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エンタメ 書評

【ブックレビュー】最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下) (著:二宮敦人)

更新日:

【作品情報】
 作品名:最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下)
 著者:二宮敦人
 ページ数:237
 ジャンル:エンタメ
 出版社: TOブックス

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 生命への向き合い方を考えさせられる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 一気読みしたい

 

■作品について

絶対に患者を救おうと熱意を燃やし、諦めない医師、福原。
死を選ぶことも患者の権利であり一つの医療であるという医師、桐子。
異なる考えを持つ二人がぶつかることで、何が起きるのか。
ある一人の患者を通して向かい合う二人。
それがもたらす結末は?

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■良かった点

・とある母親の死

末期癌に侵されながら、なぜそこまで明るく、諦めず、生きていられるのか。
その答えを、桐子は女性から聞く。
そうして、桐子の世界が、変わる。

結局は、考え方ということなのだろう。
病気にかかっていたりすると気持ちは暗くなるし、視野も狭くなる。
自分という存在がなんのために生まれ落ちてきたのか分からなくなる。でも、自分を見てくれる人がいる。
桐子にとっては大きな出会いだったことでしょう。
まあ、それでなんであの考え方に行きついてしまうのかというのはありますが。

・とある医者の死

七十字病院の院長である福原の父親が脳梗塞で倒れて認知症となり、日に日に弱っていく。
福原は父親の治療を桐子に任せるが・・・・

認知症となり、新しいことを覚えられなくなる福原の父親だが、かわりに昔のことを思い出しては語るようになる。
その中で語られる真実。
妻となる絵梨との出会い。
そして、決断。
冷たい男、仕事一筋の男で父親失格と思われる姿が、徐々に変わっていく。

なんというか、絵梨さんがとても良いですね。
もう、全てを彼女にもっていかれるくらい素敵な女性です。
こんな女性だからこそ、あの父親とうまくいったというか、この二人じゃなきゃお互いに上手くいかなかったのでしょうね。
うん、それが全てかも。

死をはさんで向かい合う二人の医師。
その二人には、絵梨という一人の女性が非常に強く影響していた。
読んで、清々しくなれる作品。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

やっぱり、上下巻にしなくても良かったのでは・・・・?

 

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最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下) (TO文庫)

 

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