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ミステリー 書評

【ブックレビュー】異分子の彼女 腕貫探偵オンライン(著:西澤保彦)

更新日:

【作品情報】
 作品名:異分子の彼女 腕貫探偵オンライン
 著者:西澤保彦
 ページ数:252ページ
 ジャンル:ミステリ―
 出版社:実業之日本社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ゾッとする度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : ちょいと結末にゾッとするミステリ―を読みたい

■作品について

61歳の男が介護問題で揉めて妻を殺害――ニュースを聞いたおれは驚愕した。
被害者も加害者も学生時代の旧友。
しかも妻の方は34年前、挙式当日に新郎を殺され、犯人も見つからずじまい。
そして再婚した夫に殺されたというわけだ。
おれは不安な気持ちを吐露したくなり、「リモート相談窓口」に向かうが……(「異分子の彼女」)。
コロナ禍の櫃洗市で発生する奇怪な事件の謎を、公務員探偵がオンラインで鮮やかに解決!

■良かった点

腕貫探偵シリーズ。
本来はサザエさん時空だったらしい本作ですが、コロナを反映させて腕貫探偵もオンライン相談に変更!
まあ、もともと安楽椅子探偵なので、リモート相談でも問題はないですよね。

本作では3つの事件が持ち込まれ、解決に導いていきます。
中でも表題作である「異分子の彼女」、これが良かったです。
西澤さんといえば、とにかく入り組んだややこしい物語を描き、その繋がりを理解するだけでも一苦労だったりするのですが。
この作品に関してはそんなややこしいことはなく素直に物語を楽しめます。
そして、物語の展開、話のオチともにスパッとした切れ味。
最近、西澤さんの作品は前述したややこしさの方が上回ってしまってそう感じるものが少なくなっていたのですが。
本作の切れ味は良かった。
ちょっと怖くなるラストのオチの付け方とか。
余韻が残って良いです。

そうするとどうしても残り2作の方がちょっと物足りなく感じてしまうのですが。
まあ、短篇のうち一つがそういう出来だったので良いでしょう。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

表題作が良かったので、残り2編があまり頭に残らなかった。
あと、おなじみのメンバーが本作では出演しないので、その点は物足りなく感じる人もいるかも。

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