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マリア様がみてる 百合CP

【マリみてSS(景×祐巳)】みだれがみ <後編>

更新日:

 

~ みだれがみ ~
<後編>

 

 

 先日、景の下宿を訪れてからちょうど一週間後、祐巳は再び、景の下宿を訪問した。理由は単純で、前に訪れたときに下着を借りたので、また新しいのを返しにきたのだ。
「……口実、かな」
 下宿の近くに来て、ふと、呟く。
 もちろん、下着を返しに来たというのは嘘ではない。バッグの中には百円ショップで購入した新しい下着が入っている。
 でも、渡して終わりではなく、もっと色々と話したいと思っている。景のことを知りたいと思っている。
 それに、そもそも下着を借りることになったのも、わざとであった。おそらく頭の中で意識せずに、濡れて、借りることになれば、返しに来たときにまた会えると考えていたのだ。そう思うと、自分が随分と狡猾に思えてくるが、それでも構わなかった。
 景に、会えるのであれば。

 

「いらっしゃい」
 景はいつものように、快く出迎えてくれた。
 初めて会ったときは、あまり笑わない、感情を外に出さない人なのかと思っていた。だけどそうではない。よく見ていれば、微かに口元を緩めたり、眉をひそめたり、目を細めたり、色々と表情は変化をしている。ただ、他の人に比べるとその変化が少しばかり小さいだけ。
 それに、祐巳と一緒に居て、楽しければちゃんと笑うし、祐巳が変なことを口にすれば困惑して、色々と素敵な表情を見せてくれた。
 時間は、あっという間に流れていく。
 勿体無いくらい、速く。
「祐巳ちゃんの買ってきてくれたケーキ、いただきましょうか」
 冷蔵庫から、景が箱を持ってきた。
 来る前に購入してきたケーキは、祐巳の好きな店の、大好きなケーキ。生クリームたっぷりの、苺のショートケーキ。定番だけれど、間に苺のババロアが挟まれていて、とても美味しいのだ。
 子供っぽいと笑われてしまうかもしれないけれど、祐巳が大好きなケーキを、景にも食べて欲しかったのだ。
「うわぁ、凄い美味しそう! 私、苺大好きなのよね」
「よかった、このお店のケーキ、凄くおいしいんですよ」
 景が嬉しそうに笑うと、祐巳も嬉しくなる。
 二人は並んで、ケーキを食べ始めた。
「うーん、美味しい。ババロアがまた、たまらないわね」
「そうですよね、ね」
 嬉しくて、小躍りしたくなる。
 祐巳もまた、ケーキを頬張る。
「ふふ、祐巳ちゃんたら、口にケーキついているわよ」
「え、やだ、えへへ」
「待って、拭いてあげる」
「え、い、いいですよそんな、自分でとれま」
 さすがに拭ってもらうのは恥ずかしいと思い、自分で取ろうと指を口元に運ぼうとしたところで、その腕をつかまれた。
 どうしたのか、と思った次の瞬間、びっくりするくらい近くに、景の顔が寄ってきていた。
 景の目は、見たことが無いくらいに潤んでいた。
 ぞくりとするような、色気。
 唇が近づいてきて、祐巳の唇のすぐ外側にくっついていたクリームを吸う。
「あああああ、あの、景さまっ?」
 突然のことに、動揺する祐巳。
 ひょっとして、聖のような悪戯ではないかと思ったが、景の表情にふざけた感じは見られなかった。
 腕をつかまれ、もう片方の手でそっと頬を撫でられる。
「……祐巳ちゃんは、嫌? 嫌だったら、やめる」
 何が嫌なのか、なんてことはいくら祐巳でも聞き返さなかった。
「……嫌ではないです、けど」
「けど?」
 景の瞳が、祐巳をとらえる。
「どうして、景さま」
 問う。
 なぜ、どうして、いきなり。
 景は口を開く。
「それは、祐巳ちゃんのことが好きだから」
 ふと、少しだけ景の体が離れる。
 目を泳がせるようにして、祐巳から視線をそらす。
「私も、混乱したわ。だって、私も祐巳ちゃんも女、同性愛があるって知っていても、自分がそうなるなんて、今まで思ってもいなかったから。だから、はじめは否定した。きっと、妹みたいに思っているんだと、そういった思いを勘違いしているんだと」
 顔に落ちかかる漆黒の髪を指ではらう。
 景の表情は、苦しそうだった。そして、そんな顔をさせていることに、祐巳の胸が痛み出す。
「でも、いくら違うと思っても、そうじゃなかった……だって、祐巳ちゃんのことを考えると、体が熱くなるの。祐巳ちゃんともっと触れ合いたい、感じあいたい、祐巳ちゃんの全てを見て、触れて、口付けて、一緒になりたいって思うの。止められないのよ」
 景は、まともに祐巳を見ることができないように、俯いている。
「……ごめんね、困らせちゃって。気持ち悪いでしょう? そんな、同じ女から恋愛感情を抱かれたって」
 半ば自暴自棄になったのか、自虐的に、吐き捨てるように言う景。祐巳は悲しくなって、咄嗟に景のことを抱きしめていた。
 景の顔を、ぎゅっと胸の中に抱きしめる。
「ゆゆ、祐巳ちゃん?」
 驚いたのか、景は抵抗もできずにただ祐巳に抱かれるままだ。祐巳のささやかな胸の膨らみに包まれ、目をぱちくりさせている。
「私も――景さまのことが、好きです」
 答えた。
 普通に言ったつもりだったのに、声は震えていた。
 ここに至り、ようやく祐巳も確信を持った。不思議だった自分の気持ち。祐巳もまた、景のことが好きだということを。祥子に対する好きとは異なる、一人の人として、愛しいと思う気持ち。
 恋だった。
「嘘じゃないです。私も……景さまと同じ意味で、景さまのことが、好きです」
「ゆ、祐巳ちゃん……」
 祐巳が力を抜くと、ようやく景が祐巳の胸から顔を離し、体を起こしてくる。祐巳と同じ視線で、二人して顔を赤くして向かい合う。
 そして、ごく自然と顔が近づき、唇が重なり合う。
「んっ……」
 初めてのキスは、ケーキの味がして文字通り甘かった。
「……初めてのキスは、ショートケーキの味でした」
 くすり、と笑うと。
「ごめんね祐巳ちゃん。これ、実は私達の初めてのキスじゃないのよ」
 照れながら、景は言った。
 何のことだが分からず、首を傾げると。
「実はね、先週に祐巳ちゃんが寝ているとき、寝顔があんまりにも可愛いから、ついキスしちゃったの」
「え、それは――んんっ」
 反論は、塞がれた。
 景の唇は、優しく祐巳の唇をついばむ。唇についたクリームをつまむようにして、なんどもつついてくる。
「美味しい、祐巳ちゃん」
 何度も何度も、唇をあわせる。
 途中からは、祐巳も夢中になって景の唇に吸い付いた。
 すると今度は、景が舌を差し入れてきた。ぬるりとした生温かい感触が、祐巳の口内に侵入してくる。
 景の舌はゆっくりと、優しく、祐巳の舌先をつついてきた。祐巳がおそるおそる、その挨拶に応えると、やがて舌はさらにのびてきて、祐巳の舌を絡め取るように動いてきた。景の舌は止まることなく、歯茎をなぞり、歯肉をねめる。
「ん……ふっ、ん」
 鼻で息をする。
 初めてのキスからいきなりディープキスで、祐巳はいっぱいいっぱいだった。
 そうして祐巳の口内を存分に蹂躙すると、ようやく景は一度唇を離した。祐巳の口の端から一筋、涎が落ちる。
「祐巳ちゃん、舌を出して」
「ふぁ……はぁっ、はっ、ん……」
 まだ呼吸も整っていなかったが、祐巳は言われるままに舌を出した。その舌を、景の唇が挟み込んだ。
 舌が、吸い込まれた。
 だが今度は、先ほどとは異なる感触。
 景の口腔内、自分でない暖かさ、感触、味覚に、興奮した。先ほど景にされたことを見よう見まねで、必死になってやってみた。
「んっ……んんんっ!」
 体が震える。
 いつの間にか、景の手が祐巳の胸をまさぐっていた。ブラウスのボタンを外して胸をはだけ、ブラジャーの上から愛撫している。
「んあ……あっ」
 口を離した瞬間、祐巳は畳の上に倒れこんだ。いや、景が祐巳を押し倒してきたのだ。
 その証拠に、まだ目の前に景の顔があり、祐巳の胸はいまだに景の手の中だった。
 景の表情は、祐巳がこれまで見たこと無いものだった。頬は上気し、唇はぬらりと光り、眼鏡の下の目は扇情的で。
「祐巳ちゃん……」
 呟いただけだったが、祐巳はそれで全てを理解し、小さく首を縦に振った。
「景さま、私」
「大丈夫、優しく、するから」
 泣きたくなるくらい優しい声で、耳たぶを噛まれ、震えた。
 景の指が、静かに祐巳のブラジャーを外すと、ささやかな膨らみが表に出る。誰にも触れられたことの無い乳房を、景の手が這う。撫でるようにしながら、人差し指と中指で、そっと先端を挟み込む。
「祐巳ちゃんの可愛い苺……あとで食べさせてね」
 与えられた刺激と少しえっちな囁きに、体が震える。
「や、景さま恥しい……んっ……」
 祐巳を安心させるように、またキスをする景。先ほどのような激しいものではなく、甘い、バードキス。
 景の唇も、舌も、指も、何もかもが優しかった。

 ああ、この優しさに自分は惹かれたのだと。

 愛されながら、祐巳は理解したのだった。

 

 まるで夢の中を泳いでいるようだった。
 景の薄い唇が、祐巳の体のあらゆる箇所にキスをしてくれた。唇はもちろん、頬、額、耳、首筋、うなじ、鎖骨、脇、胸、お臍、太腿、お尻、脹脛、そして、一番大事な場所。
 物凄く恥しかったけれど、同時に嬉しかった。
 景の指は、祐巳の身体を鍵盤に見立てた如く、滑らかに曲を奏でた。とはいっても、音を出す方がどうしようもなく、名曲には程遠かったが。
 それでも。
 祐巳の秘裂を割り、何度も中に入り込んだのだ、景の細い指が。
 果たして、これで処女を失ったのだろうか。だけど痛くはないし、血も出ていない。処女を失っても出血がほとんど無い人もいれば、痛みが無い人もいるというから、なんともいえない。経験の無い祐巳には、分からなかった。
 だが、もしも処女を失ったのであれば、痛みが欲しかったし、血が流れて欲しかった。
 愛する人と結ばれたことを示す、確かなものとして。

 夢うつつの中、祐巳は思い出す。
 初めてのことだったから、祐巳は景のなすがままだった。すべて身を任せ、生まれて初めて経験するような快感を、もらった。それは幸せを伴う、快感だった。
 しかし果たして、景は同じように気持ちよくなれたのだろうか。祐巳は、景に何もしてあげられていなかった。
 仕方が無いとは言え、ちょっと寂しかった。
 祐巳は、大好きな景にも同じように気持ちよくなって欲しかった。
 祐巳は決意した。次回までに自分も勉強して、景に気持ちよくなってもらうのだ。でも、ということは、景にしてもらったことを逆に祐巳がするわけで。
 頭の中で想像して、あまりのことに恥しくなって顔が熱くなる。
 ――と

「ふふ、祐巳ちゃんってホント、百面相で面白いわね」

 そんな声が、すぐ上から聞こえてきた。
 見上げてみると――景の優しい目と視線がぶつかった。
「え……ひゃあああっ!?」
 驚き声をあげてみたものの、よく考えれば当然のことだった。祐巳は景の布団の中で横になっており、すぐ隣には景も寝ていたのだから。位置的に、景の頭の方がちょっと上にあったから、見下ろされる格好となっていただけだ。
「おはよう、祐巳ちゃん」
「お、おはようございます、景さま……って、あわわわわっ」
 すぐに、自分が裸であることに気がつき、慌てて両手で隠す。
「あ、なんで隠しちゃうの? せっかく祐巳ちゃんの可愛いおっぱい」
「そ、そんなこと、言って、も……」
 反抗しようとしたものの、尻すぼみ。
 なぜなら、景も裸だったから。
 だけど、祐巳のお子様な体型とは違って、胸は形良く盛り上がっていて、腰はくびれていて、お尻はつるんとしていた。
 昨日、あれだけエッチなことをしたけれど、こうして頭が落ち着くと、やっぱり恥しかった。
 だから祐巳は、身体を隠すように身を丸くするのであった。

 

 恥しそうにしている祐巳を見て、景は本当に可愛いなと思った。
 結局、祐巳は景の部屋に泊まっていった。
 ケーキを食べたのが夕方頃で、その後に初めて身体を重ね、祐巳が一度果てた後は二人で布団の中でまどろんでいた。
 目が覚めると夜で、とりあえず祐巳の自宅に電話して景の部屋に泊まることを連絡すると、二人はまたも愛し合った。
 とはいうものの、ほとんど裸で抱き合っていただけであったが。
 しかし、ただそれだけなのになんと心地よく、なんと甘美な時間だったことか。性的快楽が得られなくても、精神的快楽、精神的満足感は計り知れないものがあった。
 祐巳の肌を、息遣いを、柔らかさを、直に体感する。
 お互いに強く、ぎゅうっと抱き合いながら、時に唇をあわせていれば、他に何もいらないと思えるほど。
 景はもう一度、祐巳を抱きしめた。
 手の中に感じられる、祐巳の温もり。
 肌と肌が触れ合う。胸と胸が押し付けあう。足が絡み、鼻の頭が軽くこすれる。
「ずっとこうしていたいのはやまやまだけど、一度起きましょうか。お腹もすいたし、シャワーも浴びたいし」
「は、はひぃ」
 変な返事をする祐巳とともに、布団から身体を起こす。
 すっかり朝であるが、幸いなのはちょうど学校が夏季休みに入ったから、慌てる必要がないということ。
「祐巳ちゃん、体の調子は大丈夫? 変に感じるところは無い?」
「あの、はい、大丈夫です。景さまが……優しくしてくださったから」
「そう、よかった。私も、女の子相手は初めてだったから、ちょっと心配で」
 ほっと胸を撫で下ろす。
 しかし。
「……『女の子は』初めてだった……?」
「え?」
「じゃあ景さま……男性とは経験、あるんですか……?」
「あ」
 誤魔化そうとしたが、遅かった。
 祐巳が、なんともいえない表情で景のことを見ていた。
「まあ、ね、高校までは共学だったから、そのとき彼氏もいて……先輩だったから、卒業したらあっさり終わっちゃったけどね。どこにでもあるような、つまらない話よ」
 隠しておくこともないと思い、素直に認めた。
 実際、何一つ面白いような話ではない。どこにでもある、高校生の恋愛話。今となっては、ただの昔話だ。
 しかし、祐巳にとってはそんなことないようで。
「ううう、景さまが、景さまが……あの、じゃ、じゃあ、男性の、お……お……」
 言いかけて、真っ赤になる祐巳。
「何? 何が言いたいのかな、祐巳ちゃんは」
「何って……うううぅ、景さまの、意地悪っ!!」
「あはは、ごめん、ごめん。それで何、男の人とのことを聞きたいの?」
「とゆうか、その、景さまの中に、その、アレが、入ったってこと……ですか?」
 首のあたりまで赤くしながら、ようやくそれだけを口にする祐巳。そんな祐巳があまりに可愛いので、景は祐巳に色々と恥しい言葉を言わせたくなったが、さすがに怒るかと思い、それは次回以降の楽しみとすることにした。
 恥しそうに卑猥な単語を口にする祐巳。想像するだけで濡れそうだった。
 そんな景の内心など知らず、祐巳は微妙に落ち込んでいた。
「うう、ショックです。景さまが、そんな」
 そこまで落ち込まれるとは、景も思っていなかった。
 共学で育った景にしてみれば、高校生で付き合い始めて処女を失う女子なんて、それほど珍しいことではなかったから。
 女子同士で集まれば、興味半分という子もいたが、性的な話もよく出たし、お互いの情報や経験、知識といったものを交換したりもした。
「もう、そんな顔しないで祐巳ちゃん。確かに私はもう処女じゃないし、男とセックスしたこともあるけれど、祐巳ちゃんとしたみたいに気持ちよくなったことなんてないから」
「え? でも私、何にも」
「本当よ。祐巳ちゃんを抱きしめたとき、思ったもの。ああ、なんて柔らかくて気持ちよいんだ、って。本当、しびれちゃうくらいに。それに比べれば男なんて、人の中に突っ込むだけ突っ込んで、好き勝手に腰動かして自分だけ気持ちよくなって、出して終わり。下だけじゃない、胸で挟ませたり、口でしゃぶらせたり、自分が気持ちよくなることばっか人にやらせて。まあ、私は気持ちよくなってもらうのが好きだったから、そこまで嫌じゃあなかったけれど……って、祐巳ちゃん、口開いているわよ」
「……す、すみません。あの、話についていけなくて」
「あれ。友達とそういう話、しないの?」
「他の人は知りませんが、少なくとも私は……」
「あー、リリアンってやっぱりお嬢様学校なのね」
 景は頭をかいた。
 ごめん、というような表情をしながら、これはやっぱり祐巳にエッチなことを言わせたいと思っていた。
 もちろん、口にしたりはしない。
「とにかく、男とするより全然、祐巳ちゃんとが良かった。祐巳ちゃんだって気づいていたでしょう? 抱き合ってるとき、祐巳ちゃんの足に押し付けていた私のアソコ、どうなっていた?」
「え……あの……濡れていました……」
「そうでしょう? 私、あまりに気持ちよくてずっとこすりつけるようにしていたの、気づいていた?」
「はい……」
「私、実は途中でイっちゃったのよ?」
「えっ!?」
「男としたときもイったことなかったのよ。ね? 祐巳ちゃんが私をイかせてくれたのよ」
 本当のことだった。
 相手も景が初めてだったし、高校生で経験も技術もないから、ただ好きなように動くだけだった。
 景にとってセックスとは、相手が気持ちよくなる様子を見るものだった。自らが気持ちよくなることを知ったのは、自慰行為だった。
「でも……」
 祐巳がもじもじとしながら、上目遣いに景のことを見て、口を開いた。
「わ、私も……景さまにしていただいたように、景さまにしたいんです」
「祐巳ちゃん……か、かわいいーーーっ!!」
「ふにゃあっ!?」
「ああもう、なんて可愛いのかしら!」
 辛抱たまらず、景はまたしても祐巳を抱きしめて頬ずりしてしまった。
「景さまぁ、私、本気ですよ? ちゃんと勉強してきますから、今度は私が、景さまを気持ちよくして差し上げたいんです」
 お互いが、お互いを良くしてあげたいと思う心。だからこそ、抱き合い、身体を重ねて感じることができる。身体が溶けるかと思うほどの悦びを得ることが、与えることができる。
 景は心から、そう思った。
「景さま、これからは私だけ、ですよね?」
 だから景は、祐巳のその問いに素直に応じる。
「当たり前でしょう。好きよ、祐巳ちゃん」
「私も、景さまのことが大好きです……ん」
 祐巳の髪を手でかきあげ、顔を近づけて唇をあわせる。

 

 可愛い恋人の唇は、何度味わっても飽きることが無かった。

 

 

おしまい

 

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