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ノーマルCP マリア様がみてる 真紀

【マリみてSS(真紀×祐麒)】嬉しくないわけが <おまけ>

更新日:

~ 嬉しくないわけが <おまけ> ~

 

服を脱ぎ、下着姿になって洗面所に入る。
鏡に映る自分自身を見つめる。

既に三十を過ぎているが、肌の張りはあると思う。
胸の大きさは普通くらいか。
仕事が忙しいとはいえ、部活動で体を動かしているのと、もともとの体質もあるのか太ってはおらず、腰のくびれもまだある。
だからといって十代の女の子と比べたら差は歴然である。
それとも、年上の女性に憧れる年頃だから、だろうか。

抱きしめられた時のことを思い出す。
コート越しではあったけれど、思いのほか逞しく感じたのは、なんだかんだいって男の子だと思った。
そして何より、叩きつけるようにして吐き出してきた感情。

”俺は何があっても鹿取先生のことが好きだし、鹿取先生のことを疑ったり、裏切ったり、絶対にしませんから!”

脳裏に響いてくる祐麒の声。
熱く、真っ直ぐな、強い気持ち。

婚約者である(あった?)修司のことは嫌いではない。
むしろ好きだ。
だからこそ付き合ってきたし、婚約に至った。
だけど、修司よりも強い思いを感じ取った。
いや、修司だけではない。今まで付き合ってきたどの男性よりも大きな熱量を持っているように真紀は感じたのだ。

わかっている。
相手の思いが強ければ良いというものではない。
真紀の気持ち、相手の立場、将来の事、色々と考えた上で判断が必要になる。
特に真紀は既に三十を過ぎている。
対して祐麒はまだ十代、十年が過ぎた時、相手は立派な青年になっているだろうが、その頃真紀は四十を過ぎたおばさんだ。
子供だって、欲しいと思って出来るような年齢ではない。
そこまで考えて、祐麒と交際する前提の思考であることに気が付き、慌てて頭を左右に振る。
別に受け入れてというわけではない、冷静に思考を進めることは祐麒に向けて説明するときにも有効なはずである。
今は一時の感情にのぼせあがっているだけなのだ、時間をあけて落ち着けば、いずれなんであんなおばさん相手に熱を上げていたのかと思うはずだ。

でも、もしもずっと、本当に思い続けてくれるとしたら?

「……馬鹿みたい」

呟くように言うとブラジャーを外し、ショーツに指をかけて下ろす。
すると、ショーツからツーッと糸を引くものがあった。

「……嘘、やだ、私、濡れて……」

顔が熱くなる。
そっと指を伸ばして触れると、そこは熱くて、指に絡みついてくるようだった。
「駄目、こんなの」
浴室に急いで入り、シャワーから冷水を浴びる。
体の芯から染みこむような冷水。

だというのに、体の火照りは全く引くことが無かった。

 

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