書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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ノーマルCP マリア様がみてる 可南子

【マリみてSS(可南子×祐麒)】二輪草 <可南子ルート>

更新日:

 

~ 二輪草 ~
<可南子ルート>

 

 

 テーブルに突っ伏し、眠ってしまった美月を見下ろす。
「どうしようか。美月さん、部屋に運んだ方がいいかな」
「うーん、いいわよ、いつものことだし。それに、重いし」
 実の母親に対しても容赦ない可南子。
「でも、さすがにこのままにしておくわけにも」
「もー、いいからほら、映画観るわよ」
 ソファに座っている可南子に手招きされ、祐麒もソファへと腰を下ろす。すぐ隣に座りたいところだが、さすがにそこまでの度胸は持っていないので微妙に距離を離している。可南子も特に何も言わず、レンタルDVDをセットして映画鑑賞に入る。
 映画の内容はSFともミステリーともいえるようなもので、主人公が過去へ戻れる能力を持つことから起こる物語。かつて自分の行動によって大事な人の人生を狂わせてしまったことを悔やみ、過去に戻って運命を変えようとする。しかし、新たな行動を起こすと異なる悲劇へとつながり、主人公はそのたびに過去へと戻り人生を繰り返す。皆が幸せとなれる人生を求めて。
「……ユウキはさ、過去に戻って人生を変えてみたいと思ったことある?」
 途中、そんなことを尋ねてきた可南子。目はあくまで画面に向けられている。
「ないと言ったら嘘になるけれど……」
 肩を壊してしまった中学時代。野球の夢がついえたとき。無理さえしなかったら、肩を壊さず今も野球を続けられていたかもしれない。もしかしたら、行くはずだった野球名門校で甲子園を目指して猛練習に励んでいたかもしれない。
 だけど。

「今の人生だって、良いと思ってるよ」
 ちらりと横に目を向ける。
 映画に集中しているせいか、可南子は結構無防備な姿をさらしている。暑くなってタンクトップ一枚になっているため、二の腕とか、鎖骨とかが気になって仕方ない。
「ふーん。なんで?」
 それはもちろん、可南子と出会えたから。野球に打ち込んでいたならば、可南子と出会う偶然なんて訪れなかっただろうから。
 心の中で思うものの、口に出すには恥ずかしすぎる。
「……可南子ちゃんはどうなの?」
 だから、質問に質問で返して誤魔化す。
「私? 私は……どうかしら」
 グラスを手に取り、残っていたわずかなカクテルを一気に飲む。上を向き、横から見る喉が動く。
「ん~~っ」
 腕を上げて伸びをする可南子。腋の下、タンクトップの隙間からほんのり見えそうで見えない感じ。背を反らした姿を横から見ることで分かる胸の膨らみ。腕をおろし、脱力したようにちょっと背を丸めると、胸の部分が少し膨らむように見える。そんなところばかりに目がいってしまう。
「ユウキはおかわり、いる?」
 飲み物を取りに立ち上がる可南子に、頷く。
 キッチンに向かう可南子の後ろ姿を目で追いかける。揺れるツインテールにされた黒髪、ショートパンツからすらりと伸びた長い脚。
 冷蔵庫から新しい缶を取り出して戻ってくる。その手に握られているのは、明らかにアルコール飲料。
「はい、どうぞ」
「ありがとう……だけど可南子ちゃん、もうお酒はやめといたほうが」
「何よー、文句あるの?」
「文句っていうか……って、ちょ、か、可南子ちゃん?」
 戻ってきた可南子は、なぜか先ほどまで座っていた場所ではなく、祐麒の上に腰を下ろしてきた。目の前に可南子の頭がきて、画面が見えなくなる。
「あの……見えないんですけど?」
「…………」
 不機嫌オーラを発しながらも降りることはせず、少しお尻を前に出し、上半身を後ろに傾けて僅かにずり下がる可南子。祐麒は逆にソファに深めに座ることでどうにか可南子の肩越しに画面を見ることができるようになった。
 手の置き場所に困ったが、可南子自らやってきたのだからいいだろうと、可南子の腕の下を通してお腹を抱くようにして手を置いた。ぴくりと震える可南子だったが、特に逃げる様子はない。引き締まっていながらも柔らかなお腹の感触が、薄いシャツの生地を通して手の平に伝わってくる。
「えと、か、可南子ちゃん」
「静かに、クライマックスじゃない」
 意図が分からないまま、とりあえず映画を観続けるものの、先ほどとは比べ物にならない可南子との距離感に、映画に集中するのが大変だった。
 髪の毛がさらさらと鼻先をくすぐるし、タンクトップの胸元からほんのりと見える膨らみとか、そもそも可南子の匂いが濃厚で堪らない。
 アルコールに酔っているのか、可南子に酔っているのか、分からなくなる。
 それでもどうにか耐えて、映画を観終える。
 エンディングロールを見ながら、この後どうしたらよいのだろうかと考える。
「さっきさ、ないといったら嘘になるって言ったじゃない」
「ん? あぁ……うん。それが?」
「やっぱり、私なんかと出会わない人生の方が良かったとか思っているんでしょ?」
「な、何言ってるんだよ。そんなわけないじゃん」
「なんで、どうしてそう言い切れるのよ?」
 ちびちびと缶に口をつける可南子。
 祐麒は可南子を抱きしめる腕に僅かに力を込める。
「あのなぁ……なんでそう思うかの方が不思議だよ」
「…………」
「何で俺が、夏休み殆ど毎日のように可南子ちゃんとバスケの練習しにやって来ていると思ってんの」
「何でよ?」
「えと……言わないと、分からない?」
「わかんない」
「だ、だからぁ」
「大体、それだけ毎日のように一緒にいたくせに、ユウキったら何にもしてこないじゃない」
「だ、だって可南子ちゃん、男嫌いだっていうし。何かして、いいの!?」
「…………どうせ、出来っこない癖に」
「そ、そんなことないぞ」
 お腹に置いてあった手を動かし、わずかに上に持っていく。可南子の体がびくりとするが、拒む様子はない。
 ごくりと唾を飲みこむ。
 さらに手を動かすと、柔らかな感触が一段と柔らかみをもって手の平に伝わってきた。

「……ぁ…………」
 小さく声を漏らす可南子。
 震える手で、可南子の胸をそっとなでる。タンクトップの薄い生地の下、小さいけれども確かな膨らみと弾力。しかも、感触的にブラはつけていない。
 胸元の生地が歪み、隙間から胸の膨らみが覗いて見える。祐麒が指を動かすと、それに従うように波打ち、形を変える。
「か、可南子ちゃん。えと、い、嫌じゃないの?」
「――馬鹿じゃないの?」
「え、な、なんで」
「…………嫌な相手に、こんなことさせると思ってんの?」
「っ!?」
 体勢的に可南子の顔を見ることは出来ないが、僅かに見える頬が真っ赤になっているのが分かる。
「か、可南子ちゃん」
 首筋に顔を埋める。
 胸から一旦手を離し、シャツの下に手を入れる。お腹に直接触れる。
「ちょ、くすぐったい」
 もぞもぞと抵抗するように体を捩る可南子。
「ね、可南子ちゃん。ちょっと手をあげてくれないかな」
「は? なんで」
「お願い、片手でいいから」
「なんなのよ、もう……」
 文句を言い、ジト目をしつつも可南子は左手を上げてくれた。
「ああ、やっぱり。可南子ちゃんの腋は、いいね」
「はぁ!?」
 タンクトップだからこそ見える腋の下のライン、しかも脇ぐりが大きめなので腋の下からお腹の脇の上部分が見える。そして緩めの脇ぐりからは、ほんのりと膨らんでいる横乳も目に入る。
 バスケの練習でタンクトップを着てくることも多い可南子だが、そういう時にふと、脇に目が引き寄せられてしまうことがあるのだ。ディフェンスにしろオフェンスにしろ、手を高くあげることは多く、そのたびに見える腋の下から横乳のラインに祐麒は魅せられていた。
「へ、変態趣味を自慢げにカミングアウトしないでよっ!? って、やだ、何してるのっ!? ひゃ、あひゃっ」
 可南子が腕を下ろす前に頭を腋の下に入れると、祐麒は腋の下に舌を這わせたのでだ。
「……ちょっと、しょっぱい。汗か」
「こ、この、変態脇フェチ!!」
「あがっ!?」
 肘を叩き込まれ、さすがに頭を離す。
「まったく、変態な……ふぁっ」
 それでもめげず、タンクトップの脇から手を差し入れて可南子の膨らみに触れる。
「だ、ダメ、ユウキ、そんな……んっ」
 ほんのりと汗ばんだ肌は手の平に吸い付くようで、ゆっくりと回すように揉みながら中心部へと指を伸ばす。少し硬く尖ってきている乳首を軽くつまむ。
「んっ……! ば、馬鹿、どこ摘んで……あ、あっ」
 親指と人差し指で摘んだまま、擦り合せるように動かして乳首をこねると、可南子の体がぷるぷると震え、可愛らしい声を漏らした。
 左胸の乳首をつまみながら、右胸の乳首には上から人差し指の腹を押し付け撫でるように回転させる。
「や、やぁっ……ちょ、そ、くっ……」
 左右に異なる刺激を与えられ、切ない息を漏らす可南子。汗で湿っているため、それが滑りを良くしている。
 可南子の乳首は既に両方とも完全に硬くしこっている。
「……気持ちいい、可南子ちゃん?」
「そ、そんなわけな……ん、あ、あぁっ」
 気丈に言い返そうとした瞬間、少し力を入れて摘むと、顎を上げて喘ぐ可南子。声を上げないように必死に耐え、唇を噛みしめているが、その口の端に涎が光る。
「ちょ、ユウキ、そ……ひぁんっ」
 汗で髪の毛の張り付いた首筋を舐めると、可愛く悲鳴をあげる可南子。
「可南子ちゃんの汗、美味しい」
「ま、またそんな変態なことを……ひっ、あ、あふぅっ」
 憎まれ口を叩く可南子に、首筋から耳たぶまで舐め上げながら指で乳首を挟んだまま乳房を撫でて愛撫する。
「可南子ちゃん、ここ、弱いんだ?」
「ば、馬鹿、そんなことない……くっ、あ、あっ」
 人差し指で乳首を押し込む。
 その次には乳首をつまんで引っ張る。
 口の端に光っていた涎が垂れ落ちて筋を作る。
「そんな、お、同じとこばっか……くふぅぅ、あぅ、あ」
「それじゃあ、そろそろ違う方も……い、いい?」
 自然と手も言葉も震える。
 余裕があるように見せてはいるが、実際にはただ夢中になっているだけで余裕など全くない。
 震える右手を胸からずらし、お腹を経由してショートパンツに触れる。
「え……ちょ、や、だ、駄目」
 抵抗しようとする可南子の声を無視して、もう片方の手でショートパンツのボタンを外し、ジッパーに指をかける。
「ちょ、ちょっ、ユウキっ!? だ、駄目だってば、そんな、そこは……っ」
 焦っている声色。
 可南子の手が祐麒の手に添えられる。
 そして、首を捩って見上げてくる顔。恥ずかしそうに顔を赤くし、潤んだ瞳、怒ってみせながらも不安の滲んだ表情。
「えと、やっぱり、駄目、かな? 本当に駄目なら今のうちに本当に拒否って、俺を殴ってでも逃げてくれないと、もう止められないよ」

 これは本気だ。
 可南子は少し考えているようである。祐麒の右手の甲を覆うようにしている手の平、握ってきてはいるが、力はさほど強くない。祐麒の左手は胸に触れたままであり、ゆるゆると愛撫を続けている。可南子の呼吸は少し荒い。
 しばらく待つ。
 可南子に動きはない。
 ゆっくりとショートパンツのジッパーを下ろす。指が震えるが、なんとか下ろし切ることが出来た。ジッパーの隙間から、ミント色のショーツがちらりと見える。
 手を少し差し入れると、さらりとしたショーツの感触が指先に伝わる。もう少し奥に手を入れたいが、ショートパンツが邪魔だ。
 左手の人差し指でお臍の窪みを撫でながら、右手をどうにかしようと考えていると。
「…………っ……」
 可南子がみじろぎした。
 やはり嫌がっているのかと思ったが、祐麒に背中を預けて軽く腰を浮かせている。
「か、可南子ちゃん」
「あ……」
 それでも、なかなかショートパンツをうまく下ろせない。祐麒の手の動きにあわせて可南子は更に腰を浮かせ、なんとか脱がせていく。脱がせる際に太腿を撫ぜる形になり、引き締まったすべすべ肉が心地よい。
「……あっ……」
 祐麒の上に着地した可南子は気が付いているだろう。可南子のお尻に、ショーツ越しに押し付けられている祐麒自身に。
「う……わ……や、な、何コレ……っ」
 びっくりして逃げようとお尻を浮かせようとするのを、右手で押さて再び着地させる。
「ちょ、何すんのよっ。ば、ば、馬鹿じゃないの……っ」
「いや、でも可南子ちゃんのお尻が……」
 形のよい、程よい肉感のヒップによる圧力、それも直接ではなく滑らかなショーツの布越しということもあって気持ち良いのだ。
「へ、へ、変態っ、このっ、ひゃぁんっ!」
 暴れ出す可南子を抑えようと、内腿と脇腹に指を滑らせる。
「だ、大体、おかしいじゃない。普通、い、いきなりこういうことする!?」
「え、というと」
「だって、その、順序というものがあるじゃない。ユウキからは私、何も言われていないし」
「だ、だからそれは、さっき言ったじゃん」
「言ってるうちに入らないわよ、あんなの。はっきりしなさいよ、男らしくない」
 可南子が脇を締めて腕の動きを封じてくる。しかし、手はすでに体に触れているわけで、完全な防御には程遠い。
「えっと……だから、その……可南子ちゃんが好きです……」
 改めて口に出すのは恥ずかしいが、言わないわけにはいかなかった。顔が熱くなる。
「それって、その、ただ単に続きをしたいから言っているんじゃないの?」
「ち、違っ!? だから、さっきも言ったけれど、好きな女の子のためでもなければ大事な夏休みを潰して、毎日朝早くっからバスケの練習に付き合ったりしないって!」
「…………ぅ……」
 後ろから見ても、可南子の耳が赤くなるのが分かった。
 腕の力も緩む。
「俺は言ったけれど……可南子ちゃんは?」
「え?」
「だから、えーと、返事は」
「…………何よ、言わないと分からないの?」
「あ、何ソレ、ずるっ」
「私はいいのよ」
 ぷんと、祐麒の顔とは反対の方向に顔を背ける可南子。
「駄目だよ、可南子ちゃんも、言ってよ」
「嫌よ、私は……ひゃんっ!? や、ちょ、馬鹿ユウキっどこ触って……」
 拘束が緩んでいた隙をついて、内腿に触れていた手を動かして股間部分に持っていく。ショーツ越しに、ほんのりと熱を感じる。更にもう片方の手は再びタンクトップの上から胸を包むようにしていた。
「言ってくれないと、止めないよ」
「ば、馬鹿、どうせ言ったって止めようとしない癖にっ」
「そんなことないって」
「ううぅ…………っ」
「わっ!? ちょ、か、可南子ちゃんっ!?」
「ふんだ……ユウキばっか調子に乗らせないんだから」
 不意に可南子が長い手を後ろに回して、祐麒の股間をまさぐってきたのだ。ズボンから盛り上がっているソレを、可南子の細くて長い指が掴むと、ゾクゾクするような快感がこみあげてくる。夏場で生地も薄いズボンだから、かなりしっかりと握られてしまった。
「ふふん、どう? 男ってこういうのに弱いんでしょう?」
 確かにそうかもしれないが、男はむしろ好きな女の子にそんなことされたら嬉しくてたまらないのだが。可南子は勝ち誇ったように握った手をもぞもぞと動かし、刺激を与え続けてくる。
「調子に乗り過ぎよ、馬鹿ユウキのくせに……ひぁんっ!? ちょ、や、なんでっ」
「うぅ、か、可南子ちゃんっ……」
 可南子に負けじと、祐麒も指先で股間をなぞり、円を描くように胸を揉む。手のひらに乳首の感触があたり、それもこねるように。
 刺激をうけたせいか可南子の手にも力が籠められ、更に祐麒を昂らせる。
「や、やだ、何こんなの、やっ」
「だから可南子ちゃん、可南子ちゃんの気持ちを教えてよ」
「馬鹿ぁ……だ、だから……い、言わなくちゃわかんないの、馬鹿っ」
 喘ぐように言いながら、可南子は首を捻って祐麒のことを見つめる。怒っているようにも見えるが、同時に切ないようにも見える。上気した頬、潤んだ瞳、僅かに開かれた唇。
 首を伸ばしてゆっくりと顔を近づける。閉じられる可南子の瞼。いまだ胸を揉み、股間をまさぐりまさぐられながら、唇を触れ合おうと、祐麒も目を閉じようとして。
 その視界の隅で何かの影がゆっくり動いた。

「…………ん」
 閉じかけた瞳を開くと。
 先ほどまでテーブルで突っ伏して寝ていたはずの美月が、そっと椅子から立ち上がったところだった。
「…………ん……? ちょっとユウキ、どうしたのよ」
 いつまで経ってもやってこない甘い感触に業を煮やしたのか、怒ったような可南子の声。
「いや、その……アイタタタタタタっ! ちょ、可南子ちゃん痛い、強いっ!!」
「え、あ、ご、ごめん! えと、強さとか良く分からなくて、もうちょっと緩い方が気持ち良いの?」
 拗ねて力が込められたのか、祐麒のモノが力強く握られ悲鳴をあげる。可南子は驚いたように慌てて力を緩めて解放する。
「あ、うん、さっきまでくらいが丁度良いくらいで」
「そうなんだ、ごめん、えと、これから気を付けるから……こ、こう動かしてあげると、男の人って気持ち良いんでしょう?」
 そう言いながら、可南子はズボンの上から軽く握り締めたままゆっくりと前後に動かして扱く。
「うあっ! ちょ、可南子ちゃん、ちょ、待って、ストップ、ストップ!!」
「え、何、まだ強いの? 私、初めてなんだから、仕方ないじゃない。あんまり文句言わないでよね、その、わ、私が手でしてあげてるんだからっ……それとも……ちょ、直接じゃないと、やっぱり気持ち良くないの?」
「いや、そうじゃなくて、あの」
「うぅ……わ、分かったわよ、ちょっと怖いけど……が、頑張ってみる」
 可南子は座っている位置をずらして祐麒の左足の上にお尻をおろす。そして、ちらちらと目線を祐麒の股間に向け、手を伸ばしてズボンのチャックをおずおずと降ろす。そしてトランクス越しにまさぐり、前開きの部分から指を中にいれようとする。
「可南子ちゃん、だから」
 その指を掴んで止める。
「な、何よ、大丈夫よ、さっきので強さ加減は大体分かったから、今度はちゃんと、気持ち良く、だ、出すまでしてあげるから」
「あの、それはとても嬉しいんだけど」
 その時、水が流れる音とともにトイレのドアがそっと開き、中から美月が姿を見せた。目が合う。
「あ……はは、ごめんねぇ、ずっと寝たふりしようと思っていたんだけど、飲み過ぎたせいかおしっこ我慢できなくなって、さすがに漏らしちゃうわけにもいかないから」
 気まずそうに頭をかく美月。
「なっなっ、なな……!?」
 可南子が固まる。
「えーと、頑張ってね可南子、ゴムはちゃんと付けるのよ?」
「ちょ、ちょっと待ってよお母さんっ! い、いっ……いつから?」
「うーん、エンディングロールのあたりから……かな?」
「なっ――――」
 声を失くし、首まで朱に染まりゆく。もちろん祐麒とて同じこと、何せそれでは可南子との恥ずかしいやり取りを全て見聞きされたということだから。
「ここ、これは違うの、誤解よ、ただふざけていただけで」
「いや、おっぱい揉まれて、アソコ触られて、握っている状態で言われても説得力ないからねぇ?」
 言われて、慌てて祐麒の脚の上から飛び退く可南子だが、タンクトップの下にショーツだけという格好では更に説得力を失うというもの。
「私は部屋に戻るから、大丈夫よ?」
「ふふ……ちょっと待ってお母さん」
 有無を言わせぬ迫力で美月の足をその場に釘付けにすると、可南子はキッチンからガシャガシャと音を立てながら戻ってくる。
 手に、腕に抱え持たれてきたのは日本酒、焼酎、ワインといった類の大量の瓶。
「可南子ちゃん? あの、ちゃんぽんは悪酔いするからやめた方が……」
「悪酔い? 上等じゃない。今までの記憶も失うほど飲んでもらうから」
 完全に目が据わっている。
「えと、記憶を失うとしても、それは飲み始めてから後の記憶では……」
「それ以前からのも忘れるほど痛飲するのよ。それでも忘れなければ」
「の、飲みます、飲みますからっ!?」
 ただならぬ雰囲気を感じ取り、慌ててグラスを手に取る祐麒。遠慮なく注がれてゆく日本酒。
 美月も逃げ切れず、リビングに連れ戻されて酒がなみなみと注がれたグラスを持たされる。可南子自身もまた、同様だ。
「ふふ……黒歴史、黒歴史だわ……」
「いや可南子、誰しも通る道なんだけどね……もう、ユウキくんがぐずぐずしてたから。さっさとやっちゃうか、私になんか気づかないふりしていれば良かったのに」
「さ、さすがにそれは無理ですよ」
「なに、二人でイチャイチャしているのよ?」
「あーもう、一丁前にやきもちはやくんだから、ほんとに面倒くさい娘ねっ」
 やけくそのようにグラスを呷る美月。
 可南子に目で促され、仕方なく祐麒も口にする。強烈なアルコールが喉を焼き、一気に酔いが加速する。
 この先どうなるのか、不安だけを重ねて祐麒もやけっぱちで酒を飲み干すのであった。

 

 目覚めは最悪だった。
 頭の中で腕の悪いバンドがめいめい勝手に大音量で演奏を行っているように感じる。激しい頭痛、吐き気、むかつき、胸やけ、お腹の具合も悪い。脳みそを滅茶苦茶にシェイクされているようで、痛くもあり、手を突っ込んで掻き毟りたいような気にもさせられる。他にも表現しがたい症状が襲ってきていて、ありとあらゆる二日酔いのダメージが祐麒を苛んでいる。
 沢山のアルコールを無茶苦茶な飲み方させられたことは覚えている。下手したら急性アルコール中毒になりかねない危険な状況だった気がする(※未成年者、飲み慣れていない人は絶対にやらないように!!)
 いったい昨夜、どうしてそんなことになったのかが良く分からない。可南子、美月とやけくそのように飲んだ気はするが、記憶が混濁して分からない。何か、物凄く良いことがあったような、それでいて物凄く惜しいことだったような、曖昧な記憶のみ残っている。  夕食の時からアルコールを口にしていたから、そのせいか。
 しかし暑い。残暑はまだ厳しいようで、それもまたきつい。だけど起きる気にはなかなかならない。
 むっとする熱気に加え、体の右半身がやたらと熱い。腕を動かそうにも動かず、まとわりつくような熱気、どうしようもなく薄目をあけて様子を窺うと。
「…………っ?」
 可南子がいた。
 祐麒の右半身にぴったり寄り添い、抱きつくようにして寝ている。やはり暑さのせいかじっとりと汗をかいており、額、首筋が光っている。タンクトップのシャツも汗を吸っており、張り付いて肌が浮かんで見える。夏場で生地も薄目だから、僅かに透けて見える。
 嬉しいが、それよりも暑さが勝る。可南子の体を離すように押す。吸い込まれるように胸を押してしまったのはお約束というものか。
「う…………ん」
 ごろりと寝返りを打ち、仰向けになる可南子。
 激しく気分がすぐれないが、それでも力を振り絞って上半身を起こし、可南子を見下ろす。シャツがめくれて形の良いお臍が見えている。
 手の平を見つめる。先ほど無意識ではあったが触ってしまった胸の感触で、何かを思い出しかける。昨夜、可南子、触れたもの。
 おぼろげな記憶の中に残っているイメージは、ミント色。
 しかし今、可南子はショートパンツを穿いている。やはり勘違いか。確かめてみたい。
 思考能力が欠けているのか、あまり変だとも思わずにショートパンツに手を伸ばしてジッパーを下ろす。
 下に見えたのは、薄いイエローの下着。
 やはり単なる夢か幻か。いや、まだ分からない。下半身も汗をかいていて、下着も汗を吸って少し変色しているようだ。
 可南子の太腿を持ち上げようとするが、重いし力が入らないしで持ち上がらない。
「んっ…………」
 すると可南子が、サポートするように軽く腰を浮かせた。その間にショートパンツを膝上あたりまで下ろす。やはりイエローは変わらない。
「あれぇ……」
 ぐらぐら揺れる視界の中、ぱちぱちと瞼を動かして可南子が目をゆっくりと開く。
 そういえば、ここはどこなのか。見たことがない部屋。シンプルであまり飾り気のない、だけど優しさを感じさせるような部屋。寝ていたのはシングルベッドの上、この狭さなら密着してしまうのも仕方ない。
「えっ…………な、なっ……」
 可南子が目を見開く。
 祐麒は続いて顔を横に向ける。
 シェルフにはミニコンポや小物類、本などが並べられている。机とセットの椅子にはスクールバッグが置かれ、机の上には筆記用具などが置かれている。そして、フォトスタンド。写真の中にいるのは、浴衣姿の可南子。祭りの時に見た格好だ。すぐ隣には祐麒もいるが、身長差があるから並ぶとなんとも厳しい。背景的に場所はアパートの外、美月が嫌がる可南子を説き伏せて撮影したものだ。
 嫌がってはいたもののやはり女の子、浴衣姿はやはり嬉しかったのか。
 と、激しい痛みとぼんやりとした思考でそこまで考えたところで。
「――――え?」
 何やら長い棒のようなもの(それは可南子の長い脚だったのだが)が目の前に迫ってきたのを一瞬、目にとらえて。
 祐麒の意識は途絶した。

 

 次に気が付いた時も、激しい痛みを側頭部に感じたが、どうも二日酔いとは異なるように思える。
 起きた場所は細川家のリビング、いつの間にこんな場所で寝ていたのだろうかと、首を振りつつ身を起こす。ずきずきと頭が痛む。
「ようやく起きたわね」
 声がして見上げてみると、可南子が見下ろして来ていた。
 キャミソールの上からパーカを羽織り、ハーフパンツのスタイル。長い髪はポニーテールに結われている。
「ああ……おはよう。いててて……頭がなんか、やたら痛いんだけど」
「飲み過ぎでしょう」
「そう……だよなぁ。う~~っ、あれ、俺、ここで寝ていたっけ。なんか、ベッドで寝ていた記憶が」
「夢でも見たんじゃないの? 私が起きてきた時からずっとソファで寝ていたわよ」
「うーん、そっか、そうだよなぁ」
 頭をさすりつつ、頷くしかない。
 時計を見ると、なんと既に昼を過ぎていた。
「まったくどうしようもないわね、ユウキは……昨夜のこと、覚えている?」
「いや、えと……」
「映画、面白かったわよね?」
「う、うん、あれ、でもどんな終わり方だっけ」
「なに、覚えていないの? 意味ないじゃない」
「なんかその辺から曖昧なんだよなぁ……なんか、すげー気持ちいいことがあったような気がするんだけど」
「……飲み過ぎで気分がハイになっただけじゃないの?」
 冷たい目を向けると、可南子はキッチンに行って冷蔵庫から牛乳を取り出してグラスに注ぐ。
「はい、スッキリするわよ」
「あ、さんきゅ」
 受け取り、冷えた牛乳を一気に飲み干すと、少し気分がすっきりした。
 見回せば、あちらこちらに転がっているお酒の空き瓶、空き缶。それだけの量を未成年者二人を含む三人であけたのかと思うと、そらおそろしい。
 可南子が祐麒の隣に腰を下ろし、手にしていたもう一杯の牛乳に口をつける。
 ちらりと、祐麒に目だけを向ける。
「……本当に、昨夜のことは何も覚えていない?」
「いや~~、なんか思い出そうとすると、頭痛が」
「なら、無理に思い出すことないわよ。酔っぱらってみっともない姿を見せてたし」
「え、マジで? 何、俺どんなみっともない姿を!?」
「ふふん、それはねぇ」
 と、意味ありげに笑う可南子だったが。
 その可南子より先に、美月の声が耳に届いた。
「パンツ一枚になってたものねぇ?」
「っ!?」
「え、マジっすか!? うぉぉ、何してんだ、俺っ」
 振り返ると、こちらも寝起きっぽい美月。それでも最低限の身だしなみ、軽いメイクを施しているのはさすが女性。
「そうそう、それでこう、にぎにぎと……」
 と、美月はにやにや笑いながら、何やら手で棒を握るようにすると、その手をゆっくりと動かし始め。
「お、お母さん、そろそろ朝ごはん、ってゆうかお昼ご飯にしない!?」
「痛ぇ!? え、何、なんで俺今エルボーくらったの!?」
 呻く祐麒を無視して可南子はキッチンへと向かう。
「え~っ、私、二日酔いで辛いから可南子、作って欲しいなぁ。ねぇ?」
「ぐ……わ、分かったわよ」
「やったね。それじゃあ祐麒くん、可南子の準備が終わるまで、一緒にテレビでも観て待っていましょう。あ、それとも昨日の映画でも観る? 最後、見逃したんでしょう?」
 美月が足取りも軽くやってきて祐麒の隣に腰を下ろし、なぜか腕を組んで密着してくる。
「あの、美月さん、なんで……」
「えー、もちろん、楽しいからに決まっているじゃない、ふふっ」
 意味ありげに笑ってみせる美月。
 キッチンからは、可南子がまるで射殺そうとでもするかのような目つきで祐麒を睨みつけてきている。長い髪の毛が、ともすればメデューサのごとく意思をもって蠢いて見えるのは気のせいか、二日酔いのせいか。
「……祐麒くん、頑張りなさいよ? もう、あとはキミ次第なんだから」
 寄り添ってきた美月が耳元で囁き、そして身を離す。
「えと、はぁ、ん?」
 キッチンからは、叩きつけるような、やたら乱暴な包丁の音が響いてくる。

 こうして、祐麒の長い長い夏休みは幕を閉じたのであった。

 

 

 飲み潰れた祐麒を見下ろしている可南子。可南子自身も相当に酔っているが、かろうじて意識は残っていると、本人は思っている。
 美月を含む三人、リビングで飲んでいたはずなのだが、いつしか場所を変えて可南子の部屋にやってきていた。美月は既に自室へと戻っており、可南子のベッドの上で祐麒はのびている。
 これだけ飲ませれば、あの破廉恥な行動は忘れてくれるだろう。あれは、可南子もお酒が入って酔っぱらっていたし、一時的におかしくなっていたのだ。あんなこと、するわけがないのだから。
 ベッドにあぐらをかき、ばりばりと頭をかきながら祐麒をみる。
 手を伸ばし、無造作に股間を握る。
「……ほら、ふにゃふにゃじゃない」
 先ほど握ったのとはまるで別物だ。即ち、だ先ほどのはやはり気のせいか何かなのだと、訳の分からない結論をつける。
「ん…………私も寝よ」
 シャワーを浴びるのも面倒くさいくらい眠いが、さすがに汗かいたままというのは嫌だったのでシャツとパンツを脱ぎ捨てて全裸になり、タオルで体を拭いてから寝間着用のシャツ、下着、ショートパンツに着替える。
 邪魔な祐麒の体を押して壁際にずらし、横に入り込む。
「もう……ユウキ、暑苦しいわよっ」
 ぶつぶつ文句を言いながら可南子は祐麒の右腕にしがみつき、眠りに落ちた。

 

 二日酔いの最悪の気分で目が覚めた時、なぜか祐麒がショートパンツを脱がそうとしていた。不器用な手つきで苦戦している。
(……もう、仕方ないわね…………)
 可南子は軽く腰を浮かせ、脱がせやすくしてやる。
 これくらいスマートに決めて欲しいものである。しかし、手慣れているのもむかつく。どうせ経験なんてないだろうから、微笑ましくて良いのかもしれない。まあ、可南子自身も経験などないのだが。
 この後、どうするつもりか……とゆうか、何で脱がされた?
 僅かに正常な判断が戻り、重い瞼を懸命にあけてみると、ショートパンツを脱がせている祐麒の目が室内をさまよっているのが見える。可南子も視線を向ける。見慣れた自分の室内、祐麒の視線が一点に止まる。
 それは、デスクの上に置かれたフォトスタンド。あれには、確か夏祭りの時に美月に撮影された浴衣姿の可南子と祐麒のツーショットが収まっていて――
 そこまで考えたところで一気に血の気が引き、理性が戻った。
 気づいた時には不自由ながらも懸命に足を振り上げ、思い切り祐麒を蹴り倒していた。
 声もなく気を失う祐麒を尻目に、可南子は慌ててフォトスタンドにかぶりつき、引き出しを開ける。中には、フォトスタンド用に選ばれなかった他の写真や、祐麒に貸して使用させたフェイスタオル、リストバンドなどが収めてある。
 祐麒はもちろん、美月にだって絶対に見せられないものだ。
 厳重に鍵をかけてしまい、一息ついたところで、下半身がパンツ丸出しであることに気が付く。
「こ、この、エロユウキ……っ!」
 自ら腰を浮かせて脱がせやすくしたのも忘れ、可南子は怒り心頭でショートパンツを穿き、相変わらず気を失って倒れている祐麒の横に腰をおろす。
「……だ、大体、ユウキのせいなんだからね、全て」
 昨夜のことは、どれだけ酒を飲んでも忘れていない可南子。完全に酔い潰れるまでは、それまでのことは酔っていても記憶は残るタイプなのだ。
「ユウキは……忘れているわよね?」
 不安そうに呟く。
 もしも忘れていなければ、何が何でも忘れさせる。あんなことを口にして、あんなことをしようとする自分ではないはずだから。それはまあ、その、確かに少しは勉強したけれど、それは今の年頃の女の子としてごく普通の興味の範囲のはず。知ったばかりだから、つい口にして確かめようとしてしまったに違いない。酔ってもいたし。
 祐麒がきちんと忘れているならば。
「…………」
 口元が自然と緩む。
 自分だけが知っていることになる。

"えっと……だから、その……可南子ちゃんが好きです……"

"好きな女の子のためでもなければ大事な夏休みを潰して毎日朝早くっからバスケの練習に付き合ったりしないって!"

「ふーん、そうなんだ。ユウキってばやーっぱり、私のこと好きだったんだ?」
 寝顔を見下ろす。
 鼻をつまんでみせると、苦しそうにふがふがするのがおかしくて、笑う。
「毎日、練習に付き合っていたのも、やっぱり下心からだったんだ。やーらしいの」
 両方のほっぺたとつまんで引っ張る。柔らかい頬は、にゅいーんと伸びる。気を失って寝ていても、痛そうに顔をゆがめる祐麒。
「練習の間も、私の体に触れてドキドキしたり、ちらちらと胸とかお尻とか見たりしているの、知っているんだからね」
 女が男の視線に気づかないわけがない。どんなにさりげなさを装い、気付かれないようにしていたとしても、女は敏感だ。
「知っていたけれど……言いなさいよ、ばーか」
 指を離す。
「ふふん、これからは、私だけがアンタの気持ち、知っているんだから、ざまーみろ。弱みを握ってやったのよ」
 祐麒が全てを忘れているとすれば、弱味にも何もならないはずだけれど、可南子には関係なかった。
「でも……本当に全部忘れていたら、ムカつく」
 横っ腹を指でくすぐると、身を捩らせるようにして動く。くすぐったいのか、顔がにやついたような感じになる。
「私は、超、超~~~~~~っ!! 恥ずかしい思いをしたのに。あんな思いさせた癖に、一人忘れるの?」
 思い出す。
 祐麒に触れられた胸、そして大事な部分。
 可南子が触れた、熱くて硬いモノ。
「ユウキが好きで好きで大好きで仕方ない女の子にあんなことして、あんなことされて、それで忘れるなんて、どんな神経しているんだか」
 自分だったら絶対に忘れるなんてことない。
 本当に腹が立ってきた。
 あの時、自分がどんな思いを持ち、恥ずかしさに打ち震えながらお尻を浮かせたのか。羞恥に耐えながら指を伸ばし、触れ、動かしたのか。
「どーせスケベなユウキは、おっぱい揉めて嬉しい、くらいしか思ってないんでしょ」
 ムカついたので、腹の上に跨ってやる。
 体重をかけると、苦しそうに表情が変化する。
 祐麒の顔を左右から挟むような位置に手を突き、見下ろす。
「腹が立ったから、ユウキにストレス解消させてもらうんだから」
 長い髪の毛が垂れ下がってくるのがうっとうしいが、ヘアゴムがない。仕方ないの右手でかきあげ、垂れてくるのを抑える。
 そしてそのまま可南子はゆっくりと背中を丸めるように上半身を屈め、祐麒の唇に、唇を重ねた。
「………………んっ」
 五秒ほどで唇を離す。
 少し考えた後、祐麒が目を覚ます様子がないのを見て、可南子は腹の上に跨った格好から、祐麒の上に四つん這いで覆いかぶさるような格好に姿勢を変えた。
 そして胸をぎゅっと押し付けながら、再びキスをする。唇を押し付けるだけの拙いキスから、軽く祐麒の唇を啄むようなキス、そして唇をつけたまま舌でちょっとつついてみるようなキス。
「ん……ちゅ、んっ……」
 口を離して可南子は。
「ふふっ、大好きな女の子におっぱい押し付けられて、キスまでされているのに意識がないなんて、すっごい悔しいでしょ? 絶対に教えてなんかやらないんだから、ざまーみろってのよ、ふん」
 と、嬉しそうに笑い。
「――――――――――ちゅ」
 最後にもう一度、今までで一番長いキスをした。

 ちなみにこの後、可南子は祐麒の両足を持って部屋からリビングまで引きずっていくわけだが、途中で二度ほど目が覚めかけた祐麒は、そのたびに頭を強打させられ気を失わされているのであった。

 

 

おしまい

 

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