書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

マリア様の愛読書

ノーマルCP マリア様がみてる 真紀

【マリみてSS(真紀×祐麒)】放課後は別の君

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~ 放課後は別の君 ~

 

 

 真紀と正式に付き合うことになった、といっても二人の関係は教師と生徒。
 誰に知られるわけにもいかないわけで、必然的に交際もひそやかなものになる。
 休日に仲良くデートで出かけることも、互いの家に行きあうことも難しい。同じ学校という場にいても、親しくするわけにはいけない。そんなこと初めから分かった上で祐麒は思いを告げた。
 受け入れられたのならば、卒業まで誘惑にも我慢して見せる、そう決意を固めていた。
 だが、その決意が揺らいできている。
 誤解しないで欲しいのは、祐麒の意思は変わっていないのだ。
 ただ、問題は真紀なのだ。

 祐麒がまだ真紀に想いを告げる前、一生徒として目にしていた真紀はごく真面目な教師だった。かといってまじめすぎる堅物ということはなく、時に抜けたところもあったりして生徒との距離も近く、だけど適切な距離は保つ。
 授業にも部活動にもきちんと取り組み、生徒を指導し、同僚の教師たちからは信頼され生徒からは慕われる、そんな教師だった。
 祐麒が告白しても、その後なんだかんだと理由を付けてデートをしていても、真紀はどこか距離を置いていた。
 しかし。
 正式に付き合うとなってからというもの、真紀の方が積極的なのだ。
 学内で他に生徒や教師がいるというのに、アイコンタクトをしてきたり、手を握ってきたり、更にはキスまで。
 更に校内で他の女の子と話しているだけで焼きもちをやいてくる。
 祐麒としては嬉しいけれども周囲が気になってしまう、なんとも悩ましい状況にある。
 
「福沢くん、何をぼーっとしているのかしら?」
 不意に声をかけられてびくっとする。
 声の主は見なくても分かる、真紀だ。
 放課後、掃除を終えて真紀の言葉通り、窓から外を眺めてただぼーっとしながら真紀の子をと考えていたら、当の真紀が現れて驚く。
 白のブラウスにベージュのタイトスカートをあわせたシンプルながらも清潔感のあるコーディネート、髪の毛は後ろでゆるくまとめていてどこかフェミニンな感じ。
「あ、いえ、暑くなってきたなって思って」
「そうね。部室には行かないの?」
 周囲には他の生徒の姿もあり、真紀の口調は教師そのもの。
 いきなり話しかけてくるのはどうかと思うが、真紀は祐麒が所属する『競技かるた部』の顧問なので不自然ではない。
「これから行こうかなって思っていたところです」
「そう。私も同じだから一緒に行きましょうか」
「は、はい」
 真紀の言葉に頷き、並んで歩き出す。
 いまでもまたちょっと緊張する。
 ちらりと隣に目だけを向けると、整った横顔が見える。
 すると、真紀もちらと祐麒の方に目を向けた。ほんのわずか、気付かないくらいの笑みを口元に浮かべる。
 それだけでドキドキして、つい先日、校内でキスされたことを思い出してしまう。
 あれだけ積極的なのだ、ならばもっと自分から積極的にいってもよいのかもしれないと思い始める。祐麒だって本心ではイチャイチャしたいのだ。
 真紀に見えないよう拳を握りしめ、祐麒は歩を進めた。
「どうしたの福沢くん、部室はこっちよ」
 部室と反対方向に歩き出した祐麒に、真紀が不思議そうに声をかけてきた。
「えーと、ちょっと」
 それだけ言って真紀に目を向けて廊下の角を曲がると、首を傾げながら真紀が追いかけてきた。
 真紀が角を曲がったところで。
「えっ?」
 驚きの声をあげたのは真紀だった。
 祐麒は真紀の手を掴むと、すぐ横にあった化学室に入り込んだ。
「どうしたの福沢くん? ほら、手、とか」
 真紀が、繋がれた手を軽く振ると、祐麒は振り返って言う。
「大丈夫です、他に誰もいなかったから」
「そう言っても」
 真紀は戸惑いの表情を浮かべ首を傾げる。
 化学室の中はひっそりと静まり返って誰もいなかった。
 壁際に並んだ棚の中にしまわれたビーカーやフラスコ類が無機質な光を放ち、どこか異世界のような感じを受ける。
「……先生」
「えっ?」
 祐麒は、真紀の手を繋いでいたのとは反対の手で真紀の肩を掴んで引き寄せた。そしてそのまま顔を近づけていくと、真紀は逆に逃げるように首を後ろに倒す。
「ちょ、ちょっと待って福沢くん。こ、こんなところでいきなり」
 両手で祐麒の肩を押して距離を取ろうとする真紀。
 そんな真紀を、祐麒はちょっと訝しげに見る。
「でも、この前は先生の方から」
「あ、ええ、それはそうなんだけど……あれ、後で改めて振り返ってみたらちょっと問題あるかなって思って」
「今さらっ!?」
 散々、祐麒を振り回しておきながら、である。
 真紀は少しバツが悪そうに、前髪を指でいじりながら言う。
「私も可愛い彼氏が出来て、ちょっと浮かれていたっていうか……反応が可愛かったのもあったし。でも、やっぱりここは学校だし」
「バレなければ平気って言ったのは先生なのに」
「だからほら、バレるリスクが高いわけじゃない。ここだって、いつ、誰が来るとも分からないわけだし」
 少しそわそわとした様子を見せている真紀。
 真紀の言っていることは正しいが、つい先日まで学校内で積極的にスキンシップをとってきたのは真紀である。
 目があえばウィンク、時には投げキッス、すれ違う際に体に触れたり手を繋いだり、さらにはキスまで。
 誰かに見られたらまずい、特に年上で教師である真紀の立場の方が問題あるわけで、祐麒としては自らを律して我慢するようにと思っているところ、真紀の方が奔放に接してきていた。
 ならば自分ももう、学園内でそこまで我慢しなくても良いのでは。もちろん、細心の注意は必要だが、せっかく一緒の時間を同じ場所で過ごしているのだから少しくらい大胆なことをしても良いだろう。
 生まれて初めての彼女、色々と有り余っている高校生、妄想することなどいくらでもあるのだ。
「少しくらい……駄目、ですか?」
「う、そ、そんな顔しないでよ。私が悪いみたい……まあ、悪いんだけど」
 自分がしてきた行為を思い出したのか、バツの悪そうな表情を真紀は浮かべた。
 そう、真紀があのようなことをしてこなければ、祐麒だって頑張って我慢をしていたはずなのである。
「じゃあ……ちょっとだけ、よ?」
 僅かに顔を赤らめながら、ようやく真紀がそう言った。
 肩を握った手に再び力を入れると、今度は真紀も強い抵抗は見せない。
 体が近づくと、ほんのりと香水の良い匂いが漂ってくる。
 大人の女性が放つ色香。
 リリアンには大勢の女子生徒がいて、綺麗な子、可愛い子も沢山いるけれど、真紀のような色香を持つ子はいない。

「ちょっと待ってよ志摩子さん!」
「大きな声出さないの、乃梨子」

 廊下から女子生徒の声が聞こえてきて、思わずぴくっと真紀の体が震える。
「ほ、ほらやっぱり、見られちゃうかもしれないし」
「こっちに寄れば見えないですよ」
 真紀の体ごと廊下側の壁の方に身を寄せる。
 入口の扉の窓から部屋の奥の方は見えるが、手前側は見えない。とはいえ、ほんの気まぐれで入ってきたらすぐに存在など知られてしまう。
 それが分かっているのだろう、真紀もどこか不安そうな様子を見せている。
 祐麒もドキドキはしているが、ここまできたらという思いもあるし、今まで見ていないような動揺を真紀が見せており、それを目の前にして興奮度がより高まっているようにも感じられた。
 今さら、何もせずにというのは、あまりに酷である。
「ドキドキしますね」
「まだ、すぐ外にいるわよ?」
 立ち止まって話をしているのか、内容は分からないが声は聞こえてくる。
 それでも祐麒は真紀の体を離さない。
「先生……」
 そっと顔を近づける。
 紅潮した真紀の顔が目に入る。
 やがて真紀も観念したのか、目を閉じた。
「ん……」
 唇が重なる。
 心臓がバクバクと大きな音を放ち、同時に廊下からも話し声が聞こえてくる。
 数秒して、真紀の方から唇を離した。
「これで、いいでしょ?」
 上目遣いに言う真紀だが、その表情が逆に、更に祐麒をそそってくる。
「もう一回」
「あ、ちょっと福沢く……ん……」
 二度目は、半ば強引に唇を奪った。
 しっとりと柔らかく吸い付いてくるような感触。口紅の味。
「……っ、もう、いいでしょう?」
 真紀が離れ、背を向けて歩き出そうとするのを、慌てて後ろから抱きしめて止める。
「福沢くん、ちょっと……あ」
 背中からまわした手が、真紀の胸に触れた。
 シャツの上からでも感じられる弾力に興奮する。
 あの夜、初めて真紀の肌に触れたときのことを思い出し、おさえられなくなっていく。
「ごめん、先生、俺、止められないかも……」
 これ以上はまずいと理性では分かっても、体を止めることが出来ない。
 真紀のブラウスのボタンに指をかける。
「え、ま、待ってっ」
 一つ、また一つと外すと、胸がはだけて下着が露出する。
 オフホワイト、フリルの着いたブラジャーに包まれた形の良いバストが視界に入ってくる。
 手の平で胸を持ちあげるようにして触れると、柔らかな重みが伝わってくる。
「ちょっと、だ、駄目よ福沢くん」
 顔を赤くしながら真紀は身を捩ろうとするが、祐麒が後ろから抱え込むようにしているので自由に身動きをすることが出来ない。
「ここまできて、駄目なんですか?」
 祐麒は問いかける。
 すると真紀は顔を赤くしたまま口を開く。
「駄目よ」
 当たり前のことをはっきりと言われ、がっかりする。
「……だってここじゃあ、落ち着いてできないでしょう?」
「えっ」
「やっぱり、するならたくさんしたいじゃない?」
「あ、え」
「あのねぇ……私だって、したくないわけじゃないのよ? というかむしろ、せっかく正式に付き合い始めたのに、全然誘ってくれないし」
 やや口を尖らせて拗ねたように真紀は言う。
「そりゃあ私の方が年上だけど、そういうのはやっぱり男の人の方から誘って欲しいし。それにもともと、キミの方が私に積極的にアタックして来たんじゃない」
「そ、それはそうですけど」
「だから、こういうところでリスクをおかして慌ただしくとかじゃなくて、お家とかホテルとかで……ね?」
 ちらと見上げられ、祐麒は慌てて頷いた。
「だから、っと」
 そこで真紀が口を噤んだ。
 耳をすませると廊下の方から少しずつ声が聞こえてきた。

 

「……全く、福沢くんはどこにいったのかしら?」
「後輩に示しがつかないわよ、これじゃあっ」

 

 同じ『競技かるた部』に所属する筒井環の声が聞こえて、動きを止める。それでも密着した状態は変わらず、触れている部分の肌の熱が上がっていく。
 息をひそめ、環の気配が感じられなくなるのを待ってから、息を吐き出してようやく少し落ち着く。
「そろそろ部活に行かないと」
「そうね。でも、今すぐに行ける?」
「えっ?」
「だって……しばらく前からずっと、お尻になんか凄いのが当たっているんだけど……」
「あっ」
 言われて赤面するが、仕方ないではないか。
 それに今もまだ真紀の衣服は乱れたままで、胸元ははだけてブラジャーと胸の膨らみが見えているし、そんな真紀の胸を祐麒はまだ掴んだままだった。
「我慢、できる?」
「は、はい」
「そう、いい子ね」
 真紀は胸に置かれた祐麒の手を優しく離すと、乱れた服装を整えていく。
 その姿を見ながら祐麒は嘆息する。
 いや、残念がってはいけない。勢いに任せてあのまま突っ走ったらどんなことになっていたか分からないのだ。
 むしろ、暴走したけれど誰にも見つけられること無くすんだことに安堵すべきであろう。
「そんなにがっかりしないの」
「し、していませんよ」
「ほんとう?」
「本当です」
 強がる祐麒。
 そんな祐麒に、真紀は軽く笑いながら身を寄せ、口を開いた。
「我慢した分、今度、たくさんしてあげるから」
「…………っ」
 硬直する。
 おさまりかけたと思っていたけれど、また、血が下腹部に集まっていく。
「じゃあ私は先に行くから、祐麒くんは大丈夫になったら来なさいね」
 軽く手を振り、真紀は化学室の扉を開けて出ていった。

「――あ、鹿取先生。福沢くん、見ませんでした?」
「福沢くん? さあ、部室に来ていないの?」
「そうなんですよ、今日は掃除当番じゃないはずなのに、どこで油を売っているのかしら」
「さあ……ねぇ?」
 そんな会話をしながら、真紀と環が遠ざかっていく。

 祐麒は一人、化学室の中に立ち尽くしながら思う。

 

 恋人は、普段は真面目な学校の教師。

 だけどその実、結構エッチだ。

 ……サイコーではないか。

 

 でも、そういうことを考えると余計に部室に向かう時間が遅くなってしまうのであった。

 

 

おしまい

 

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