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【ブックレビュー】あと十五秒で死ぬ(著:榊林 銘)

更新日:

【作品情報】
 作品名:あと十五秒で死ぬ
 著者:榊林 銘
 ページ数:304
 ジャンル:ミステリ―
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 新たな探偵の面白さ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 特殊設定ミステリー好き

■作品について

死神から与えられた余命十五秒をどう使えば、私は自分を撃った犯人を告発し、かつ反撃ができるのか?
一風変わった被害者と犯人の攻防を描く、第12回ミステリーズ!

新人賞佳作入選「十五秒」。

犯人当てドラマの最終回、目を離していたラスト十五秒で登場人物が急死した。
一体何が起こったのか? 姉からクイズ形式で挑まれた弟の推理を描く「このあと衝撃の結末が」。
〈十五秒後に死ぬ〉というトリッキーな状況で起きる四つの事件の真相。

■良かった点

表題作は「世にも奇妙な物語」でドラマ化されたらしいですね。
確かに、なってもおかしくないような奇妙な物語であります。
短編集でありますが、いずれにも共通しているのが<十五秒後に死ぬ>ということ。
そこに焦点をあてつつ、それぞれ全く異なる物語を作り出しているのはなかなかだと思う。

表題作「十五」はまさにタイトル通りで、展開的にも王道というか、あと十五秒で死ぬという中で自分を殺した犯人は誰かを推理していく。
んだけど、それだけでは終わらないっていうのもまた良いところ。
本作だけじゃないけれど、どれもラストでちょっと捻ってくるというか、付け加えてくるというか。
単に十五秒で終わらせない何かがある、ってのがいいですね。

「このあと衝撃の結末が」なんかは、まさに練られていて、ラストにそうくるかー、という。
「首が取れても死なない僕らの首無し殺人事件」は、内容的には猟奇的にも見えるけれど実にコミカル。
想像すると思わず笑ってしまいそうになるシュールなもの。
だけど、それはそれでちゃんとミステリーとしても練られている。

よくもまあ、これだけのことを思いついて、さらに作品に落とし込んだものだという感じ。
なんというか、努力賞をあげたくなる作品。

アイディアものですね。
これがデビュー作ということで、ここから次にどういう作品を出していくかが楽しみですね。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

こういう特殊設定というか、お遊び的なところを受け入れられない人は、辛いかもですね。
まあ、そういう人は読まないか・・・?

 

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