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ギャグ・その他 マリア様がみてる

【マリみてSS(色々・ネタ)】小ネタ集 ノーマルCPショート21

更新日:

 

<1>

いつの間にか、椅子に拘束されていた。手も足も縛られ、身動きが取れない。おそらく、お茶に眠り薬が盛られていたのだ。
祐麒は、目の前に立つ二人の女の子に声をかける。
「し、静さん、志摩子さん、なんでこんなことをするんですかっ?」
恐れを抱きつつ問いかけると、天使のような少女は慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。
「祐麒さんがいけないんですよ、いつまでも私のことを選んでくださらないから」
「あら、それは聞き捨てならないわね。祐麒さんは私のことを選んでいるのだから、志摩子のことを選ばないのは当然でしょう」
優雅、とさえ呼べるような笑みで返すのは静。
そして二人は、なぜかバニー姿。静が白バニーで、志摩子が黒バニー。
着やせする志摩子は、大きな胸を誇らしげにするかのよう。それでいて慎ましさも感じさせる、可憐なバニー。
一方の静は、スラリとスマートなボディラインを晒す、綺麗で少し大人びたバニー。
「まあ、私たちが言い合ってもなかなかお互い認めないし、祐麒さんもはっきりと言うのは困るでしょう」
「だから今日は、祐麒さんの身体に示してもらおうと思っているんです」
さらりと怖いことを言う志摩子。ちなみに祐麒はパンツ一丁という姿で拘束されている。
その祐麒の両脇に志摩子と静がやってきて膝をついたかと思うと、同時に祐麒の胸にに口づけてきた。
「うひゃぅっ!?」
「あら、可愛らしい声。そんなに気持ちいいかしら?」
「うふふ、私の方が気持ち良いですよね?」
静はちろりちろりと、紅い舌で周囲を撫でるようにしながら這わせている。
志摩子は唇ごと吸い付きながら、舌先でつついてくる。
二人の愛撫は続き、やがて祐麒のトランクスに二人の指がかけられる。
「し、静さん、志摩子さんっ、正気になってください。こ、こんなことしていいんですか!?」
「祐麒さんがいけないんですよ、だってはっきりしてくださらないから」
「そうそう……でも志摩子、あなた本当に出来るのかしら?」
「もちろんですわ、静さま。胸でもしてさしあげようと思っていますけど、静さまには無理ですよね」
「私は、声楽で鍛えた口と、舌と、喉があるから大丈夫よ、ふふ」
しゃがみ込んだ体勢で顔を見合わせ、不敵に笑いあう両者。
「……祐麒さん、覚悟してくださいね。どちらかを選べるまで、今日はお休みなしですから」
嬉しくも恐ろしい宣告により、二人の戦いは開始されたのであった。

 

<2>

なんで、あんなことになったのか。あんな、ただの庶民の娘に、なぜ大きな拍手が送られたのか。主役は、この私のはずだったのに。
悔しくて悔しくて、泣きそうにもなった。でも、泣いたら本当に負けだと思ってぐっと我慢した。
夜が明けても悔しさは晴れず、家の者が何か言うのも構わずに外に出てきた。
一人で、街を歩く。有名なソフトクリーム屋さんに人が並んでいる。何が楽しくて、みんなあんな笑っているのか。
むしゃくしゃして、自分のことしか考えられなくて、周囲のことなんて見ていなかった。肩に、衝撃がはしった。
誰かとぶつかってしまったのか。相手に何か文句を言われたが、むしゃくしゃしていた私は言い返してしまう。
「うるさいわね、周りをよく見ずに歩いていたそちらが悪いんでしょう」
「なんだって、おじょーちゃん?」そこには、若い男の人達が数人立って私のことを見ていた。
素直に謝った方が良かったのだろう。実際、下を向いて歩いていたのは私の方だ。だけど、プライドが邪魔をする。
昨夜のこともあって、自分から謝るなんて気にもなれなかった。
男たちは私の周囲を取り囲むようにして、建物の陰の方に無理やり連れて行った。
「な、何する気なの? 変なことはしない方が、身のためよ」
「まだそんなこという? まあ、気の強い子は嫌いじゃないけどね、これでもまだそんなこと言ってられる?」
言うなり、男が私のスカートをいきなり捲り上げた。
「おー、純白、足細いね」
「なっ…………あ……」あまりのことに、声も出せない。しかも、後ろから羽交い絞めにされ、足も抑えられていた。
私は身動きとれず、スカートを捲られたまま下着姿を男に晒すという屈辱的な仕打ちと羞恥に身を震わせる。
「少し、お仕置きしといたほうがよさそうだな」ここで私はようやく、恐怖した。何をされるのか。何が始まるのか。
自分の軽率な行為を悔やんでも遅い。涙が出る。体が震える。誰か、助けて----
目を瞑る。次の瞬間、鈍い音がしたと思うと私を羽交い絞めにしていた男がうめき声をあげて膝をついた。
その後は、良く分からなかった。誰かが何かを男たちに投げつけ、混乱しているうちにどこかに連れ出されていた。
「大丈夫だった? 怪我していない?」
「あ……いえ、大丈夫……です」そう言ったが、膝に力が入らずへなへなと体がくずおれそうになった。
それを、抱きとめてくれたのは。優しそうな顔をした、私と同じくらいの年頃の男の子。顔が、熱くなる。
「ご、ごめんない、ご迷惑を」恥しい。でも、胸がドキドキする。このままでいたい気もする。
「もう、泣かなくても大丈夫だから。ええと……そうだ、ソフトクリームでも食べる? 美味いんだよここの」
私のことを気遣ってくれているのだろう、彼ははにかむようにしてソフトクリーム屋を指でさす。
「は、はい……」私はもう少しこの人と一緒にいたくて、頷いていた。不思議だ、初めて会った人なのに、なぜか安心できる。
「あ、た、助けていただいてありがとうございました。わ、私、西園寺ゆかりと申します。あの、是非、お名前を」
「俺? 俺は、福沢祐麒。よろしくね、西園寺さん」
どこかで聞いたことがあるような名前だったけれど、よく分からなかった。ただ私は、目の前に現れた王子様に見惚れていた。
きっと私はこの瞬間から、恋をした----

 

<3>

リリアンというお嬢様学校の中でも、堅物ということで有名だった。
テストでは常に学年トップファイブに入り、いつもいつも勉強ばかりしている。
そんな克美の様子が変わり始めたのは、いつごろからだったであろうか。
「克美さん、最近、表情が柔らかくなったと思うのだけれど、何かあったのかしら?」
尋ねてきたのは江利子。克美がライバルと目している相手だが、江利子の方はそうは思っていないようだ。
「そう? 別に何もないわよ。いつもと変わらないわ」
そう、変わったことなどないはずだ。別に、克美自身は特に変わったとは思っていない。彼の存在があったとしても。

「……克美さん、勉強ばっかりで俺の相手、全然してくれないんだもんな……」
「私は受験生なのよ、分かっているでしょう。それに、こうして話しているじゃない」
テーブルを挟んで向かいに座っているのは、祐麒。ひょんなことから知り合った、克美より二学年下の少年。
なぜか克美に懐き、こうして付き合うことになったのだが、受験生の克美はあまり相手をしてくれない。
「克美さーん」
「邪魔」
立ち上がって背後に回り込み、背中から抱き着いてみる祐麒だったが、にべもなく二文字で拒絶された。
がっくりと落ち込み、克美の右隣に座って克美のノートを覗き込む。祐麒は既に勉強する気をなくしたようだ。
「難しいこと勉強しているね、さすが克美さん」
「祐麒も三年生になれば、習うわよ」
「ううぅ……そうっすか」しゅん、と落ち込む祐麒を見ると、ペンを置いて克美はため息をついた。
「もう、仕方ないわね……」
そう言って首をのばし、キスをした。
「…………ん、調子に乗らない」胸に触ってきた祐麒の手を、ぺしっと叩く。
「だってさ」
「もう……この前テストで100点取った時、ご褒美に……してあげたでしょう」
頬を赤らめながら言う克美。そう、まさかと思ったが、あの堅物の克美がこの部屋で口でしてくれたのだ。
「いやぁ、だから、忘れられなくて。できれば、続きとか」
「だから、駄目。快楽におぼれたらどうするの。受験が終わるまではお預けよ。それに」
一つ間を置き、祐麒をちらと見つめて克美は口を開いた。
「……志望校に合格したら、私自身のご褒美で……祐麒にしてもらいたいから。それまでは、我慢して。ね」
聞き分けのない祐麒を宥めるように頭を撫でると、克美はもう一度唇を重ねるのであった。

 

<4>

「祐麒、菜々ちゃん、遊びに来ているわよ」
学校から帰宅すると、母親から言われた。そういえば、玄関に見慣れない女物の靴があったことを思い出す。
そして菜々が部屋にいることを知り、いそいそと自分の部屋へと向かおうとする。
「祐麒、菜々ちゃんと二人だからって、変なことするんじゃないわよ」
お茶とお茶菓子の乗ったお盆を渡しながら注意する母親に曖昧に頷きつつ、二階の自分の部屋へと足を向ける。
「ごめん菜々ちゃん、待った?」
嬉々として部屋を開けて出迎えたのは。
ベッドの上で仰向けになり、両手を万歳させるような格好の菜々。
ノースリーブセーラーで腋の下が覗き、チェックのミニスカートの下に下着がチラ見し、二―ハイソックス。
伸びをしているような格好なのでおへそも見え、とても綺麗で色っぽさも感じさせる。
「ちょ、ちょ、ちょっと菜々ちゃん、なんて格好してるの!?」
どうにかお茶を零さずにテーブルの上に置き、戸惑いつつも目を離せない。
「祐麒さんが悦ぶと思いましてー、ほら祐麒さん、腋の下&おへそフェチじゃないですかー」
「そ、そんなこと、言った記憶はない!」
「分かりますよー、いつも私の腋の下とお臍、丹念にねちっこく舐めてくるじゃないですか」
「な、菜々ちゃん声が大きいって」
慌てて扉を閉めると、菜々が悪戯な笑みを浮かべつつ上半身を起こした。
「ちなみにこの衣装は、姉から借りてきました。ここで着替えるとか、相当な冒険でしたよ」
「な、菜々ちゃん、そんなに俺を誘惑したいのかい?」
「あら、反対じゃないですか? 祐麒さん、誘惑されたいのでしょう?」
ふふん、と笑ってくる中学二年生女子。可愛くて、小悪魔的で、中二で、貧乳だなんて最高すぎる属性持ち。
「私が進級して、成長してないすばでぃになったら、興味失っちゃうんですか?」
セーラー服の腹部に手をあて、軽く捲りあげ、形の良いおへそをちらりと見せる。
祐麒は菜々の前で膝をつき、細い腰を両手で掴み、そっと口を近づける。
「今日は、えっちぃのはここまでですよ……」
「誘惑しておいてそれ、生殺しだよ」
「それが狙いですから、うふふ」
菜々に頭を撫でられ、それもまあ良いかと思う祐麒なのであった。

 

<5>

「うーんっ」
両手を上にあげて、思いっきり伸びをする。
と、背後からそっとお腹に手を回し、抱きしめてくる彼の人。
「ちょっと、祐麒クン?」
「いやだって、今の姿見せられたらこうなっちゃいますって!」
キャミソールで伸びをしたものだから、滑らかな曲線を描く脇の下が目に入り、つい手が伸びてしまったのだ。
「離れてくれないと、お昼ごはん、作れないでしょう?」
「そしたら、景さんをいただいちゃいますから」
「…………オヤジ?」
ここは景の下宿先。本来であれば男子禁制であるが、大家の弓子が泊りがけで出かけているので、こうしているわけである。
「ほーら、離して。それとも、包丁で刺されたい?」
ぺちん、と手の甲を叩かれて素直に離れる。無念と思ったが、ふと景の姿を見て思い立つ。
「景さん、料理のためにエプロン、します?」
「別に、簡単に作るだけだし、そこまでするつもりは」
「お願いします、是非、エプロンつけてください!!」
料理のため、髪の毛をポニーテールにまとめていた景が、いきなり深々と頭を下げてきた祐麒に目を丸くする。
「……まぁ、いいけれど。どうせ、ロクでもないこと考え付いたんでしょう?」
「ありがとうございます!」
嬉々とする祐麒を見て大きく息を吐き出しつつも、景はエプロンを手に取った。なんだかんだと優しく、甘い。
そしてエプロンをつけた景を見て、祐麒は自分の考えが正しかったことを実感した。
キャミソールにデニムのショートパンツという格好の上からエプロンをつけたことより、元々の服装がすっぽり隠された。
エプロンからにょっきりと伸びる二の腕、太もも。キャミソールのストラップもエプロンの紐で隠れている。
これ即ち、疑似的な裸エプロンではないだろうか!
「それじゃあ、料理するからちょっと待っててね……えーと、何があるかしら」
と、冷蔵庫を覗き込むため上半身を前に倒し、お尻を突き出す格好となる景。
デニムのショーパンは非常に短く、お尻に食い込むような感じで、お尻がはみ出しているようにすら見える。
「景さん、そんなことされたら俺、我慢できませんって!」
「きゃあっ!? ちょ、何一人で盛っているのよ!? 昨夜いっぱい、好きなことしてあげたでしょう……もう」
後ろから抱き着き、キャミソールとショーパンの中に手を差し入れてくる祐麒に、諦めのため息をつく景であった。

 

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