書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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【マリみてSS(笙子×克美×乃梨子)】マイフレンド

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~ マイフレンド ~

 

 

『……志摩子さん……なんで…………?』

 乃梨子ちゃんがこぼした切ない言葉の響きが胸にずっしりと重く残っている。
 志摩子さんといったら白薔薇さま、そして乃梨子ちゃんのお姉さん。あんな声でお姉さまの名を呟いたこと、そしてそれまでの乃梨子ちゃんの態度や様子からして、志摩子さんとの間に何かしらただならぬことがあったのだろうとは想像に難くない。あのクールな乃梨子ちゃんが泣いてしまうくらいだから、よほどのことだったのだろう。
 気にならないわけがない。
 だけど、だからといってそこに切り込むようなことはしたくない。友達とはいえ、姉妹のこととなるとまた話は別、簡単に首を突っ込んで良いものではないと思う。
 それでも、放置するわけではない。他にもできることはあると思うから。
「――ごきげんよう」
 いつも通り、クールな表情と声で教室に姿を現す乃梨子ちゃん。周囲のクラスメイトも挨拶をするけれど、どこか一線を引いたような感じがする。
 そこへ。
「おはよう、乃梨子ちゃんっ」
「んにゃあぁぁっ!?」
「おおお……これはなかなか、思ったよりも立派なものをお持ちで……」
 こっそりと背後から近づいて抱き着き、おもむろに胸を掴むと、ほどよい触り心地と柔らかさが手に伝わってくる。
「や……ちょ、やめ……ぁ」
 色っぽい声と吐息に、ちょっとばかりドキッとする。
「あれ、もしかして感じちゃっている乃梨子ちゃん?」
「そ、そんなわけ…………」
「本当に? 体は正直だぞ、ほれほれ」
「ちょ、ホントに馬鹿……って、いい加減にしろっつーの!」
「みぎゃーーっ!?」
 あたしの腕を振りほどいたと思ったら、乃梨子ちゃんときたらその勢いでかなんかわからないけれど、いきなりあたしの両胸を鷲掴みにしてきた。
「自分の方がよほど揉み甲斐のあるもの持っているでしょうが、自分で揉んでなさい」
「そんなの、ただの変態さんだよ~」
「いきなり人の胸を揉んできた変態のくせに何を……って」
 と、そのへんでようやくクラスメイトの注目を浴びていることに気が付いた乃梨子ちゃん。もちろん、あたしもだけど。
「と……とにかく、変なことしないでよね」
 赤面した乃梨子ちゃんは、あたしの胸から手を離すと、ぷいと横を向いて自分の席につかつかと歩いて行ってしまった。
 うーん、いきなりやりすぎたかと思っていると、くいくいと制服の袖を引っ張られる。

「おはよ、日出実ちゃん、どうしたの……わわ」
 思いのほか強い力で引っ張られ、窓際の日出実ちゃんの席まで連れて行かれる。なんか、日出実ちゃんがちょっと怖いような、困惑したような表情をしている。
「どうしたの日出実ちゃん?」
「どうしたのって、それはこっちの台詞よ。いつの間に、乃梨子さんとあんな仲良くなったのよ?」
「え? あー、ちょっとしたことがあって、ね」
「ちょっとしたことって何?」
「それは……」
 日出実ちゃんに尋ねられたけれど、あの日の乃梨子ちゃんは弱っていたし、きっとそんなことを他の人には知られたくないだろう。
「あ、予鈴が鳴ったよ、席につかないと」
 タイミングよく予鈴が響いたので、あたしはそれをきっかけに日出実ちゃんからの追求から逃れる。日出実ちゃんはまだ何か言いたげだったけれど、それ以上しつこくしてくることはなかった。
 そうして始まった一週間、あたしはその後も隙を見ては乃梨子ちゃんに絡みにいった。その度にあしらわれてしまうのだけれど、以前ほど冷たく素っ気ないという感じはせず、どこか照れたようなところがある。そんなちょっとした変化がまた可愛いものだから、ついついその次も、なんて風になってしまった。
 呆れられ、怒られるかとも思ったが、乃梨子ちゃんも本気で怒るようなことはせず、またあたしもその辺は程度を見極めて絡むようにしていた。
 あたしとじゃれ合う姿(あたしが一方的にじゃれついているだけかもしれないけれど)を見て、少しずつクラスメイトが乃梨子ちゃんを見る目も変わって来たように思えた。ツンと冷たいイメージばかり先行していたけれど、意外と色々な表情を見せるし、感情的にもなるんだなって、親しみやすさみたいなのを少しでも感じてくれているみたい。

 そしてそして、週末の土曜日。
「わーい、乃梨子ちゃんと一緒に遊べるなんて、嬉しいな!」
「……あなたが、教室であまりにうるさく騒ぐから仕方なくでしょう」
 手で顔をおさえ、大きく息を吐き出す乃梨子ちゃん。確かにその通り、しつこいくらいに誘ったのはあたしだけれども、本当に嫌だったら絶対に首を縦には振らないはず、乃梨子ちゃんはそういう子だ。だから、OKしてくれたのは、ちょっとでもあたしと遊んで良いと思ってくれたからのはず。
「……まあ、この前の借りもあるし……」
「ん、なになに?」
「なんでもない。それにしても大変ね、いつもこんなに騒がしいのかしら、日出実さん?」
「えっ? あ、えと、はい、しょこたんは大体こんな感じで」
「そうなんだ……」
「でも、凄く楽しいですよ」
「ありがとー日出実ちゃん! あたしのことを分かってくれるのは日出実ちゃんよ!」
 今日もラブリーな日出実ちゃんに抱き着く。
 だけど、心なしか今日はいつもより表情が硬いというか、違和感がある。
「どうしたの日出実ちゃん、気分でも悪い?」
「え、どうして? そんなことないよ、全然」
 手をぶんぶんと振って否定する日出実ちゃんを見る限り、確かに具合が悪いとかそうゆう感じには見えない。
「それじゃ、行こうか。ほらほら乃梨子ちゃんも」
 二人の手を握って歩き出す。

 日出実ちゃんは、今日は可愛いキュロットスカートにパーカをあわせてきていて、乃梨子ちゃんはカットソーとミニスカ、ニーハイソックスの攻撃力高めなスタイル。ちなみに、あたしは珍しくパンツスタイルです。
 三人で適当にショッピングしたり、お茶したり、おしゃべりしたり、そんな、なんてことない休日を過ごす。いつもは日出実ちゃんと二人のことが多いけれど、乃梨子ちゃんが一緒だといつもとテンポや、話す内容や、足を運ぶお店が違ってどこか新鮮な感じがして面白かった。
「どう、乃梨子ちゃん、楽しんでくれてる?」
 お手洗いで乃梨子ちゃんと二人になった時、なんとなく尋ねてみた。もしかしたら振り回しているだけで、楽しんでくれていないんじゃないか、なんて不安になって。
「まあ……それなりに、ね」
 手を洗いながらそう答える乃梨子ちゃんに、ホッとする。そう言ってくれているということは、少しは楽しんでくれているということだろう。
「それよりも、私としては日出実さんに申し訳ないわ」
「日出実ちゃんに? どうして?」
 ハンカチで濡れた手を拭きながら、首を傾げる。
 すると乃梨子ちゃんは、呆れたように大きなため息をついた。
「どうしてって……笙子さんとはともかく、私と日出実さんは今までほとんどまともに話したこともないのよ? そんな私といきなり一緒じゃあ、息が詰まるでしょう」
「えー、そうかなぁ? 乃梨子ちゃん、意外と面白いし、そんなことないんじゃない?」
「おもっ…………とにかく、そういうことだから」
「うーん、それじゃあ、もっと仲良くなれるようにしよう!」
「は? って、ちょっとどこへ行くつもりなの?」
 いいからいいから、そんな風に言い聞かせてお手洗いを出ると、外で待ってくれていた日出実ちゃんの手も握って二人を連れて歩き出す。

 辿り着いた先はゲームセンター。
「三人で仲良くプリ撮ろう! えへへー」
 短絡的かもしれないけれど、こういうのが意外と効果的なんだと思う。てゆうか、あたしが可愛い女の子の写真を撮るのが好きなだけかもしれないけれど。
「ほらほら、それじゃあ日出実ちゃん真ん中ね。乃梨子ちゃんは右で」
「ちょっと、しょこたん……」
「いいじゃん、ほら日出実ちゃん」
 ぐいぐいと乃梨子ちゃんの方に押すと、困ったような顔をする日出実ちゃん。
「ご、ごめんなさい、乃梨子さん」
「私の方こそ、なんか、ごめん」
 あたしは二人からちょっと離れてお金を入れる。
「日出実さんにとっては迷惑でしょう、私なんかが今日やってきて、お邪魔虫でしょう」
「そっ、そんなことないです! ちょっと緊張しているだけで、機嫌を悪くさせたらごめんなさい」
「私は別に、むしろ私の方が日出実さんに」
「いえ、しょこたんのお友達なら私も同じですから。変な風に乃梨子さんに思わせてしまった私が悪いんです」
「――友達? 私が」
「は、はい、ご迷惑でなければ」
「……さ、撮ろっか!」
 何やら二人で話していたようだけれど、少しでも仲良くなってくれたらなと思う。まあ、難しそうならばこのプリクラを撮る時に抱き着いたりして強引にでも二人を仲良くしてしまえば、なんて考えていると。
「――日出実さん」
 乃梨子ちゃんが口を開いた。
「はい? なんですか、乃梨子さ……っっ!?」

 突然の事だった。
 日出実ちゃんの肩を掴んだかと思うと、乃梨子ちゃんはおもむろに顔を近づけて日出実ちゃんの唇を奪ったのだ。
 写真が撮られたけれど、あたしは呆然と二人のことを見ていたし、日出実ちゃんも硬直して動けない様子。
「…………は、ぁ」
 ようやく、唇が離れると、日出実ちゃんは頬を紅潮させて乃梨子ちゃんを驚きの目で見つめている。
「あ、あの、の、ののの、乃梨子さん、なんでいきなり……っ」
「――え。だって、友達だったらするんでしょう? ちゅープリ、だっけ」
「あっ」
 それは、あたしが乃梨子ちゃんに言ったことだった。
「だ、だ、だけど、あのっ」
「やっぱり、私と友達なんか嫌かしら」
「そんなことないです! た、ただ、突然のことで」
 慌ててわけわかんなくなっている様子の日出実ちゃんだが、機械はそんなこと関係なく次の写真を撮ってくる。
「あ、次」
「んっ……ふぁ……ぁ……ん……」
 またキスをする乃梨子ちゃんに、日出実ちゃんは驚きつつも素直に受け入れる。
 あたしもまた、思いがけない展開にただ間抜けにも突っ立っていたけれど、我に返ると頭がカーッとなった。
「ず、ずるいずるい二人ばっかり! あたしもちゅーする!」
 二人に割り込んで、日出実ちゃんの唇に触れると同時に、乃梨子ちゃんの唇も触れてくる。三人同時のキス。
「ちょっと笙子さん、何なのよいきなり」
「だってだって、ずるいよあたしを仲間外れにしてー」
「そういうわけじゃないわよ。ただ、私は日出実さんと友達になったから」
「じゃ、じゃあ、あたしは? あたしと乃梨子ちゃんだって友達でしょう」
「え、そうだっけ?」
「あ、ひどーい。それじゃあ、実力行使っ」
「んっ…………」
 乃梨子ちゃんの柔らかな唇を堪能していると。
「ちょ……ちょっと、しょこたん。乃梨子さんは、わ、私と、友情を深めていたんだから……ですよね?」
 日出実ちゃんに腕を引っ張られ、身を離される。
 すると今度は日出実ちゃんの方から乃梨子ちゃんにキスをした。
「は、ぁ、乃梨子さん……ん、ちゅ……」
「ちゅるっ……ん」
 しかもなんか、乃梨子ちゃんてば、舌を入れている?
 日出実ちゃんはうっとりとした表情で乃梨子ちゃんにぎゅっと抱き着いて、なんだかラブラブな感じ。
 嫉妬心がメラメラと燃え上がって来たあたしは、乃梨子ちゃんのミニスカートの下に手を入れて下着の上からお尻を揉んでやった。
「ちょ、笙子さ……んっ、はぁっ……」
 文句を言おうとする乃梨子ちゃんだったけれど、日出実ちゃんに強く抱き着かれて身動きが取れない。あたしはそれをいいことに、さらに乃梨子ちゃんのパンツを脱がせちゃえ、なんて思って指をかけたけれど。
「……っ、いい加減に、しなさいっ!」
「ぐはぁっ!」
 後ろ脚にお腹を蹴られて、その場に膝をつく。
「日出実さんも、ほら、撮影終わっているわよ」
「…………は、ぁ……はい……」
 お腹をおさえて蹲っているあたしの前で、日出実ちゃんはぽーっとした顔で頷いていた。

 

 週明け。
「おはよー、乃梨子ちゃん」
 登校途中、後姿を見かけてあたしは声をかけた。
 振り返った乃梨子ちゃんは、珍しくちょっとだけ頬を緩めた。
「ごきげんよう、笙子さん。いつも元気でいいわね」
「まあね、それだけが取り柄だから」
「…………まあ、それに私も助けられたわけだけど」
「――ん? 何が?」
「だから、私を元気づけるために週末、無理やりにでも誘い出してくれたんでしょう?」
「…………そう! そうなのですよ実は!」
「もしかして、何も考えていなかった?」
「え、いや、そんなことは……」
 週初めこそ、そういう意図があったのは確かだったけれど、それもすぐに忘れて単に乃梨子ちゃんと遊びたくなってしまっただけだった。
「はあ……」
「た、ため息つかなくてもいいじゃない、そんな」
「しょこたーん、おはようっ」
「あ、日出実ちゃん、おはよー」
 そこで日出実ちゃんが合流してくる。
 走って来たらしく、少し呼吸が荒いが、やがて落ち着いたところで日出実ちゃんはちらりと乃梨子ちゃんの顔を見る。
「お……おはよう、乃梨ちゃん」
「おはよ、日出実」
「――――え、え、ちょっと待って。なんでいきなり呼び方変わっているの!? 土曜日は今まで通りだったじゃん!」
「ど、どうしてって……友達だから」
 またも、チラと乃梨子に目をむける日出実ちゃんだが、どこか頬が赤いような。
「そうよ……友達だから、ね」
 視線を受けた乃梨子ちゃんも、何やら照れたような様子」
「な、な、なによ、二人の世界作っちゃって、ずるい! あたしも仲間に入れてよーっ」
「こ、こら笙子っ、こんな他の人もいる前で、やめなさいっ」
「あ、今、笙子、って呼んでくれた?」
「いいから、離れなさいって」
「そうだよしょこたん、乃梨ちゃんが困ってるじゃん」
「えー、日出実ちゃんは乃梨子ちゃんの味方なの!? あたしたちの愛はその程度なのっ」
「しょこたんのことは好きだけど、で、でも、乃梨ちゃんのことも……あうぅ」
「あーもう、先に行くわよ」
「ま、待ってよ乃梨子ちゃんっ」
「乃梨ちゃん、待って~っ」
 三人でもつれあうようにして学園に向かう。
 いつの間にか、乃梨子ちゃんの顔にも満面の笑みが浮かんでいた。

 

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