書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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【マリみてSS(色々・ネタ)】りりあん通り商店街 (3)

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~ キラメキ! りりあん通り商店街 <カフェ> ~

 

店のドアをあけると、カウベルの音が小気味良く響く。
『Cafe るぽる』は雰囲気の非常に良い、落ち着いた雰囲気の喫茶店だ。
オレンジペコとスコーンが好評で自慢でもある。そして、もう一つの自慢はもちろん、働いている女の子。
「いらっしゃいませ……あ、祐麒さま」と、祐麒を見つけて声をあげたのは日出実である。
「どうしたの日出実、早くご案内を……て、あ、祐麒さん」奥から出てきた真美もまた、目を丸くする。
「こんにちは、真美さん、日出実ちゃん。お茶しにきました」
「は、はい、どど、どうぞこちらへ……あわわ、日出実、私髪型変じゃない?」
「大丈夫です、いつもと変わりません……あの、私のメイク、濃すぎたりしません?」
「いつも通りよ、問題ないでしょう」
何やらこそこそと話し合っている元新聞部姉妹に案内されて席に着く。
地味と思われている二人だが、親しみやすい感じと、姉妹の百合っぽい雰囲気が受けて実は密かに人気があるのだ。
「今日は私が注文を取る番だったわよね?」
「く……そうです」悔しそうな表情をしているが、素直に真美の言に従う日出実。
真面目な二人は、祐麒に対する接客は必ず交代で行うように取り決めていた。
一つ深呼吸をして、心を落ち着けてから真美はトレイに水を乗せて祐麒のテーブルへと向かう。
「あら、祐麒くんじゃない、奇遇ね! ここ、相席いいかしら、いいわよね、失礼しまーっす!」
「ずこーーーっ!?」と、豪快にずっこけそうになりつつも、プロ根性でコップを落とすのはどうにか回避する真美。
「あら真美、何面白い格好しているのかしら、パンツ見えるわよ?」
「お、お姉さま……な、何をなされているのですか?」体勢をどうにか立て直し、赤くなりながらスカートの乱れを直す。
「何って、取材帰りに寄ってみたら祐麒くんがいたから、相席しているだけだよーん」
「相席だったら、向かいの席に座ればいいじゃないですか。なんで隣で、しかも腕を組んでいるんですかっ!?」
四人用の席で祐麒の向かいが空いているのに、三奈子は祐麒の隣に座って祐麒にしがみつくようにしていた。
「どう座ったっていいじゃない、お客様よわたし? えへへ、ねえ、祐麒くんだっていいよねー?」
いつだったか三奈子の取材を手伝ったことがあり、なぜかそれ以来懐かれている祐麒。
「だって祐麒くんとは、チューだってしている仲だし~」
それは、酔っぱらうとキス魔になる三奈子に、不意打ち&強引に唇を奪われただけなのだが……
「ほらほら、私達ラブラブなカップルだけに構わず、他のお客様のお相手しないと駄目でしょう?」
「ふふ……お店の風紀のためにもお姉さまのようなお客様にはご退場いただきたいと思います」
「ちょっとお姉さま何を……って、三奈子様っ、ちょ、何をっ」
「あら日出実ちゃん、こんにちは~。また今度、祐麒くんと三人プレイを楽しみましょうね」
「っ!?」真っ赤になる日出実。反対に、鬼のような形相となる真美。
落ち着いた雰囲気のカフェも、年に何回か、このように嵐の吹き荒ぶ日があるとか…………

 

~ キラメキ! りりあん通り商店街 <八百屋> ~

 

カフェでお茶をしているうちに、随分といい時間になっていた。あとは、買い物をして帰るだけだ。
夕方の商店街は活気が一段と増し、主婦を始めとして色々な人たちが店を巡っている。
祐麒がまず足を向けたのは、『鳥居青果店』である。主婦たちが沢山きていて様々な野菜を見繕っている。
「へいらっしゃ……ち、なんだ小僧か」
店の男が祐麒の顔を見るなり、忌々しげな表情をしてみせる。客に対してどうかと思うが、いつものことである。
「なんか欲しいもんでもあるのか? 言っておくがお前に売るような新鮮な野菜はうちには……っ、痛ぇっ!?」
いきなり頭を大根で叩かれ、悶絶する男。
「まったく、馬鹿兄貴なんだから。なんでお客様にそんな態度をするの……ねぇ、祐麒くん?」
にっこりと、折れた大根を握ったまま微笑みかけてくれる江利子。お店の看板娘。
「こんにちは、江利ちゃん。えと、ちょっと近いかな~って」密着するほど近寄ってくる江利子に、思わず赤面しつつのけぞる。
「貴様、何親しげに『江利ちゃん』なんて呼んでいるんだ! 『江利ちゃん』と呼んでいいのは俺たちだけ……がふぅっ!?」
「まったく、いい加減にして……馬鹿兄貴たちのことは気にしないでね、祐麒くん」
大根はもちろん、後で店員の皆で美味しくいただきます。食材を無駄にするなんてことしませんので。
「今日はね、祐麒くんの前からのリクエスト通り、イイ感じの胡瓜と茄子とバナナが入っているから……ふふ」
胡瓜と茄子を手に、蠱惑の笑みを浮かべる江利子。
この店は江利子の三人のイケメン兄貴がおばちゃんに大人気、江利子が野郎どもに大人気なのだが。
「ほら祐麒くん、前から『お野菜ぷれい』? をしてみたいって言ってたから……私なら、いつでも……」
「ここここら福沢きさま! な、な、なんて破廉恥なことをうちの大事な江利ちゃんにしようとしてるんだ!?」
「ご、誤解です、俺は何もしようとしていないです!」
「え、酷い、私ってそんなに魅力がないかしら?」
「貴様、江利ちゃんを泣かせるとはどういうことだ!?」
「俺にどうしろっていうんですか!?」いつものこととはいえ、この兄弟とのやり取りは疲弊する。
「ね……祐麒くん、こっち、こっち」つと、祐麒に服の裾を引かれ、店の軒先から中に足を進める。
他の客からはちょうど、祐麒の体が影になって江利子の姿が良く見えなくなるような感じのところで。
「この胡瓜……ほら、祐麒くんのみたいで素敵……」
と、胡瓜を豊満な胸の谷間に差し込んで挟み、さらにはみ出した先端に可愛らしい唇を寄せ、舌を出した。
「ちょ、江利ちゃん、何してっ」Tシャツにエプロン姿の江利子、前かがみになると胸の迫力は、それはもう。
「ん? あ、ごめんなさい。祐麒くんのはこんな小さなサイズじゃなかったわね」
「え、江利ちゃん、まずいってこんな場所で……って……」胸に挟まれた胡瓜を掴んだところで振り向くと。
凄まじい形相で祐麒を睨みつけている三人の男の姿が。
名物、祐麒vs三兄弟のバトルは、今日もこくして繰り広げられるのであった。

 

~ キラメキ! りりあん通り商店街 <魚屋> ~

 

「あっはっは、お疲れ祐麒、いつも大変だね~っ」
八百屋での激闘を終え、爆笑で出迎えてくれたのは『魚白』の聖。
「で、今日は何を買ってきたの?」
「えと、胡瓜と人参と茄子と、バナナですね……」いずれも江利子に買わされたようなものだが。
「ひゅうっ♪ 江利子もヤル気満々だねぇ。そういうの、楽しいの?」
「楽しいというか、何というか……」買わないと、江利子に加えて兄達が怒るのだ。『江利ちゃんのお勧めを買わないのか』と。
「さてさて、んじゃあウチでは何を買ってくれるのかなぁ? 今日はめばるが活きがいいよ」
この魚屋は聖が切り盛りしているせいか、女性の評判がいい。というか、聖の愛想がよいのが女性客に対してだけなのだが。
「それにめばるはね、海のニンニクともいわれていて非常に精のつく魚なんだから。祐麒にゃちょうどいいでしょ」
「どういう意味ですかっ」
「そのままの意味だけど……あ、それともやっぱウナギなんかのほうがいいかな?」
気さくに楽しく会話の出来る店ではあるのだが、こうしてしょっちゅうからかわれてしまう。
「いや~、さすがにウナギは手が出ないですね。ボーナスでも出たら、その時にでも」
「そう? じゃあボーナス時にはまとめて大量にお願いね」
「そうですねー、考えておきますよ」
「……はっ!? もしや大量に購入してウナギプレイする気とか? ま、まにあっくすぎる!」
「……俺は聖さんの頭の中がどうなっているのか不思議で仕方ありません」
意味の分からない聖の発言はさておき、どうしようかと魚を物色していると。
「すみませーん、クロタチカマスとカジカとアカイサキくださーいなっ、と、あら、せんぱい」
元気よく駆け込んできたのは、スポーツ用品店の娘である菜々だった。
「久しぶり菜々ちゃん。菜々ちゃんも買い物? 晩御飯のおかず?」
「そうですよー。そういうせんぱいは、やっぱりウナギで精をつけるためですか? それともまさかウナギぷれい……」
「なんなの君たち!?」
「冗談ですよう、いくらせんぱいの性奴隷である菜々も、さすがにソレはちょっと……あ、でもどうしてもというなら」
「人の大勢いる場所で、人聞きの悪いこと言わないでくださりますか!?」
「違うよ菜々ちゃん、このムッツリときたら、なんと女体盛りをやりたいなんて言い出してさぁ」
「まぁ!?」
「もうイヤ、このお店……」
がっくりと肩を落とし、買い物を終えるまで聖と菜々の玩具にされる祐麒なのであった。

 

~ キラメキ! りりあん通り商店街 <精肉屋> ~

 

ラストは肉屋である。野菜、魚と買ったのだから、今日はお肉はいらないではないかとも思うのだが。
「ちょっと祐麒くん、今日は新鮮な松坂牛がお買い得なんだけど、どう、寄ってかない?」
と、威勢よく声をかけてきたのは『精肉 青信号』の由乃だった。
「由乃さん、さすがに俺の安月給じゃあ松坂牛なんて買えないよ。安くて美味しい鶏肉がいいなぁ」
「何よもう、ちょっとくらい男なら格好いいところ見せなさいよ、こう、ぱーっと使ってさぁ」
「滅茶苦茶言わないでよ、生活できなくなっちゃうじゃん」
「商店街を活気づけるためにも、消費してほしいのよねぇ。それに、いざとなっても大丈夫!」
「無責任なこと言わないで欲しいなぁ、お、今日はモモ肉が安いな」
「別に無責任じゃないわよ、ほら、いざとなったらさ、わ、わ、私が面倒みてあげなくもな……」
「うーん、でも胸肉も美味そうだなこれ……ん、なんだっけ、由乃さん?」
「ふ、ふふ……別に」横を向いてふぅとため息。祐麒のタイミングの悪さは折り紙つきなのだから。
「胸肉だったら、由乃ちゃんのえぐれたのより、私の方がいいわよ?」
「うぉわぁっ!?」急に背中に温かくて柔らかなものを押し付けられ、変な悲鳴をあげてしまった。
「ちょ、江利子さま、商売の邪魔しないでくれます?」どこか引き攣った笑いを浮かべている由乃。
「お客様に忘れ物を届けにきただけよ。ね、祐麒くん、忘れ物のゴーヤ。あ、由乃ちゃん、ソーセージを一本」
「江利子さまには売りません、なんか、いやらしいんですもの」口を尖らせる由乃。
お肉のショーケースを挟んで、元・黄薔薇の火花散る睨み合いが展開されていると、不意に本物のフラッシュがたかれた。
「はい、いい構図ですねー! 絵になります、さすが江利子さまと由乃さん!」
カメラを構えているのはもちろん、蔦子だった。
「ふーっ、今日一日、祐麒くんを密着取材して正解だったわ。いい写真が沢山撮れたわ~」満足げな蔦子。
「密着取材って、俺なんにも聞いてないし、取材されていないけれど!? てかいつの間に写真を!?」
「さすが祐麒くんね、こんなにも沢山の女性に手を出すなんて……」
「ちょ、蔦子さん!? 誤解を生むようなことはやめてくださいよ」慌てて蔦子の肩を掴み、カメラをとろうと手をのばす。
「え、や、ちょっと祐麒くん、そんな」祐麒に迫られて抱きしめられるような形となり、赤面する蔦子。
「「ふふっ、祐麒くん~~??」」なぜかいきなり気の合う元黄薔薇の二人が、ゆらりとオーラを立ち上らせている。
それだけではない、何かを嗅ぎつけたのか他の店からも何人か出てきて途端に騒がしくなる。
「……随分と賑やかね。ふふ、活況が一番、そうでなくては私が出資している意味もないものね、ねぇ祐巳?」
更に、高級車から降り立った超絶美女、小笠原祥子が騒がしい商店街を見つめて目を細める。
「祥子お姉さま、騒ぎの中心にはどうやら祐麒がいるようです」隣に立つのは、祥子の秘書となった祐巳。
「まぁ、祐麒さんたら、私を差し置いて他の女性にうつつを抜かすなんて……いくわよ、祐巳」
「はぁ(……って、どうせ祐麒を前にしたらまともに喋れない癖に……どうして祐麒なんかがいいんだろ? あんなシスコンの)」
内心で呆れつつも逆らうことなどできるわけもなく、後をついていく祐巳。

ここは『りりあん通り商店街』古き良き時代を残しつつ、今も進化し続け煌めいている素敵な商店街――

 

「…………あれ、私は?」(←乃梨子)
「私もですわ……」(←ドリル)

 

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