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SF 書評

【ブックレビュー】機巧のイヴ(著:乾 緑郎)

更新日:

【作品情報】
 作品名:機巧のイヴ
 著者:乾 緑郎
  285ページ
 ジャンル:SF
 出版社:新潮社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 奇想天外 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 和風SF&オートマータという単語に反応する人

 

■作品について

舞台は日本、架空の幕府の時代。
秘術を込めた機巧と、それを巡る陰謀。
機械仕掛けの人形のはずが、いつの間にか魂を吹き込まれたのか。いや、誰が機巧で誰が人間なのか、それすらも輪郭があいまいになっていく。
5つの短編からなる短編集ではあるが、それらがすべてつながって一つの長編として作品となり、完結する。
機会に魂はあるのか、そういったテーマだけでなく、幕府の転覆を狙う計画であったり物語の中に隠された謎や仕掛けであったり、SFの中にミステリー要素の詰まった作品。

■良かった点

オートマータといえば思い出す別作品は藤田和日郎さんの『からくりサーカス』か。内容的には違うけれど、読んでいると思い出してしまうことは間違いない。
この作品の良さはなんといっても現代ではない昔の日本にオートマータを持ってきている点だろう。その時代に絡むことで、言葉にして表現しづらいエロティックさを醸し出しているし、同時に多少のグロさまで感じさせる。

短篇として一つ一つを読んでも内容や方向性が微妙に異なりレベルが高いのに、全て連なるのがまた憎い演出というか作り。

天皇家は女帝であったり、またその女帝自身にも秘密がある。
そんな陰謀と、機巧人形の絡み合い。
設定と世界観だけでもう、たまらん人には堪らんでしょうね。

なんだろう。
とにかく前編に渡って艶美に感じる。本当はそこまで艶のある描写はないはずなのに、それがこの作品の不思議な売りかもしれない。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

難しい漢字が多くて、時折なんて読むのか分からなくなった(苦笑)
時代が時代だけに仕方ない気もしますが、こういう点で避けてしまう人もいることは事実。
とはいえ、簡易な漢字を使えば良いというものでもないから困りますね。

 

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