書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

マリア様の愛読書

ノーマルCP マリア様がみてる

【マリみてSS(聖×祐麒)】Please "Say" Yes … <第一話>

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「やっぱさ、クリスマスまでには彼女、ほしいよな」
 まだ10月にもなっていないというのに、随分と気の早い話がクラスメイトの口から出るのを耳にした。
「でも、男子高じゃ女の子との出会いもないしなー」
「馬鹿、出会いは作るもんだろ。リリアンとの交流もあるし、なんとか」
「確かに、彼女とクリスマスを過ごすとか、してみたいけど」
 別にクリスマスではなくても、夏休みに入るまでにはとか、夏休みの間にとか、バレンタインまでにはとか、何かにつけて同じような会話が繰り広げられているのを聞いている気もする。
 ここ、花寺学院は純粋なる男子高であり、当然のように彼女持ちという学生は少数派に属する。だからというわけではないだろうが、女子に関する話題というのは、必ずどこかからわきあがってくる。
 クリスマスまでは、まだ随分と期間はあるように感じるが、女の子と知り合い、仲良くなって、さらに告白して付き合うとまでなると、決して早すぎるということはないのかもしれない。
 まあ、自分には関係のないことかと思い、祐麒は鞄を手に取り教室を後にする。
 別に、女の子に興味がないとか、逆に男にしか興味がないとか、そういうわけではない。祐麒だってごく普通に女の子が好きだし、好きな女優だっている。ただ、すぐに焦って彼女が欲しい、というほどでもないということ。生徒会長として忙しく、そして充実した日々を送っていると感じているからこそ、そう思うのだ。
「ユキチ、帰りにちょっとつきあわね?」
「あー、いいよ」
 小林からの誘いに、特に考えずに応じる。今日は生徒会の活動も休みだし、帰って何かやりたいことがあるわけでもない。どうせ、CDでも買いに行くか、はたまた新しいゲームでも買いに行くか、そんなところだろう。ついでにゲームセンターに寄ったり、ファーストフードでだべったりするのも良い。これぞ学生生活といったところか。
 小林と二人で並んで歩き、駅前のデパートに入ってレコードショップを徘徊する。どうやら、小林が一押しするバンドのニューアルバムが出ているようだった。
「このあと、どうする?」
 アルバムを購入して店を出た後、目的もなくふらふらとする。ぐだぐだと喋っているうちに、自然と足はゲームセンターの方へと向かっていた。最近、入荷した新作のシューティングゲームに小林ははまっていた。
「シューティングは廃れた、なんていうけどさ、やっぱゲームの基本はアクション、シューティングだろ。熱い弾よけ、敵のパターンを見切ってのコンマの動き、燃えるよな」
「おう、それは同感」
「やっぱ男なら……お、あの娘かわいい」
 前方から歩いてくる女の子の集団に目を移し、小林がつぶやく。制服姿の女の子が三人、楽しそうに話しながら向かってくる。
「どれ、真ん中の子?」
「や、右端のツインテール。俺、結構、ツインテール萌え。だから祐巳ちゃんも好き」
「お前、祐巳には手出すなよ」
「なんだよ、シスコン野郎め」
 そうこうしているうちに、女の子の集団とすれ違う。太仲女子の制服だった。
「相手も二人だったら、声かけられたのに」
「嘘つけ」
 実際のところがどうかは知らないが、小林がナンパしたなんて聞いたことがない。もちろん、祐麒自身だってそんな経験はない。
 いっそのこと、女の子の方から逆ナンしてくれないか、なんて都合の良いことをほざいている小林。そんなことを口にしているうちは、女の子とお近づきになるなんてことはありえないのだろう。
 結局、男二人、ゲームセンターで遊び倒してから帰宅した。

 そんな、何の変哲もない日々がこの先も当分は続くのだろうと、疑いもせずにいた。

 

 だけど祐麒は自ら経験する。

 

 変化は、予告もなくやってくるものだと。

 

~ Please "Say" Yes … ~
<第一話  胎動>

 

 

 土曜日、祐麒は駅の方まで出てきていた。欲しい本が発売されていたので買いに来たのと、ついでに暇つぶしをかねてである。
 本屋で立ち読みをしてから目的の本を購入し、ゲームショップを覗いて、レコードショップを見て回る。特にめぼしいものはみつからず、一人でゲームセンターにでも行こうかと思い、人ごみの中をのんびりと歩いてゆく。
 すると、前方から女の子の集団が歩いてくるのが目に入ったが、ついこの前、小林と一緒に見た女の子たちだと気がついた。思わず、見つめてしまう。小林がお気に入りと指定した女の子は、今日はツインテールではなく髪をおろしていた。
 なんとなくその娘を目で追っていたら、いきなり、目の前が真っ暗になった。
 そして耳元で。
「だ~れだ?」
 なんていう、明らかに作り声っぽい、不自然に高い声が耳元で響いてきた。目を覆う手の感触は滑らかで、女性のものであると思われたが、こんなことをしてくる女性の知り合いに、心当たりは全くなかった。
 答えにつまっていると。
「えー、あたしのこと、忘れちゃったのぉ? さみしいなぁ」
 今度は甘えるような言葉を耳元で囁いてくる。吹きかけられる息に、身体が震える。心の中で焦りが生じてくる。
 後ろにいるであろう女性にまったく心当たりがないこと、そしてそれ以上に、女の人がこんなすぐ近く密着するような状態でいることに、落ち着かなくなる。
「……ちょっと、困っているわよ。本当に知り合いなの?」
 異なる声が、少し離れたところから聞こえてきた。
「あっれえ、間違えたかなぁ?」
「そんなことまでして、間違えたじゃ済まないわよ」
 目を覆っていた手が離れてゆき、視界がクリアになっていく。そこでようやく、謎の人物の正体を見極めようと振り返り、驚く。
「えっと……聖さん?」
「あったり~。ほら、やっぱりあたっていた」
「はずれていたら、すごく恥ずかしかったわよ」
 目の前に立っていたのは、実に久しぶりに見る顔、佐藤聖であった。あの、小笠原家での泊まりのとき以来だから、半年以上一年未満という間があいている。
 長袖のカットソーにデニムというシンプルな格好ながら、目鼻立ちのくっきりした顔立ち、スタイルの良さから、まるでモデルのように見える。前に見たときよりも、髪の毛は短いかもしれない。
 もう一人、聖の後ろに立っているのは、黒髪に眼鏡がよく似合う、知的な感じを受ける女性。薄い唇に涼やかな目元が特徴的で、ボーダーカットソーの上からカーディガンをあわせ、ボトムスはグレーのパンツ。こちらは、見たことのない女性だった。
「お久しぶりです……さっきのは、何だったんですか?」
「再会のお茶目な挨拶?」
 ふざけた笑顔を向けてくる聖。そういえば、こんな感じの人だったかと記憶を掘り起こす。さすがに、一日くらいの付き合いしかないので、物凄く鮮明に記憶に残っているほどではなかった。
「……で、結局のところ、どちら様?」
 眼鏡美人が、軽く首を傾けて聖に問いかける。
「ふふふ、あててみて」
「分かるわけ、ないでしょうが」
 悪戯っぽく含み笑いを見せる聖に対し、文句を言う眼鏡美人。どうやら、聖とは結構、親しい友人のようである。
「ほら、ようく顔を見てみればわかるって、絶対に」
「そう?」
 眼鏡美人が少し祐麒に近寄り、真正面からじっと見つめてくる。見ず知らずの、年上の、眼鏡をかけた美人にじっと見つめられて、どことなく居心地が悪くなる。はっきりいえば、恥ずかしい。知らず知らずのうちに、じんわりと頬が熱くなってゆくのが自分でもわかる。眼鏡の奥の綺麗な瞳を見続けることができず、目をそらしてしまう。
「……ああ、ひょっとして、祐巳ちゃんの?」
「あったりー。弟の祐麒でした」
「へえー、そう言われてみれば、確かにそっくりね」
 眼鏡美人が納得したように頷いた。ということは、当然のように祐巳の知り合いなのだろう。聖の友人ということも考えると、リリアンのOGといったところか。
「ふうん、祐麒クン、っていうんだ。あれ、顔赤いわよ?」
「あはは、カトーさんに見つめられたせいだよきっと。よ、罪な女」
「あら、可愛いわね」
 可愛い、なんて言われてにっこり微笑まれては、よけいに恥ずかしくなる。しかし、自らの意思で顔が赤くなるのを防ぐことはできない。
 眼鏡の美女は、加東景と名乗った。リリアン女子大に在籍しているけれど、リリアン女学園のOGではないそうだ。祐巳と知り合ったのは聖を介してのことで、単に偶然のことだという。
「で、なに。祐麒は何をしていたの。随分と、さっきの女の子たちを凝視していたようだけれど、ひょっとしてこれからナンパ? ああいう子たちが好みだったの?」
「ち、違いますよ、そういうわけじゃ」
 女の子たちの姿に目を奪われていたところを見られていたと知って、これまた恥ずかしくなる。変なところを見られてしまった。
「じゃあ何、どっか行くところ?」
「いえ、特には」
 本を買って、あとはゲームセンターにでも行こうかと思っている、と答えると、それじゃあ一緒に行こう、なんて流れになってしまった。
 実はゲームセンターに行ったことなくて楽しみだー、なんて頭の後ろで手を組みながら口笛を吹いている聖。太鼓をたたくやつをやってみたい、などと結構アクティブなところを見せる景。そして、なぜかゲームのことを解説しながら二人を先導することになっている祐麒。
 二人は何か用事があったのではないかと尋ねたが、単にウィンドウショッピングをしていただけとのことで、目的は特にないのでむしろゲームセンターの方に興味がひかれるとのこと。
 女性とはいえ、ゲームセンターに行ったことがないというのも今では結構、珍しいのではないだろうか。音楽系のゲームや、クレーンゲーム、プリクラなんかであれば、女の子や子供がプレイしているのも日常茶飯事である。リリアン女学園は学校帰りの寄り道禁止だから、そういう機会も少ないのだろうかと、益体もないことを考えているうちに、ゲームセンターに到着した。
 聖も景も、どこか物珍しそうにゲームセンター内を見回している。
「へえ、思ったより綺麗なのね。もっと薄暗い場所かと思っていた」
「そうそう、そして煙草臭くて、不良少年たちが屯しているのかと思っていたけど」
「どんな偏見ですか、かなり昔のことですよ、それ」
 二人を引き連れて店内に足を踏み入れる。一階や、入口近くというものは大抵、音楽系のゲームや大型筐体のものが置かれている。ディープなゲームはもっと店の奥の方に配置されている。通信系のゲームも奥まっている。
「ねえねえ祐麒、鉄砲をバーン! って撃つようなのないの?」
 やけに幼稚な擬音で聞いてくる聖の要望を受けて、ガンシューティングへと案内する。ゾンビを撃ち倒して進んでいくゲームである。
「オッケー、じゃあカトーさん、やってみようよ」
「え、私も?」
 驚いている景の手を引いて、筐体の前に立つ聖。二人用のゲームのため、祐麒は傍らで見守ることにする。
 ゲーム機に置かれた銃を手に取り、満足そうに画面に向かう聖。なんだかんだ言いつつも、景も横に並んで立ち、ゲームをスタートさせる。
 そして、思わず祐麒は見とれてしまった。
 聖は画面に対して体を斜めに向けるような格好で、片手で銃を構える。小型の銃でさほど重量もないから、確かに女性でも片手で持てるが、それにしてもサマになりすぎている。一方の景は両手で構えているが、これまた見事な射撃姿勢。二人が並んで銃を構えて立つ光景は、まるで映画の一場面のようである。ちゃらんぽらんだけれど我流で凄腕の刑事と、気真面目な優等生刑事のコンビといった感じだ。
 もっとも、ゲームは初めてだから、いきなりクリアするなんてことにはならないが、それでも第Ⅲステージのボスまで進んだのだから、たいしたものであった。
「あー、なんか撃ちまくるとスッキリするね。次はどうしよっか、と、そうだ祐麒、ブーブー乗るやつはないの?」
 と、今度は両手を前に突き出してハンドルを握る仕種。この幼さを感じさせるボキャブラリーはどうなのかと思うが、祐麒はおとなしくレースゲームの筐体へと案内する。今度のゲームは同時に四人まで参加できるので、三人で並んで運転席におさまる。
 今のゲームは本当によくできているもので、画面に広がる光景はあくまでゲーム的だけれどもスピード感、迫力はあるし、音、振動などもリアルである。レースの最中には、「うわー!」とか、「きゃあっ!」なんていう悲鳴とも歓声ともつかない声が、隣の聖と景から聞こえてきていた。
 そして、結果はというと。
「私、やっぱりあなたの運転する車には乗りたくないわ」
「あれー、おっかしいなー。やっぱゲームと実車は違うよ」
 との言葉が示すとおり、免許を持っている聖がビリであった。かわりに、意外なほどセンスを見せたのは景で、トップでゴールしていた。
 続いて、景の要望に応じて、音ゲーコーナーにて太鼓を叩く。ここでは二人ずつ交互にバトルセッションを繰り広げたのだが、レースのときとはうってかわって、景のリズム感の悪さというものが浮き立って見えた。
「うぅ、カラオケは苦手じゃないんだけれどな」
 思わぬ低得点に、恥ずかしそうに言い訳する景が、なんとなく可愛かった。
 そこまで楽しんだところで、店の奥にあるビデオゲームに聖が興味を持った。さすがに本格的なゲームには手を出しにくいのか、自分でプレイしようとはせずに、祐麒にプレイするようにせがんでくる。
 比較的プレイ慣れしている格闘ゲームを選び、コインを投入。
「あ、このお姉さん綺麗。この人でプレイしてよ」
「えーっ? まあ、いいか」
 聖が選択したキャラクターはあまり使いこなしていないのだが、それでもリクエストに応じないわけにもいかず、プレイ開始する。すると、いきなりチャレンジャーが現れた。気がつかないうちに、対面の台に誰か座っていたようだ。
「これ、どういうこと?」
「あれでしょ、道場破りみたいなもん?」
「いや、まあ、格闘ゲームは対戦が華ですから」
「へー。じゃあ祐麒クン、負けないで頑張ってね」
「そうそう、負けんなよー」
 女性二人の声援を後頭部に受けて祐麒は。

(……や、やりにくい……)

 と、素直に思った。
 こんな、年上でしかも美女二人を背後にひかえて格闘ゲームをプレイしているなんて、他人から見たら何さまのもんだろうと思う。もし自分が同じような光景を見たら、やっぱり、ふざけるなと思うだろう。
 さりとて祐麒だって、みっともないところを見せるわけにもいかない。緊張しながらも対戦を繰り広げてゆく。
「うわっ、何それ、どういう動かし方しているの? 速いわねー」
「その指の動きで、何人の女を泣かしてきたのかな、こいつめ」
「へ、変なことを言わないでくださいよっ」
 手元が狂いそうになるのをどうにか制御しながら、結局のところ最初の対戦では勝利し、相手が再度挑んできたリベンジマッチでは惜しいところで負けてしまった。一勝一敗というところで、凄くはないが体面だけは保つことができたというところか。
 ビデオゲームに腰を据えるもの落ち着かないので、さっさとメダルゲームのコーナーに移動する。これなら、三人でも楽しむことができるし、気楽だ。
「このメダルってさー、換金できるの?」
「できませんからね」
 時間がかからずにできるスロットマシンをメインに遊び、聖の異常な勘、あるいはビギナーズラックかで大量に稼いだものの、大量のメダルを一気に賭けて一気に失う。一度儲ければ、その後ずっと遊べるメダルなのだが、豪快に使いきって笑っている聖を見て、まあいいかと思う。
 クレーンゲームでは聖と景の性格の違いが思いっきり出た。感覚で適当に動かして商品をとる聖に対し、きっちりと目測し、商品の位置や形とクレーンの形状を見て、計算的に動かす景。それでいて、成果はといえばほぼ同じなのだから、おかしなものである。
 祐麒も奇妙なぬいぐるみを二つゲットした。
 ひとつは羊をデフォルメしたような、むしろ雲のような、ふわふわのぬいぐるみ。もうひとつは、サングラスをかけた狼のぬいぐるみ。
「えっとー、お二人にプレゼントです」
「あら、ありがとう」
「なんだ祐麒、意外とやるじゃんー。女の扱い、慣れてる?」
 二人それぞれの反応を示して受け取る。
 聖は羊を手に、景は狼を手に、しげしげと見つめている。特に意図はなく、オオカミの方がサングラスをかけていたから、眼鏡をしている景に渡したというだけのこと。
「いやー、こうして遊んでみると結構、楽しいもんだねえ」
「あらやだ、もうこんな時間。すっかり、遊びこんじゃったわね……まあ、たまにはこういうのも良いかもね」
 気がつけばすっかり夕方になっていた。祐麒も予想以上のお金を注ぎ込んでしまっていたが、惜しいとは思わなかった。
 そろそろ帰らないと、という景に引かれるようにして、出口へと向かう。楽しい時間が終わるのが、物悲しい気持ちを起こさせる。そう、お祭りが終わった後の寂しさとでもいうのだろうか。
「あー、ちょっと待ってカトーさん」
 自動扉を開けた景を、聖が呼び止めた。
「最後にさ、これやってこうよ」
 聖が指さしたのは、広々と確保されたスペースに数々置かれたプリクラ。物珍しいものでも見るように、うろうろとふらつく聖と、その後を追いかける景。
「プリクラかー、高校のとき以来だな」
「あれ、ゲームセンターには行ったことないって、言っていませんでしたっけ?」
「ああ、ゲームセンターというか、プリクラだけ置いてあったところだから」
「うわっ、カトーさんの女子高生時代のプリクラ? 見たい! ってかカトーさんの学校、セーラー? ブレザー?」
「はいはい、どれで撮るの?」
 プリクラのコーナーにいるのは女の子ばかりで、どことなく居心地が悪い。誰も注目している人なんかいないと分かっていても、気にしてしまうのが人の性か。
 聖が適当に選んだ機種のブースに入り、説明を読もうとする景を無視してお金を投入する聖。
「ちょっと佐藤さん、どうすればよいか分かっているの?」
「大丈夫だって、こんなの適当にやっててもなんとかなるって。ほら二人とも早く、早く」
 聖に腕をつかまれ、引き寄せられる。
「三人だから、もうちょっと寄らないとね」
「う、わ」
 祐麒が真ん中の位置取りとなり、すぐ右隣に聖、左隣りに景、今までで一番近い距離に二人を感じて、急に鼓動が速くなる。
「祐麒、両手に花だねぇ」
「へ、変なこと言わないでくださいよっ」
「あら、変なことなんだ? ちょっと、ショック」
「あ、すみません、そういう意味じゃあ」
「お、撮るみたいよ、二人とも寄って」
 と、聖に肩を抱き寄せられ、さらに近距離になる。つられるようにして、景の体もそばに寄ってくる。
「いえーい♪」
 どこか時代遅れな聖の掛け声とともに、撮影はされた。

 

 聖、景の二人と別れ、家に帰り夕食を終える。くつろぎ、風呂に入り、部屋に戻って寝る前。
 ベッドの上に置きっぱなしにしていたジャケットを手に取り、クローゼットにしまおうとしたところで、ポケットの中に入れたままにしていたプリクラを思い出して取り出した。
 聖、祐麒、景の順番で並び、聖はウィンクしてピースサイン、景は淡く笑いながら頬の横で手のひらを広げ、祐麒はといえば二人に挟まれて赤くなりながら直立不動。

 彫りの深い顔立ちで人懐こい表情の聖。

 透明感のある顔立ちで涼しい笑みを浮かべている景。

 二人に挟まれ、なんとも言い難い表情を浮かべている祐麒。

 

 いつしか物語は、始まっていた。

 

 

第二話に続く

 

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