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ミステリー 書評

【ブックレビュー】名もなき星の哀歌(著:結城真一郎)

更新日:

【作品情報】
 作品名:名もなき星の哀歌
 著者:結城 真一郎
 ページ数:416
 ジャンル:ミステリー
 出版社:新潮社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ミステリーというより青春小説度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : ミステリというより物語を楽しみたい人

■作品について

裏稼業として人の記憶を取引する「店」で働く銀行員の良平と漫画家志望の健太。
神出鬼没のシンガーソングライター・星名の素性を追うことになった悪友二人組は、彼女の過去を暴く過程で医者一家焼死事件との関わりと、星名のために命を絶ったある男の存在を知る。
調査を進めるごとに浮かび上がる幾多の謎。
代表曲「スターダスト・ナイト」の歌詞に秘められた願い、「店」で記憶移植が禁じられた理由、そして脅迫者の影――。
謎が謎を呼び、それぞれの想いと記憶が交錯し絡み合うなか辿り着いた、美しくも残酷な真実とは?

■良かった点

タイトルだけではなかなかどのような作品かは分かりづらい。
読んでみると、思いがけずに楽しませてくれるミステリーであり、ファンタジーでもあった。

主人公は、人の記憶を取引する「店」で働く健太と良平のコンビ。
お調子者で口の上手い健太と、しっかりした良平は、お互いの長所をうまく活かすことで「店」で活躍している。
そんな中で出会った、神出鬼没のシンガーソングライター・星名ひとみを追いかけることに。
追いかけていくと、過去の医者一家焼死事件が浮かび上がってくる。
そして星名が探している人物。

人の記憶を買い取り、その記憶を他の人に売るという、特殊設定。
ここはもう、そういうことが出来るものがある、というのを納得して読み進むだけ。
人の記憶に関する物語でもあるということ。

嫌な記憶を忘れたい。
こんな記憶が欲しい。
お金がどうしても必要で、自分の大切な記憶を売る。

色々な人がいるけれど、それだけ記憶は大切でもあるし、その記憶こそが本人を形作るものだということ。
そして記憶が結びつける、物語の真相。
物語の導入はゆっくりと進み、果たしてどういう物語であり、何をしたい物語なのかと思うところもある。
それが終盤からは一気にラストまで疾走していく。

かなりご都合主義的なところがあるのは事実であるが、これはそういうファンタジーであると思うべき。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

そんな都合よくいくのか!?
というツッコミはおいておきましょう。

そういうの抜きで楽しめる作品だと思います。

 

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