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SF 書評

【ブックレビュー】リライト(著:法条遥)

更新日:

【作品情報】
 作品名:リライト
 著者:法条 遥
 ページ数:179
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 イヤな物語展開度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 時間モノの作品が好きな人

 

■作品について

未来から来たという保彦と出会った中学2年生の美雪。
美雪は事故から保彦を救うために10年後にタイムリープする。

10年後の美雪は、10年前に自分がタイムリープしたことを知っている。
だから当然、自分の目の前に10年前の自分が現れるはずだと思っている。
ところが、来るべき時に、自分がやってこない。
なぜ、どうしてなのか?

タイムパラドックスを描いた一作。

■良かった点

タイムリープものって、読み手を惹きつけますよね。
時間を跳躍することで、最悪の事態を避けようとする。
そして、時間を跳躍することで発生するタイムパラドックスをどう解決するのか。
どのようにして最悪の事態を回避することが出来るのか。
主人公が試行錯誤していく姿を読んでいくのに引き込まれていきます。

この作品はそういったタイムリープものでありながら、他の作品とはちょっと違う方向で攻め込んでいる。
主人公の女性が小説化で、自分のタイムリープの経験を小説化して、ということで非常にメタな作品になっている。
そしてメタを活かした物語が展開されていくのを追いかけるのが、気持ち悪いようでいて先が気になってたまらないというか。
ホント、決して謎や試行錯誤がうまくいって爽快になる! みたいな物語ではない。
むしろ、何かまとわりついてくるような、イヤな感じがする作品。
だけど、それがウリっちゃあウリ。

自分の過去はどうなっているのか。
パラドックスはどうなるのか。
そうして読み進めた先に辿り着いたラスト。

えー、そりゃないよと思うか、そうなるよなと思うか。
個人的には、これもアリ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

タイムリープにメタがからんで、なかなかわかりづらい作品であることは確かです。
いろいろと面倒くさいので、それが読んでいて辛いと感じるかもしれません。
ダメな人はダメな作品でしょう。

 

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リライト

 

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