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SF 書評

【ブックレビュー】時は乱れて(著:フィリップ・K. ディック)

更新日:

【作品情報】
 作品名:時は乱れて
 著者:フィリップ・K. ディック
 ページ数:383
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ディックっぽい感じ度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : ディックを読み慣れていない人にも読みやすいかも

■作品について

この町でその男の名を知らぬものはいなかった。
レイグル・ガム。新聞の懸賞クイズ“火星人はどこへ?”に、2年間ずっと勝ち続けてきた全国チャンピオンだ。
だが彼には時折、自分が他人に思えることがあった。
ほんとうの自分はいったい誰なのか?
ある日、同居する弟夫婦の子供が、近所の廃墟からひろってきた一冊の古雑誌が引き金となって、彼を驚くべき真実へと誘ってゆく

■良かった点

自分のいる世界が実は現実ではないのではないか?
物語の途中から主人公にそう思わせて夢なのか現実なのか分からなくなるような、そういうディックお得意の展開を見せてくれるのはさすが。

主人公のレイグル・ガムは新聞の懸賞クイズでずっと勝ち続けているチャンピオン。
その懸賞クイズに勝つことで賞金を得て暮らしている。
しかしレイグルはその自分の生活に疑問を持つようになってくる。
自分はなぜこんなことをしているのか。
今の自分は本当の自分なのか。

誰かに見られているような感覚。

作られた世界のような感覚。

すべてがまがい物のように見えてくる街中、そして人々。
そうした中で一つ、また一つと、違和感に気づいていく。
ちょっとしたことがきっかけで、世界に疑問を覚え、真実を知ろうと動き出すレイグル。
序盤のありふれたというか、悪く言えばあまり意味があるとも思えなかった日常描写から急展開していく終盤のキレがディックらしい。

明かされる衝撃の事実というか意外な展開というか。
序盤からちょっとずつ出される、違和感。
そういうのの見せ方も上手く、読者に考えさせるというか予想させる流れ。
ある程度、この手の本を読んでいる人なら想像つくかもしれませんが、そもそもがかなり昔の作品ですからね。
SFではあるけれど、サスペンス感覚で読めるのではないだろうか。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

やはり序盤を読み進めるのは少し大変と感じる人もいるかもしれない。
事件が起きるわけではないし、退屈と感じるかも。
そこを乗り越えた中盤以降が見せ所なのだけど。

 

 

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