブルの上を見れば、乗っているのは全てアルコール類の缶ばかり。
「み、美月さん、いつの間に」
「だから、今日は無礼講だし、夏休みだし、いいでしょ」
 美月もそれなりに寄っているようで、白い肌はピンク色に染まっている。もともと、美月はそんなにアルコールには強くないはず。果たして、娘の可南子もそんなに強くはないように見える。

 なんだか、よろしくない方向に展開しているような気がした・・・

 

※この後、二人の個別ルートに入ります

 

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