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ノーマルCP マリア様がみてる

【マリみてSS(令×祐麒)】MAJESTIC BABY

更新日:

 

~ MAJESTIC BABY ~

 

 

 大学生活が始まって一か月ほどが慌ただしく過ぎ去った。
 講義のカリキュラムを組み、実際の講義を受け、サークルや部活の勧誘を受け、初めてのことに戸惑いも多いが、新たなことにワクワクすることも多かった。
 色々なサークルの勧誘は受けたが、特に女子の多いサークルからの勧誘が多かったのは、令の容姿が影響していたからに他ならない。サークル活動というのも興味はあったが、やはり当初の予定通り剣道部に所属することにした。高校時代、特に全国に名を轟かせたわけでもない令なので、当然のように誰も令の存在など知らなかったが、ある意味それも嬉しかった。高校時代から何かと目立ち、江利子の妹となってからは特に注目されてしまい、落ち着かなかったのは事実だから。
「支倉、これ運んでおいてくれる?」
「はいっ」
 先輩も同級生も、令を一部員としてしか扱わない。当たり前のことではあるけれど、久しぶりに味わう感覚だった。
 充実はしているけれど、残念なのは忙しいのと時間があわないのとで、祐麒と全然会う時間が取れなかったことだ。メールはしているけれど、デートも出来ていない。ゴールデンウィークこそはと思っていたけれど、剣道部の新入部員歓迎という名の扱きの合宿があり、隣の島津家との旅行もあり、駄目だった。
 思い返してみれば、最後にちゃんと二人で会ったのは、祐麒の誕生日以来で。
「――――っ!」
 と、その日のことを思いだすと、いまだに顔が火照ってきてしまう。
 祥子がプレゼントしてくれた一日、ホテルでの一夜、そして初めての。
「~~~~っ!」
 これから練習が始まるというのに、雑念というか煩悩というか、そういったものを道場に持ち込んでは駄目だと頭をふって追い払おうとするがうまくいかない。あの日以来、会えていないことが逆に意識させるのかもしれない。
「ええいっ!」
 バシッ、と両手で頬を叩いて気を引き締める。
「支倉、まだなの? 遅いわよ」
「あ、はいっ、すみません!」
 道具類を両手いっぱいに抱えて持ち上げ、先輩たちの後を追いかける。
 下っ端として様々な雑用をこなし、且つ厳しい稽古をするのは大変だけれども、辛いとは思わなかった。剣道道場の娘として生まれ、幼いころからなんだかんだと体育会系の場で生きてきた令にとって、それは当たり前のことだったから。加えて言えば、令の性格的にも誰かに命令するよりは、誰かのために動いている方が性に合っていた。

 一日の練習を終えた後、いつもならそのまま帰宅するのだが、珍しく先輩たちに誘われて食事をして帰ることになった。上下関係はしっかりしつつも別に先輩は神だ、なんて時代でもなく、仲間としてコミュニケーションは大切だと考えている。特に、新しく入った一年生だからこそ、厳しさと面倒見の良さを見せる必要があるのかもしれない。
 大学から最寄りの駅に向かう途中にあるファミレスに入り、三つのボックス席に分かれてそれぞれ座って注文をする。激しい稽古をした後である、女子といえど、いや女子だからこそ食欲には勝てず、思い思いに選ぶとなかなか凄まじい量になった。リリアン時代に経験したことのないようなことで、令は驚きつつも楽しくもあった。
「それにしても支倉は体力あるよね。うちの稽古でも音を上げないし、雑用もこなしてさ」
「ありがとうございます。それくらいしか取り柄がないので」
 上背が180センチに届こうかという令は、一年生の中ではもちろん、上級生をみまわしてみても最も背が高かった。
「てゆうか、女に生まれてきたの間違っていたんじゃない? その外見といい」
「よく言われます」
 この手のからかいには昔から耐性があるから、笑って受け応える。
「女子校だったんでしょ? やっぱりさ、その中で王子様みたいだったの? 女の子からモテモテで、バレンタインには山ほどのチョコレートを貰ったりして」
「ええ、まあそうですね。山ほどというのは大げさですが、バレンタインの日は紙袋3つから溢れるくらいでしょうか」
「それを山ほどっていうんだよ!」
「マジか、凄いな女子校」
 ワイワイと令をネタに盛り上がる。下級生だし、身なり的にもいじられるのは仕方ないところだし、それに別に悪い気はしない。こうしていると、江利子や聖にいじられていたことを思いだしてしまうくらいだ。
「いや、むしろ今だってまだ支倉ってば、男だって思われてるし」
「え、そうなんですか!?」
「結構な噂だよ、今年の一年にアイドル顔負けの美少年が入学してきたって」
「あたしも聞きました、すんごいスケコマシで、女の子の扱いも手慣れているって」
「そりゃ、高校まで女子校で王子様だったから、慣れているでしょう」
「嫉妬した男子学生が逆恨みして呼び出そうとしたけれど、実際に女子に囲まれて笑顔の支倉さんを見て、あまりの爽やかイケメンぶりに気落ちして何もせず帰ったとか」
「あたし支倉さんと同じ学科ですけど、いまだに支倉さん、男の子だと思っている生徒が大半ですよ」
「え、ええ? さ、さすがにそれは、冗談でしょ、美袋さん」
 同級生の美袋に衝撃の一言を叩きつけられ、身を乗り出して尋ねる令だったが。
「残念ながら本当のこと。お蔭であたし、『あなた、支倉くんの何なの?』とか、色んな人から何度も言われてて」
「ご、ごめん、まさかそんなことになっているなんて。高校までは、そんなこと無かったのに、なんでそんな」
「いや、高校までは女子校だから当たり前だろ!?」
 先輩からツッコミと同時に凸ピンされて、肩をすくめる。
 すると、それまで黙っていた副部長の滝沢が口を開いた。

「支倉、あなたいつもそんな格好だからでしょ」
 皆の視線が令に集まる。
 シャツにジャケット、デニムにスニーカーという何の変哲もない格好なのだが、令が着ているだけでお洒落な男性モデル誌を飾れるように見えるから不思議である。今日に限らず令の服装は似たり寄ったりで、基本的に男性用の服を着用していてスカートなど履いてきたことがない。というか、リリアンの制服以外でスカートなんて、ほぼ持っていない。
「これは、男性用の方がサイズが合うし、昔から慣れていて」
 中学生の頃から既に170オーバーしていた令は、自分の姿に対して女の子らしい可愛い服が似合わないことは自覚しており、着ていて楽でもあったので男性用の服ばかり着てきた。もともとあまりこだわりもなかったところ、コーディネートしてくれる由乃の影響も大きかったし、由乃と一緒に出掛けることが多く、そうすると超絶美少女(令目線)の由乃をナンパな男から守るためにも、その方が丁度良かったというのもある。
「確かにね、支倉は着やせするしね。脱げばどうして、立派なおっぱい持っているのに」
「せ、先輩、セクハラです」
 赤くなって胸を腕で隠す令。
「とにかく、自業自得よ」
 あくまでクールに滝沢が突っ込んでくる。
 剣道の腕も確かな滝沢は、稽古中でも常に冷静で落ち着いており、大人の女性だなと令はちょっと憧れたりもしている。切りそろえられた綺麗な黒髪、切れ長の目でちょっと怖い感じもするけれど、それもまた魅力である。
「――そんなこと言ってさ、結子ってば」
 茶々を挟んできたのは、部長の三笠宮麗(うらら)。結子というのは、滝沢の名前である。滝沢とは対照的に茶髪で愛嬌のある笑みをいつも浮かべている、賑やかで楽しい先輩である。よくあることだが、全くタイプの異なる二人だけどなぜか仲が良く、親友というのだから面白い。一部の下級生からは、親友よりももっと深い中なのではないか、などと噂されていたりもする。
「ちょっと麗――」
「支倉の事やっぱ男だと思っててさ、『一年の支倉きゅん、超可愛いの! ジョニーズのトッキーも宗クンも顔負けで、私超ヤバい!』って、滅茶苦茶興奮してたんだよ」
「う、麗っ!!」
 まさか、いつもの通り麗の冗談だと思ったが、真っ赤になって麗の腕を叩いている結子の姿を見ると、どうやら本当だったのか。クールで物静かで素敵なお姉さまだと思っていた結子が、よもや美少年アイドルのファンだったとは。意外ではあるが、距離は近づいたように思えた。
「お……覚えていなさいよ麗……」
「あはは、ごめんごめん結子。お詫びに……今夜はたっぷりベッドの上で可愛がってあげるから、ね?」
 結子の肩を抱き寄せ、ウィンクしながら麗が言うと、周囲の下級生たちが「きゃーっ!」と黄色い声を上げる。なんだかこの辺、女子校みたいなノリだと思って結子を見ると、真っ赤になりつつも潤んだ瞳で麗のことを横目で見ており、もしかしてこの二人冗談ではなく本当に、と思えてしまう。
 そんなこんなで話も盛り上がりつつ食事を進めてしばらくしたところで、部員の一人、ムードメーカーでもある三年生が声を上げた。

「そうだ、来週末にX大学と合コン予定だけど、参加希望者!」
「はい!」
「あたしも!」
 何人かの手が素早く上がる。
 部活に支障がない程度で遊ぶことくらいは許されている。X大医学部男子は真面目で将来性もありそこそこイケメン揃い、合コン相手としては人気があるらしい。
「あなたたち、あまり羽目を外すんじゃないわよ」
「滝沢先輩も一度くらい出ませんか? あ、でもそうすると男子の人気を独占されちゃうかー」
「私はそういうの、苦手だから」
「そうそう、結子はあたしがいればいいんだもんねー」
「ば、馬鹿、麗、抱き着かないでよ」
 などと言って怒った顔をしてみせるが、令から見たら嫌がっているどころか嬉しいように見えてしまうのは気のせいか。
「支倉は? あんたも出てみたら良い相手、見つけられるかもよ」
「い、いえ、結構ですので……」
「でも、支倉が出たら他の男子が皆しょぼく見えちゃうんじゃ?」
「確かに。だからこそ支倉、さっさと彼氏作って女らしくなりなさい」
「あ、その、もう間に合ってますので……」
「んなこと言わずにさ……って、え?」
「――――今、なんて言った?」
「間に合っているって……支倉あんたまさか既に、彼氏持ちなのか!?」
 色めき立つ諸先輩方にビビる令。
「支倉、本当なの?」
 正面から滝沢が尋ねてくる。体育会系の先輩からの質問に、令が抗えるはずもなくただ無言で頷く。
「マジか!? ちょっと支倉、彼氏に電話してみてよ」
「そ、そんな、無理です、い、忙しいから」
「忙しいって、働いているの? 何、社会人なの」
「いえっ、そうじゃなく、生徒会とか受験勉強とかで――」
「Oh! 年下ときたか!!」
「こうなったらもう全て聞かせてもらうまで帰れないよ。とりあえず写真見せない、もちろんあるに決まっているわよね?」
「あうあうっ」
 こうなればもう令にはどうしようもない。形ばかりの抵抗を見せはしたものの、素直にスマホに収まった写真を見せざるをえなかった。

「…………なんつうか、これは」
 画面に映し出された写真を見て唸る剣道部仲間達。
「BL……?」
 一人が呟く。まあ、令と祐麒のツーショットならそう見えなくもない。
「いや、むしろ支倉が彼氏で、彼氏の方が彼女では?」
 可愛らしくて中性的な祐麒である、そう見られるのも不思議ではないし、実際に以前二人で街を歩いていて逆に間違われたことも何度かある。
 分かっていたこととはいえ、そのような感想を聞くと少しばかりへこみそうになる令であったが。
「――そうか? めちゃくちゃ乙女な表情しているじゃん、支倉」
 そう言ったのは、麗だった。
「えー、どこがですか?」
「分からないの? ほら、この目が少し泳いでいるところとか、ほっぺが艶々しているところとか、可愛いじゃん」
「そう言われると、確かに……」
「うん、可愛いかも」
「てゆーか、彼氏の男の子も可愛いじゃん!」
 思いがけない麗からの援護で流れが変わったが、それはそれでなんだか気恥ずかしい。
 まあ、別に隠さなければいけない理由はないし、これで部員達皆の知ることになったのならば、むしろさっぱりしたとも言える。
 そう思っていると。
「――支倉、ところで、さ」
 にこにこと満面の笑みを浮かべ、麗がスマホを令に向けて差し出した。

 

 

 夕食を終え、自室に戻って勉強を開始した。
 まだ五月ということで焦らなくて良いのかもしれないが、勉強しておいて損することはない。令と正式に付き合ったものの、その直後から相手は大学生になって一方の祐麒は受験生で、なかなか時間が合わない。受験が近づけば更に余裕はなくなるだろうし、ましてや浪人して更に一年間、令と距離が開いたままなんて耐えられない。だから絶対に現役で合格するつもりだし、そのためには努力を惜しむつもりもない。
「はぁ……っ」
 とはいえ、せっかく交際を開始したのに会えないというのは辛い。大学生活が始まって勉強に部活に忙しいのはなんとなく分かるけれど、会えない時間が長くなると不安にもなる。大学には祐麒より年上で格好良い男も沢山いるだろうし、合コンやら何やら出会いの機会も多く、令が他の男に惹かれないか無駄に心配になってしまう。
 令はそんな女性ではない、信用しないことこそ彼氏として駄目だと思うが、一か月以上も直に会えていないと、その時間が余計なモノを祐麒の心の中に植え付けるのだ。
「くそっ、会いてぇ……」
 勉強もはかどらず、机に突っ伏して呟く。
 だからといって無理を言って令を困らせたいわけでもなく、会いたい気持ちとせめぎあって苦しくなる。
 メールだけでは物足りない、せめて電話で直接声を聞きたいと思うけれど、そんなことで電話をするなんて女々しくないだろうかと考えてしまうのだ。
 スマホを手に取る。
 ほんのちょっと指を動かせば令につなげることが出来る筈なのに、それが難しい。
 ため息を吐きだしつつ液晶画面を見つめていると。

「――うわっ!?」
 不意に、スマホが電話を着信した。
 しかもその相手といえば、今の今まで頭の中で会いたいと思い描いていた相手。慌てて画面をタップして、耳にあてる。
「れっ、令ちゃん!?」
 慌てすぎて声が変に裏返りそうになってしまった。
 落ち着けと自分に言い聞かせようとした祐麒の耳に飛び込んできたのは。
『――うわーっ、"令ちゃん"だって、"令ちゃん"っ!!』
『年下男子から"ちゃん"付けで呼ばれているんだ、支倉は?』
『なんか声が可愛いですね!!』
 つんざくような沢山の女性の声に、思わずスマホを耳から離す。
「…………え?」
 画面を見直すも、表示されているのは間違いなく令の名前であり電話番号。改めて、おそるおそる耳に近づける。
『……あ、ごめん祐麒くん? あたし達、支倉の大学の剣道部です。いやー、支倉がどうしても彼氏の声をあたし達に自慢したいって言うから』
『う、嘘ですっ! そんなこと言ってないです!』
『え、なに、自慢の彼氏じゃないんだっけ?』
『それは、その、あうあう』
 この会話だけで光景が目に浮かぶようだった。そして祐麒は女子大生の勢いに圧倒され、ただ無言でいることしかできない。
『――――っ、ご、ごめんね祐麒くん、先輩たちに祐麒くんのこと話したら、こんなことになっちゃって』
 向こう側から、先ほどとは違って令の声が確かに大きく耳に届いた。久しぶりに聞く令の声に、胸がじわりと温かくなっていく。
「いえ、大丈夫です。楽しそうですね、大学」
『う、うん。えと、重ね重ねごめんね、勉強とかしていたんじゃない?』
「謝らないでください。確かに机に向かっていたけれど全然集中できなくて」
『え、どこか体調でも悪いの!?』
 びっくりした風の令の大きな声に、慌ててスマホに向かって言い返す。
「違います違います、あの、しばらく令ちゃんに会えなくて、声も聞けてなかったから、それで気合が入らなくて。だから、こうして電話してきてくれて、令ちゃんの声が聞くことが出来て、凄く嬉しいんで。謝る必要なんかないですから」
『――あ、あの、祐麒くん』
「声を聞いたらますます会いたくなってきちゃいました。あの、良かったら今週末にでも久しぶりに出かけませんか? 令ちゃんの好きそうな恋愛映画が封切りされ」
『あのっ! この電話、スピーカーになってて、先輩たちにも聞こえているんで…………』
「え…………」
 言われて、電話を握ったまま頬が急速に熱くなっていくのを感じた。
 つまり、今喋った内容が全て令の仲間たちに筒抜けになっていたということで、そう考えると滅茶苦茶恥ずかしい。おそらく、電話の向こうの令も真っ赤になっていることだろう。
「そ、それじゃ、また連絡しますから」
『う、うん、そ、それじゃあまたね』
「はい――――」
 電話が切れたスマホの液晶画面を見つめ、息を吐き出す。
「うわっ……滅茶苦茶恥ずかしいっ!!」
 頭を抱える祐麒だったが、それ以上に久々に喋れたこと、そして曖昧ではあったけれどデートの約束をした嬉しさが勝っていて、どうしてもにやけて唇の端が持ち上がってしまうのであった。

 

 一方、ファミレスでは。
「うわー、超ラブラブ、甘々なんだ」
「支倉のこと大好きなのが電話越しでもビンビン伝わって来たねー」
「違いますよ先輩、"令ちゃん"ですよ、"令ちゃん"」
「令ちゃんの声が聞くことが出来て、凄く嬉しいんで…………と、きましたか」
「支倉の声色も変わっていたし、電話していた時の表情はイケメンどころか完全に乙女だったなー」
「支倉さんって、恋愛モノがすきなんだ? へえー」
「あう、あう……」
 祐麒も予想していた通り、真っ赤になって席に縮こまっている令。
「あー、いいなー、あたしも彼氏欲しい」
「これは、来週の合コンは勝負かけるしか……!」
 あまりの騒がしさに店から怒られてしまうくらいだった。
 そんな騒ぎの中。
「支倉を見ていたら、羨ましくなってきちゃった。ね、結子……今日、部屋においでよ?」
「だ、駄目よ麗、今日はだって用意が」
「この前置いていった服あるしさ、下着なら結子に似合うのを買っておいてあるんだ。ね……駄目?」
「…………し、仕方ないわね」
 部長と副部長が、他の部員が騒ぐ陰で何やらこそこそと話していた。テーブルの下でこっそり指と指をからませるように手を繋ぎ、非常に妖しい感じである。
「――で、支倉は何、年下クンの彼氏とはもうヤッたの? 当然、ヤッてんだよね?」
「やだ、直接的過ぎ、下品」
「隠したってしょうがないでしょ、あんただって知りたいくせに。で支倉?」
「あの、え、あの、知りません」
 真っ赤になりつつ、必死で先輩たちの攻撃に耐える令。
 色々と知られて、聞かれて、恥ずかしかったけれど。
 なんだかんだと久しぶりに声が聞けて、更にデートの約束も出来て嬉しくなる令なのであった。
「――――ちょっ、何ニヤニヤしてんのよ支倉っ」
「ニヤニヤなんて、してません」
「どの顔で言うか、リア充かっ!」
 実際、幸せ真っ只中で反論にも全く説得力がなく、これ以降部員達からいじられキャラになることが確定した日であった。

 

 

おしまい

 

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