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ファンタジー 書評

【ブックレビュー】はてしない物語(著:ミヒャエル・エンデ)

更新日:

【作品情報】
 作品名:はてしない物語
 著者:ミヒャエル・エンデ
 ページ数:589
 ジャンル:ファンタジー
 出版社:岩波書店

 おススメ度 : ★★★★★★★★★★
 記憶に残る度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 誰にでもお薦めしたい作品!

 

■作品について

ちょっといじめられっこの少年、バスチアン。
彼はその日も学校をさぼり、立ち寄った書店で手にとったあかがね色の本をこっそりと読んでいた。
その本の中のファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前となっている。
国を救うには、人間の子供を連れてくるしかない。そしてその子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年。

「僕のことだ!」

そうして、バスチアン少年の冒険が始まった。

■良かった点

★10を付けて惜しくない作品。
もう、人生のトップ3に入ること間違いない作品で、他の2作が何かと問われると困りますが。
それくらい、とんでもない作品です。
こんな作品に出会わせてくれて感謝です。

バスチアン少年が手に取った本、それは「はてしない物語」
物語を読んでいくと、それは明らかにバスチアン少年のことを言っているとしか思えない。
そう、この物語は少年の物語。
物語の中に入っていくバスチアン。
ファンタージエンでは、バスチアンは臨むものが手に入ります。
序盤は楽しい冒険譚。勇ましく突き進んでいく。

この途中までは映画版「ネバーエンディングストーリー」の部分でもある。
しかし、映画とこの原作では全く異なる。
映画で描かれているのは、作品の前半部分だけ。
後半からはガラリとかわって、重苦しい展開が続いていきます。

バスチアンはどうなるのか、アトレーユはどうなるのか。
楽しい雰囲気はみじんもなくなりますが、エンデが本当に書きたかったのはこの後半なのでしょう。
そして前半があるからこその後半です。

ただのファンタジーではない。
作品を通してメッセージを伝えてくるのは「モモ」と同じですが、「はてしない物語」の深さは凄まじい。
物語はすばらしいし、作品タイトルがなぜ「はてしない物語」なのかも納得のいく素晴らしさ。
読み終えた後は脱力ですよ。

とにかくこの作品は、絶対にハードカバーで読まないと駄目です。
物語の内容は変わりませんが、没入度がまるで異なります。
ハードカバー版で読むと、自分がバスチアンとなったように思い、物語の中に入りこんでいけます。
そう、読み手はバスチアンと全く同じ状況を経験できる、入れ子構造になっているのです。
メタです。
子供の頃にこんな本読んだら、絶対に本好きになりますよ!

・タイトル
・装丁
・物語

その全てが結びつき、最高の一冊となっている。
本というのは文章だけでできているのではないということを、胸に刻み込んでくれます。

まだ読んだことのない方は是非、手に取って下さい、損はしません! 大人にもおすすめ、むしろ大人こそ読んでほしい。<//b>
そしてお子さんのいる方も是非、プレゼントしてあげてください。
最高の経験ができること間違いありません!

■ここが改善できるともっとよかったかも?

ないですよ!

 

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感想(40件)

 

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