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ミステリー 書評

【ブックレビュー】沈黙の目撃者(著:西澤保彦)

更新日:

【作品情報】
 作品名:沈黙の目撃者
 著者:西澤保彦
 ページ数:272
 ジャンル:ミステリー
 出版社:徳間書店A

 おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 不可思議な設定度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 変な設定のミステリーに興味あり(エログロも大丈夫!)

 

■作品について

死者の遺骨で作成したというマグカップ。
それに飲み物を注いでいる間だけ、その死者の魂が蘇って交信できるという不可思議。
そんな容器を通して知る事件、人間模様。
不思議な設定をもとにした短編集。

■良かった点

ギミックが面白いですね。
超能力など特殊な設定を活かしたミステリーを描いてきた西澤さんらしいです。

死者の遺骨で作った容器。
その容器には、持ち主が飲めない飲み物だけを注ぎ、飲み物が注がれている間だけ死者の魂が蘇るという。
更に、その容器に注がれた飲み物を飲んだらどうなるのか。
そういう不可思議設定を活かして、謎解き、というよりはサスペンスかな。
特異な人間模様が描かれている。

短編集であり、5編収録されている。
そのうち4編が、上記の設定を使用した作品となっている。
最初の1、2編目はミステリーという感じだが、3編目以降は西澤さんお得意のエログロ展開が炸裂している。
いや、そこまで描く必要ある? むしろただの趣味でしょ?
と思うけれど、西澤さんが描くときはそれだけ描くからなぁ。
ただ、短編集で、初めて手に取って読んでみた人にはキツイかもしれません。

内容としては、やはり西澤さん。
え、そんなこと考える? そんなことに帰結する?
というような論理展開を見せてオチに着地してくれます。
もうこの辺の世界は、ファンには良いけれど、そうじゃない人とかには「え?」となるんだろうなぁ。
そんな気がする作品です。

ようは、西澤作品ということで。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

いやホント、エログロ描写は必要!?
物語展開的にはそこまで描写する必要ないんですけどね。絶対に。

 

 

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