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SF 書評

【ブックレビュー】一九八四年〔新訳版〕(著:ジョージ・オーウェル)

更新日:

【作品情報】
 作品名:一九八四年〔新訳版〕
 著者:ジョージ・オーウェル
 ページ数:512
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 この世界が待っていそうと思える度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 有名なディストピア小説を読みたい

■作品について

“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。
ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。
彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。
ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。

■良かった点

ビッグ・ブラザーで有名なディストピア小説の金字塔。
全体主義が支配する近未来。
人々はその行動はもちろん、思想すらも監視されて自由がないような世界。
全て“ビッグ・ブラザー”が見ている。
党のいいように歴史は改竄され、人々の思考も常に上書きされ、操られている。
そんな体制に不満を抱いた男、ウィンストンを主人公に物語は展開していく。

本作品が発表されたのが1949年というから、実に半世紀どころか70年以上も経っているけれど全く色あせることがない。
むしろ、今読んでも、この世界はありえると思わされる。
今も、もしかしらたこのような世界なのかもしれないし、これから近い未来に変わっていく世界なのかもしれない。
間違っていると分かっているのに、それを正しいと心の底から思う「二重思考」
こういう考えは、本作のような世界でなくても普通にある話。
誰だって、嫌なことはなかったと思いたいけれど、実際にはあると分かっていたり。
今は個人の自由だけど、それが社会全体に蔓延し、というか強制されてごく自然と身に付いた世界。
そしてそれを身につけないと生きていけない世界。

ウィンストンの小さな反逆は、果たしてどのような結末を迎えるのか。
うまいこと出し抜けることが出来て、自由を得てこの世界を脱することができるのか。
はたまたはかない夢に終わるのか。
ラスト、辿り着いた先はなんとも救いがないように見えて、これこそが救いなのかもとも思わせられる。

今もなお、語り継がれ読まれるというのが分かる作品である。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

今さら本作をどうこう変えるとかはないでしょう。
ディストピア小説として、“ビッグ・ブラザー”を産んだ功績は大きい。

 

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