書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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ノーマルCP マリア様がみてる 乃梨子

【マリみてSS(乃梨子×祐麒)】騙されたりなんかしない <おまけ>

更新日:

~ 騙されたりなんかしない <おまけ> ~

 

 その日、乃梨子は特に予定もなければすることもなく、自室のベッドの上でゴロゴロしていた。
 董子からは
「いい若いモンがだらしない」
 などと言われたが、若かろうがダラダラしたいときはあるのだ。
 部屋着のだるい格好のまま、今日は一日だらけようと決意をする乃梨子であったが。

「ん、メール? 瞳子かな」
 特に何も考えずにメールを開く。

『こんにちは。突然だけど、今から出てこられませんか? 買い物に付き合って欲しいんだけど』

「っ!?」
 驚き、うつ伏せの体勢から思わず女豹のポーズになって画面を見つめる。

 は、何これ、え、どういうこと!?

 混乱しながら宛先を見ても、そこには間違いなく『福沢祐麒』の名が。
 祐麒が買い物に誘ってきている。
 いや、でも単に悪戯かもしれない。
 混乱しつつ、バチバチと激しく叩きつけるように返信の文章を作り上げて送信。
 何通か、そうしてメールのやり取りを続けた後。

 今度はいきなり電話が鳴り出した。
 発信者はやっぱり『福沢祐麒』。

 え、な、電話!?
 どうする、とか考えている間にもコール音が続き、考えがまとまらないうちに電話に出てしまう。

「なにゃっ!?」
 咄嗟のことに、変な声が出てしまったが、そこからなんとか立て直していく。
 そうして少し会話をすると、祐麒はどうしても乃梨子と買い物がしたいと言ってくる。
 なんで急にと思ったものの、そこまで必死に頼むのであれば、まあ、少し考えて上げないでもない。
 そうだな、何か美味しいものでもご馳走してくれるなら。
 別に乃梨子自身は特に用事があるわけでもないが、そういえば新しく出来たお店のクレープが絶品だと瞳子が言っていたし、ついでにそれをご馳走してくれるなら。
 でも、お願いされたからとはいえすぐに外出するなんてちょっとどうかとも思った。
 だから乃梨子はこう言った。

「ちょうど私も駅前まで出てきているので、ついでといってはなんですけれど」

 そうそう、外にいたから、まあ、それなら良いかって。

『あ、マジで? 俺もちょうど駅前に来ているんだ、えっと、どの辺?』

 いや、待て!
 乃梨子は電話を手にしたまま立ち上がり、部屋にある鏡に映っている自分自身の姿を見る。
 部屋着の上下、髪の毛はぼさぼさ、人様に見せられるような状態ではなかった。
「いいいやっ、あの、私、小用をすませる必要があるので、三……四十分ほど、待ってもらえますかっ!?」
 口にしながら後悔する。
 今から四十分で支度を終えて駅までたどり着けるか?
 確実に無理だ。
 でもほら、女の子の買い物とかって時間かかるし、少しくらい遅れたからって文句を言うような狭量なら逆に文句を言ったって良いだろう。
 などと支離滅裂なことが急スピードで脳裏をぐるぐる回る。
「とにかく、また連絡しますからっ、それまでその辺でもうろついていてください、ではっ」
 そうして一方的に言いつけて通話を終えると。
 凄まじい勢いでクローゼットの中を漁り出したのであった。

 

 

「お帰り、どうだったい、デートは?」
 マンションに帰ると、にやにやした董子に出迎えられて、乃梨子はぷいと横を向く。
「デートなんかじゃないし」
「そんなお洒落してウキウキして出ていったのに?」
「ウキウキなんかしていないってば。どうしてもっていうから仕方なく、本当、私がいないと買い物もできないんだから」
「ほうほう、ショッピングね。何を買ってもらったの?」
「か、買ってもらったわけじゃないしっ」
 と、乃梨子は思わずジャケットのポケットの膨らみに手をあてる。
 というか、ポケットからはみ出してリボンが見えていた。
 董子の視線が向けられる。
「買ってもらったわけじゃないとなると……」
「別にプレゼントでもないからねっ」
「なるほど」
 一人頷く董子の横をすり抜けて自室に入り扉を閉める。
 董子が来る気配がないのを確かめてから、祐麒から渡された小箱を取り出して机の上に置いた。
「何か分からないし、どうせセンスのないものでしょうけれど、私が貰ってあげないと可哀想だし。そうそう、結局クレープも食べられなかったし、その代わりと思えばね」
 誰もいないのに声に出してそんなことを言う乃梨子。
「まったく、せっかくの休みの日、一日まったりしていようと思ったのに、とんだ目にあったわよ」
 乃梨子はつづけてそう言いながらベッドに腰をおろし、両手を上に上げて伸びをし、そのまま体を回転させるようにしてうつ伏せに倒れ込む。
 顔を横に向けて机の上に置かれている小箱を見つめる。

 そして。

 顔を枕に伏せると、バタ足のように両足をばたばたと動かしたのであった。

 

おしまい

 

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