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【マリみてSS(色々)】パラレル オルタネイティヴ 3.新たな謎、新たな出会い

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~ パラレル オルタネイティヴ ~

3.新たな謎、新たな出会い

 

10月23日

 

 朝、目覚めた祐麒は武とともに連れ立ってPXに向かい朝食をとり、食後は連れ立ってB19Fへと向かった。夕呼に呼ばれていたからだ。
 夕呼の執務室に向かおうとすると、その前に寄りたい場所があると武が言いだすので、後についていく。
 到着した場所は不思議な空間だった。薄暗く、意味不明な機械群が室内に設置されている。勝手に入って良いのかと訝ったが、持たされているIDカードで入ることができたのだから、きっと問題ないのだろう。
 足を踏み入れ、中に進んでギョッとする。
 目を奪われたのは、巨大なシリンダーのようなものの中に浮かんでいるモノ。おそらくそれは、人間の脳と脊髄。
「なんだ……こりゃ」
 前の世界では見たことがない。おそらく何かしらの意味があるのだろうが、趣味が良いとはさすがに言えない。
「お……いたいた」
 武の声に目を向けると、今度は部屋の奥の薄暗がりに小さな人影が見えた。可愛らしいドレスのようなもの纏った、見た目中学生くらいの少女。この部屋にいるのが不釣り合いとしか思えない。
 いきなり現れた武と祐麒に驚いているのか、近づこうとすると逃げるように遠ざかる。
「ちょ、逃げないでくれよ~」
 しゃがみこんだ武が、がっくりとした情けない声を出すと、ようやく逃げるのをやめる少女。
「なあ、名前教えてくれるか。あ、俺は白銀武。んで、コイツは」
「俺は福沢祐麒。よろしく」
 祐麒も、少女と目線をあわせるよう両ひざに手をついて腰を曲げる。
「日本語、喋れるの知っているんだぞー」
「…………社霞です」
 小さな声で少女、霞は名乗った。
「そっか、霞っていうのか。初めまして、霞……っと、いきなり名前で何て馴れ馴れしかったか? 悪いな、俺は馴れ馴れしいんだ」
「知ってます……」
 見ていると、白銀は霞のことを知っているようで、それも前の世界の経験によるものなのだろう。
「さて、と。挨拶も済ませたことだし、そろそろ夕呼センセーのところへ……って、え、んなあぁぁぁっ!?」
「うわっ!? なんだよ白銀、いきなり大声出して」
 室内に響き渡るような声に祐麒は目を丸くし、霞はいつの間にか部屋の隅の方にまで逃げている。頭につけているウサ耳がぴこぴこと揺れており、もしかして霞の感情とリンクしているのかと思わせる。
「いや、そ、それ……」
 武が指差したのは、青白く光るシリンダー。
 確かに、見ていて気持ちの良いものではないが、この部屋に祐麒を連れてきたのは武であり当然のように脳の存在も知っているのだと思っていた。
「いや、知っているのはそうなんだが……くそっ、どういうことだこりゃ」
 目を見張る武。
 その視線の先には、二本のシリンダーと二つの脳と脊髄があった……

 

 夕呼の執務室で改めてブリーフィングを行い、武は訓練のためにグラウンドへと向かって行った。残された祐麒の方は、昨日に引き続いて戦術機の新たな機動概念をさらに詳細に説明を行う。
 驚いたことに、新OSの開発に携わるのは霞だという。幼い少女に見えて実は非常に優秀な夕呼の助手で、同時にオルタネイティヴ計画にも密接に関与しているらしい。
「アンタや白銀なんかよりよっぽど重要で優秀なんだからね、社は」
 というのが夕呼の言である。
 しかし、それで腑に落ちたこともある。役に立つかどうかも分からない新OSの開発をあっさり許可したことだ。多忙である夕呼自身が手を付けるのではなく、助手である霞が開発するのだから。霞が暇だと言いたいわけではないが、朝の様子を見る限り夕呼より時間に余裕があるのは確かだろう。
 ちなみに夕呼は夕呼で、昨日のうちに新たな機動概念についてまりもに説明し、戦術的に有効であり、もしも本当に実現できるのであれば戦死者を減らし戦術の幅を広げることも可能であろうとの意見を受けてもいた。
「新OSはβ版が出来次第、あんたにテストしてもらうから」
「了解です。ちなみに、他に何か御用はありますか」
「今のところ、特に無いわ。福沢はどうするつもり?」
「何も無ければ、今日は基地内を見て回った後に自主訓練しようかと」
 何せこの横浜基地の内部構造については知らないし、肉体的にも本当に以前の技能や体力を保持しているか確認しないといけないから。
 夕呼から許可をもらい、さっそく基地内を歩いて構造を頭に叩き込む。道中、頭の中をよぎるのは前の世界の武蔵野基地のこと。武蔵野基地では、蔦子達がいた。もちろん、平和な世界の蔦子たちではないが、それでも元々の性格なんかは大きく変わらず、蔦子なら蔦子と感じることが出来て、それが祐麒の気持ちを奮い立たせもした。
 しかし今、この世界に蔦子達の姿を見つけることは出来ない。存在しているのかもしれないが、横浜基地だって広く大勢の人間が勤めているのだ、簡単に見つけられるとも思えない。
「あーくそっ、見つからない人間のことを気にしたって仕方ないってのに」
 どうにもならないことに腹を立てたり、頭を悩ませたりしていても仕方がない。思考を切り替え、当初の予定通り自主訓練を行うことにした。
 とはいうもののグラウンドは訓練生が使用しているというし、シミュレータを昨日に実施したことで戦術機の操縦の勘が失われていないことは分かったし、さてどうしたものかと考える。
「室内トレーニング施設もあるはずだよな」
 前の基地では存在した。横浜基地にもあるとしたら、おそらく同じような場所に存在しているはず。うろうろと歩き回って探していると、やがて目的の場所を見つけた。念のため夕呼に確認をとってから、室内練習場へと足を踏み入れた。
 たまたまなのか、それとも普段からそうなのか分からないが、中には人の姿が見えなかった。少し寂しいが、誰に見られることもなく気楽にできると思えば良い。
 更衣室で運動用の格好に着替え、シューズも履きかえる。柔軟運動をしてから、まずはランニング。室内なので長時間走る気にはならないが、それでも体力的には落ちていないことが分かった。完全装備でのランニングでも問題はないだろう。
 軽く汗をかいたところで足を止め、何をしようかと考える。一人で実施できることは限られるからだ。
「う~~んと、あ、そうだ」
 軽くその場で飛び跳ねる。体のバネも問題はなさそうだった。
 深呼吸をしてから走り出し、ロンダート、バク転、バク宙をつなげて着地。つなぎも滑らかに、きっちり決めることが出来た。やはり身体能力は落ちてない。元々、腕力などよりも瞬発力や体のバネの方に自信があった。前の世界の訓練で鍛え上げられたことにより、この程度の運動ならマットなしでも問題なく出来るようになっていたのだ。
「おーっ、お見事~~」
 すると、ぱちぱちぱち、と拍手する音と声が聞こえた。振り返ると。
「何してんのー、こんなとこで?」
 長身の女性が、やけに馴れ馴れしく声をかけてきた。
 知らない顔だが、何と答えてよいものやら。
「……ちょっと体を動かしたくて、自主訓練を」
「そうなんだ。あたしも今日、オフなんだけどすることなくて、ここに来たんだ。ねえ、せっかくだから一緒にやらない?」
「せっかくのオフなんだったら、休んでればよいのでは?」
「やっぱさ、競争相手がいる方が楽しいでしょ」
「……聞いてないですね」
 その女性は祐麒のことなどお構いなしに、勝手に話を進めて柔軟体操を始めている。どうしたものかと思ったが、確かに自分の実力を測るには相手がいた方が良いかもしれない。相手が何者かは知らないが、敵であることはないだろうし、非常に人懐こい笑顔と雰囲気もあってあっさりと提案を受け入れることにした。
「よいしょっと」
 上着を脱ぎ、タンクトップ姿になった女性。その豊満なバストに思わず目を奪われる。
(――って、今の俺は、肉体はともかく精神的にはガキじゃないんだ。強化装備だって見慣れているし、今さら何照れているんだっての)
 軽く頭を叩く。
「どしたの?」
「いや。それじゃ、何からやりましょうか?」
 こうして、互いに名乗りもせずに開始した。

 

 結論からいえば、充分な結果が得られたといっていいだろう。相手の女性もなかなかの身体能力で、訓練生レベルでないことは確実、だからといってずば抜けているわけでもなかった。少なくとも、前の世界で鍛えていた祐麒に比べれば数段劣る。
 ダッシュ、瞬発力、格闘技、全てにおいて祐麒の勝利に終わった。ただ、最後に行ったバスケのフリースロー対決では相手に軍配があがった。
「いやー、まいったー。キミ凄いね、あたしだって負けるつもりなかったのになー」
「さすがに男と女の身体能力の差はあるんじゃないですか。それに最後は負けましたし」
 フロアに大の字になって寝転がっている女性、その近くに祐麒も座り込んで簡単に対戦について振り返っていた。祐麒も全て全力でいったから、全身に汗をかいている。
「あははっ、あれは得意だからね」
 上半身を起こし、汗を拭いながら人懐こく笑う。
「でも、バスケのボールとゴールがあるとは、思わなかったですね」
「どっちもボロっちいけどね。バスケなんてみんな、知らないだろうし。むしろ、よくキミの方こそ知っていたね」
 娯楽のない世界、それはスポーツだって同じだ。そもそも若い男の多くは軍隊に徴兵されているし、運動能力の高い奴ならなおさらだ。だからバスケなんて、スポーツとしても娯楽としても今の世間に流布していない。この練習場を作った人は、よほどの趣味人だったのかもしれない。
 祐麒も、体感的には一体何年ぶりのバスケだっただろうか。久しぶりのバスケは、様々なことを忘れて純粋に楽しめた気がする。
「いいことを教えてもらいましたよ。あ、そういえば、なんですが」
「なに?」
「名前を聞いても?」
 ようやく尋ねると。
 しばし間が空いて。
「――――ぷっ。あは、あははははっ! 何ソレ、今さらになって訊くの?」
 爆笑された。
「な、ちょ、そもそもいきなり話しかけてきたのは、そっちでしょう」
「その時に訊けばよかったのに。それに、女性に名前を尋ねる前に、まず男性の方から名乗って欲しいなぁ」
 今の時世、男も女も関係ないと思うが、言い訳と思われるのも癪なので口に出すのはやめておく。
「俺は福沢祐麒です。よろしく」
「あたしは柏木晴子。えーっと、福沢くん、でいいのかな。同い年くらいだよね」
「俺は……18」
 早生まれということもあり、本当は16なのだが、なんとなくサバをよんでしまった。
「じゃあ、同じだね。どこの所属?」
「えと……それは」
 現状、どこの部隊にも所属していない。あえていうならば香月夕呼の直属ということになるかもしれないが、口にして良いものかどうか躊躇ってしまう。軍装になれば所属も階級も分かるのだが、晴子とはそういうのを抜きにして知り合った。そうした縁を大切にしたいと思った。
「まあ、無理に言わなくてもいいけどね。次に会った時の楽しみにしておこうか」
「じゃあ、そういうことにしておいて。さて、時間も時間だし、クールダウンして引き上げましょうか」
「そうだね……って、そういえばさ、今さらだけど階級ってあたしより上……とかじゃあ、ないよね? そうだとしたらあたし、物凄く失礼な奴だよね」
「それこそ今さらだって。まあ、それも次に会った時の楽しみということで」
 肩をすくめてみせる。本当のことを言っても仕方ないし。
 改めて晴子のことを考えてみる。年齢的にも雰囲気的にも、晴子はおそらく衛士になってさほど経っていないと思われる。きっと晴子も祐麒のことを同じように考え、気軽に話しかけてきているのだろうが、まさか大尉だなんて思うまい。祐麒は自身の童顔を自覚していたし、16歳という肉体年齢でもある。どう見ても晴子より年下、よくて同い年にしか見えないだろう。
 軍隊で階級は絶対だから、本当のことを知ったら晴子とて態度を改めるはず。しかし、祐麒はもともと別の平和な世界の人間だし、前の世界での階級的な意識もどこか曖昧になっており、あまり階級にこだわりたくなかった。せっかく知り合った同世代の相手に対しては尚更だ。
「そう。じゃあ、そういうことで。もしお偉いさんでも、容赦してね。あ、なんなら身体で払うから」
 冗談めかして言う晴子に、笑って応じる。
 いずれは分かることかもしれないけれど、その時が来るまであえて知らせることもないと思う。こんな風に軽口を叩きあえる仲間がいたら、どんなに喜ばしいことかと思うから。
 いい汗をかいた後だから、尚更そう考える祐麒であった。

 

 晴子と別れた後は、予定通り基地内の残りをぶらぶらと歩いて施設内を把握する。こういうとき、大尉の階級章をもらっているというのはありがたい。多少、変な場所に入り込んでしまってもそうそう咎められないし、細かい理由を話さなくても済む。佐官の人間がその辺を暇そうに歩いていることもないだろうし、大尉という階級は便利かもしれない。まあ、外見がただの若造なので、不審そうに眼をする人も多いがそればかりは仕方ない。
 PXで夕食をとり、あてがわれた部屋に戻る。武と場所が離されているのは、空いている部屋の都合上と、二人のことを警戒しているのと両方か。
 祐麒にとって理由はどうでもいい。簡素で味気ない室内も、前の部屋と変わりなくすぐに慣れた。
 就寝までの時間、特にすることもなくベッドの上で横になっていると、ドアをノックする音が響いた。誰かと思えば、武だった。
「失礼いたします。少々時間をいただいてもよろしいでしょうか、大尉殿」
「……何、してんだ」
 真面目な顔をして敬礼している武を、呆れ顔で見つつ室内に招き入れ、椅子を勧める。
「いや、ほら一応さ、俺は今は訓練生なわけだし。誰かに見られないとも限らないから」
 笑いながら座る武を見て、軽く肩をすくめる。
「で、何しに来た……って、まあ考えは一つだよな」
「ああ。改めて情報交換だ」
 昨日からドタバタしており、武と二人でゆっくり話し合う機会は持てていなかった。お互い、別の世界からやってきてループしているということは分かっているが、前の世界の知識についてどれくらい認識が合っていて、逆にどれくらい齟齬があるのか。確認しておくべきことは多く、二人は角突き合せて時間をかけて検証していく。
 分かったことは、登場人物は違うけれど、似たような展開を辿っているということ。発生した事件も記憶に大きな相違はなく、やはり同じ世界に同時に存在していたのではないかと思われる。ただし、人物に関しては当然のことながら色々と異なる部分も多い。
 例えば今でいう夕呼のポジションに、祐麒の前の世界では江利子がいたのだが、夕呼ほどオルタネイティヴ計画に深く関与しているようではなかった。五人の訓練生にしても同様だし、霞は存在せず脳髄の入ったシリンダールームもなかった。もっともこれは単に祐麒が見ていないだけという可能性もあるが。
「不思議だよな、全く違う世界なんじゃないかとも思ったが、俺たち確かに途中で僅かだけど出会って話もしているもんな」
 同じ世界線に存在していたとすると、大きな矛盾も存在している。
「……そもそも、武蔵野基地なんて聞いたことないしな」
「そう、か。俺は、横浜基地は聞いたことある気がするんだが、よく覚えていない……くそ、全くわかんねーな」
 投げ出したくなってくる。
「頭がオーバーヒートしそうだ。疲れてもいるし、この話は一旦終わりにしよう」
 武の提案に異論などなかった。
「話変えるとさ、祐麒……って、名前でいいよな、俺たち?」
「全然オッケー」
「うし。それでそうそう、お前、『バルジャーノン』やってたろ?」
「あ、何、お前も? あれはハマるよな」
 先ほどまでとは打って変わって表情も明るくなり、舌も滑らかになる二人。何しろ、実に久しぶりに二人の『元の世界』に関する話題なのだ。
 どの機体を持ちキャラとしているか、得意技は、連勝記録は、そんなことを話すのが途轍もなく楽しくて仕方ない。
 武が使用する機体はオーソドックスなカイゼル、一方で祐麒が好んで使用するのはトリッキーな動きをするスナイデル。
「あー、分かる分かる! 確かにあのシミュレータの動き、そんな感じ受けたし」
「いやいや分かるか? あ、でも武だって……」
 と、ゲームである『バルジャーノン』と、シミュレータでの吹雪の動きを重ねてみての話に盛り上がり始める。
「あー、でもなー、ゲームみたいにはいかないよな、現実は」
「そうだよな……でもさ、もしゲームと同じことが出来るとしたら、武はどんなことをやってみたい?」
「便利さでいえば、ミサイルランチャー、ホーミング、ショットガンとか」
「レーザーとかビットもいいよな。あと俺、サイスも好き」
「お、いいね! 俺、流星脚やブーストアッパーも組み込むぜ」
「BETAに使用するのは無理だろうけどな……近距離ならビームサーベル」
「いや、やっぱここは男の浪漫だろ」
 パンチを出す素振りをし、そう口にしてからにやりと笑う武。顔を見合わせ、祐麒も笑ってみせる。
 そして、同時に口を開く。
「「パイルバンカー!」」
 はからずも同じ武器を口にする。
「そうだよな、これは外せないよな」
「そりゃそうだ。あ、でもドリルっていうのも魅力的なんだけど」
「それも男の夢だ!」
 下らない話でひとしきり盛り上がった後で、ふと真面目な表情を武が見せる。
「……なあ。今話していたような武器や攻撃を実現することって、本当に無理なのかな?」
「え? そりゃ……ゲームの中の話だし」
「もちろん、全部が全部なんていうわけじゃないけど、そのうちの一部でも実現できたら、BETAとの戦いも有利になるんじゃないかと思ってさ」
「できるんだったら、とっくに作っているんじゃないか? 何せ戦術機なんて戦闘用ロボットを作ってしまうほどの科学力だ」
「確かにな……そうだよな」
 派手で威力のある武器、必殺技、そういった類のものに男なら憧れる。もしもそれらが有効なら、とっくに装備できていておかしくないほどの発展をしているのだ、今の世界は。危機にさらされていようと、それだけ軍事力、兵装開発に力をいれなければ生きていけない世界なのだから。
「――いや待てよ。もしかしたら、進言してみる価値はあるかもしれない」
「ん、どうゆうことだ、祐麒?」
 祐麒や武は元の世界の記憶があるから、所詮ゲームやアニメの中のことで、きっと現実的ではないのだろうと思っていた。有効ならばとっくに開発されているだろうと。
 だが、よくよく考えてみれば根本的な部分で間違っているのかもしれない。BETAの侵略という危機に面している今の世界では、テレビゲームなんて娯楽は存在せず、ロボットアニメだって作られていない。
 祐麒達が当然知っていたような知識は、この世界の人間は持っていないのだ。持っていなければ、開発なんてそもそも行われていないし、それ以前に考え付かれてもいないのだ。
「なるほど。キャンセルやコンボなんて、ゲーム特有っぽいから分かりづらいけど、武器なんかも思いついていない可能性はある、か」
「ああ。ダメもとだ、俺は明日、香月博士にいくつか進言してみる。ちょっと、存在していたら本当に有効そうなものを考えよう」
「OK。いいな、こいつはちょっと楽しみだ」
 二人で、バルジャーノンに限らず知っている限りの武器や兵装、攻撃方法などをあげて話を詰めていく。
 お互いに前の世界では辛酸を舐め、今度の世界こそどうにかしてやると思っている。一人では考えが及ばなかったことも、二人で話していたことで相乗効果のようにアイディアが出てくる。
 一人ではない。
 突飛な考えだとしても理解してくれる相手がいるということは、何よりも心強いものだった。
 二人の熱い談義は、深夜まで至るのであった。

 

次に続く

 

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