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ファンタジー 書評

【ブックレビュー】あのねこのまちあのねこのまち 弐(著:紫野 一歩)

更新日:

【作品情報】
 作品名:あのねこのまちあのねこのまち 弐
 著者:紫野 一歩
 ページ数:296ページ
 ジャンル:ファンタジー
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 ほんわか度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 壱が気に入った人(当たり前?)

 

■作品について

前巻の壱では幸一がフミと出会い、色々な妖怪の問題を解決していくうち、やがてフミの過去へとつながっていき、フミのために幸一が暴走してフミから吸気分霊を受けた。
それを受けて、この「弐」である。
今回もまた、空猫屋はいくつかの問題を解決していく。
「トイレの花子さん」であったり、呉服屋の八千代さんのことであったり。
そうしたものを積み重ねて今回辿り着くのは、幸一のことである。
吸気分霊を受けるとはどういうことなのか。それを受けて幸一は、そしてフミはどう考え、どう行動するのか?

■あのねこのまちあのねこのまち 壱

■良かった点

前作と同様、猫又のフミの脱力感が作品に蔓延している。
ゆったりとした空気感はこの作品の特徴ともいえるだろう。

一方で妖怪たちが抱えている悩みや問題というものは重くて辛いものがある。
「トイレの花子さん」こと地縛霊の里奈が抱え込んでいる「後悔」
呉服屋の顔といて働いている八千代。彼女とフミのそりのあわなさの理由。
そういったものは、作中では結構さらりと書かれている部分もあるのだが、内容としては辛い過去である。それをそこまで感じさせないのが、脱力系たる力だろうか?

連作短編の形をとって進み、最後は涼音の問題を解決していく中で幸一の問題にぶち当たる。
フミから吸気分霊を受けて、普通の人間ではなくなってしまった幸一。吸気分霊を受けた時はフミのためという建前もあり後先考えずやってしまったことのしっぺ返しがやってくる。
自分が普通の人間ではないことを否応なしに自覚させられ、こんなはずではなかったと、吸気分霊なんか受けるんじゃあなかったと後悔する幸一だけど、そんなことを考える自分自身も嫌になる。
まあ、そりゃそうだよなぁ。そんなつもりで吸気分霊を受けたわけではないんだから、悩み、後悔するのが当たり前。これであっさり受け入れてしまったら、それはどうなのよ? と突っ込みたくなるところ。

そんな幸一を見て、フミも思い悩むわけだが。
二人は対話して、そして出す結論は。
いや、結論は出ていないのだろうし、幸一の公開や悩みが解消したわけではないんだけど、二人なりに前を向いて歩いていこうっていう気持ちが出ていて、前向きな気持ちになって次の巻を読もうという気にさせられる終わり方で良かった。
次巻以降、幸一がどうなっていくのか、どう思いが変わっていくのかを見ていきたい。

それはそれとて、登場人物の中では涼音の可愛さがぐんぐんあがっていく!
特にラストのエピソードでの刀に対する彼女の純粋な思いと、その思いを利用されての彼女の行動になんというか魅了される。
彼女をメインとした話をこの後、どこかで読みたい。

あと、不思議キャラ(まあ妖怪だから)、萩丸は次回以降も出てきそうですね。<件=牛の体と人間の顔の妖怪>なわけですが、牛だと言い張る理由が無茶苦茶過ぎて、それがなんか個人的にキャラクターの印象付けになってしまった。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

小豆洗いとか、前巻で出てきた他の妖怪が出なかったのは残念だけど、ストーリーもあるから仕方ない。
次巻以降、その辺の要望にも応えてもらえると嬉しい。

 

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