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マリア様がみてる 百合CP

【マリみてSS(江利子)】イエローローズは眠らない <その6>

更新日:

 

~ イエローローズは眠らない ~
<その6>

 

 

 部屋の電気は消されている。
 だけど、カーテンは開かれているため窓から外の光が入ってきて、完全な闇とはなっていない。目が慣れてくると、室内の様子ははっきりと分かるようになった。
 今、ベッドの上で江利子と私は下着だけ身につけた姿で向かい合っていた。
 暗闇の中、窓から差し込む外の明かりに浮かび上がる江利子の肢体は、息をするのも忘れてしまうくらい綺麗だった。
 私は膝立ちの姿勢で江利子を見下ろし、ヘアバンドを外したさらさらの髪の毛を指でそっとすくい、滑らかな頬に手を添える。江利子は素直に私の手の動きにあわせ、つんと上を向いて唇をすぼめた。
「江利子」
 唇を重ねる。柔らかく、あたたかい感触が気持ちよくて、私は何回も何回も、小鳥が餌をついばむように江利子の唇を味わう。やがて、それだけでは満足できなくなると、舌を江利子の口内に侵入させる。
「……ふっ……ん」
 初め、わずかな抵抗をした江利子だったが、すぐに私の舌はその抵抗を粉砕し、江利子の口内を侵し始める。なめらかな歯茎、つややかな歯、そしておずおずと、だが次第に積極的に絡んでくる江利子のぬるりとした舌。
 これは麻薬だと思った。
 唇を離すことが、やめることが出来ない、艶美なる麻薬。
 私は、麻薬をむさぼりながら頬に置いておいた手をゆっくりと下にずらしていく。首筋を撫で、鎖骨を指でなぞり、やがて下着に包まれたバストに辿り着く。下着の上からでも、豊かな胸の感触は手のひらに伝わってくる。ブラからはみ出した部分が、美しい胸の谷間を作りだしているのが目に映る。
 しばらくの間、下着の上からそっと揉んでいたが、やがて我慢することができなくなり、私はブラの下に手を滑り込ませた。
 直接、手のひらに伝わってくる江利子の胸の感触はたまらなかった。片手だけでは物足りず、もう片方の手も同様に下着の下から直接、胸に触れる。
 まるで吸い付くような肌、ほんのちょっと力の入れ具合を変えるだけで自在に形を変化させる柔らかさ、今まで私が感じたことのない気持ちよさが、手のひらを通して伝わってくる。
「ちょっ……お、おねえさま……んっ」
 何か言おうとする唇を、再びふさぐ。
 キスをしながら両手の動きは止めない。邪魔なブラジャーをなかば強引に外すと、形の良いバストが姿をあらわにする。
「江利子のおっぱい、綺麗よ。柔らかくて、とっても気持ちいい」
 言うと、電気の消された暗い部屋だったけれど、江利子が頬を赤く染めるのが鮮明に分かった。
 私は微笑むと、江利子の左手を取って自分の胸に誘導する。
「ねえ、触ってみて、私の胸……全然、柔らかくないでしょう?私、真っ平らなのよ。女なのに、こんなに硬い胸で。だから、江利子が羨ましい。ずっと、触れてみたいって思っていた」
「あ……」
 江利子の手もまた、私のブラの下に潜り込み直に胸に触れている。こそばゆい、でも気持ちよい感覚が背筋を伝わって上ってくるような気がした。
 そう、私の胸はまるで男の子のように平たい。俗に言う『洗濯板』であった。だからずっと、他の女の子が羨ましくて、直接触ってみたいと思っていた。
「こんなに柔らかくて気持ちいいんだもの、世の男の人がおっぱい大好きなの、分かるわ。私も、クセになりそう」
 お互いの胸を撫であう。
 ゆっくりと、感触を楽しむように触りあっているうちに、二人の身体は自然と近づいていき、やがてお互いの胸が直接触れるようになった。私の肌にあたって、江利子の柔らかな胸は押しつぶされるように形を変える。
 キスをしながら、胸を軽く擦り付けるように体をもぞもぞと動かす。
 それだけで、とてつもなく気持ちがよいというのに、お互いの敏感になった突起した先端部分が触れ合うと、さらに何倍もの刺激が駆け巡ってくる。
「あ、ああ、おねえさ……すご……っ」
「や……あ、あ、これ、ヤバイ……っ」
 これで完全に、私の中の何かは弾けとんだ。
 江利子を一気に押し倒すと、勢いよくのしかかり、魅惑的なその肌に吸い付いた。しっとりと浮かんだ汗の匂いが私の鼻腔をつく。柔らかな胸の感触と、汗の味を同時に口で、舌で味わうことが出来て、私の興奮は急上昇する。初めて経験しようかというセックスを前に、私はもはや冷静でなどいられなかった。
 そう、私はずっと、女の子とセックスをしたいと思っていた。一時期はそんな自分はおかしいのではないかと、お姉さまに自らの性衝動について話したこともあった。お姉さまは、私たちくらいの年頃であればその手のことに興味を持つのはおかしくないと、好きな人が出来れば肌を触れ合いたいと思うのは自然だと言った。ただ、私の場合はその性衝動が他の人より強く、方向性も少数派だろうから、あまり広言はしないほうがいいとも言ってくれた。
 また具体的にどのようなセックスをしたいかを話したときには、「朱音は変態ね」と、澄ました顔で言われたものだった。
勿論、相手が誰でもいいというわけではない。最も好きな女性、もしくはそれに準ずる人。思う女の子は3~4人ほどいたが、そのうちの一人である江利子が今夜、目の前に現れて。これを逃す手はないというシチュエーションがあり、いつもと違う江利子の姿を見て欲情にかられた私は、江利子を抱こうと思った。
 弱っている妹の精神状態につけこんで、自分の欲望を満たそうとしている、最低の姉だった。でも、もう止めることなどできない。性欲と快感に抗えない。
「おねえ……さまっ……んっ……」

 私は獣のように、ただ本能の赴くままに江利子の身体を貪った。

 

 室内は妖艶な熱気と、しっとりとした空気に包まれていた。

 聞こえてくるのは、荒い呼吸と、喘ぐ声。

 身体を重ね、私に抱かれている最中、江利子はまるで懺悔でもするかのように、熱い吐息と嬌声とともに、自身の思いを告白していた。

「わたし……っ、はっ、蓉子が……好きだったんです……んっ」
 耳にキスをする。江利子は、耳が弱いということを今日、知ったから。

「はあぁっ!くぁ……ずっと……ずっと……あ、あ、あぁ、すす好きで……」
 左手で胸を掴む。少し、強いくらいの力を込めて。

「……一緒にいられるだけ、で……幸せだっ……た……うああっ、はあっ」
 胸の先端部分を口に含み、舌で転がす。ときに歯を立てて、軽く噛むようにして。私の肩と背中に回された江利子の手に力が入り、爪が肌に食い込んでくる。

「や、あっ……ででも、よ、蓉子は……あ、あん、うっ……蓉子が、いつも見ていたの……は……」
 わき腹を撫でながら下降し、おへそにキスをする。

「……聖……だった……ひぅ、んぁっ、わたしは……あぁ」
 下腹部をなぞり、淡い恥毛を噛んで少し引っ張る。他の肌の部分とは異なる、ちょっと強めの匂いが鼻をさす。

 妹が思いを吐露しているというのに、私はそれに応えようともせず、ただ夢中で江利子の身体にのめりこむばかりである。今は、江利子の思うことを全てぶちまけさせたほうがいいと判断した、などと格好いいことをいうつもりはない。ただ単に、初めての性体験に興奮して他のことに応じる余裕がなかっただけだ。

「わたしは、聖に……負け……た……うぁ、うぁぁっ!」
 太ももを優しくさするように、手のひらを動かす。
 江利子から発せられる言葉は、涙声になりつつあるようだった。それでも私は容赦なく、江利子を攻める。

「蓉子、は……くふうぅっ!あ、あ!私のこと、み、見てなかっ……や、あ、ンンッ」
 太ももから手をお尻にまわし、強く握る。張りのあるお尻を、ぎゅっぎゅっとこねるように何回も。
 音を立てて、太ももの内側にキスをする。

「……あ、あああ、蓉子、よう、こぉっ……!あ、あはぁああっ、くっ……ぁ」
 体を江利子の足の間に入れ、二の腕を太ももの下に入れて脚を上げさせる。さらに手を膝の裏に置いて押し上げるようにして両脚を広げる。
 私の目の前に、江利子の秘部があらわになる。
 先ほどからも、何度も私の手が、指が触れた敏感なその女性部。そこに私は―――顔を埋めた。
 唇で、舌で、指で、江利子の最も重要な部分を優しく、時には激しく攻め立てる。汗と女性の匂いが混じりあい、むせかえるようだった。
「くあっ……あ、あっ…………!!」
 切ない声を漏らしながら、江利子の体は敏感に反応する。手では私を股間から遠ざけようと、ぎゅっと頭を強く押してくるのに、両腿は私の頭を離すまいと締め付けてくるようだった。
 私は夢中で江利子を味わう。
 体を弓なりにそらせ、シーツを強く握り締める江利子。豊かな乳房は仰向けの体勢でも崩れることなく、動きに合わせるようにして揺れる。
「あっ、うあっ、ハぁっ、あぅあ、ああっ」
 意味不明な叫びを発し、痙攣にも似た動きをする。
 絶頂が近いと見た私は、さらに速く激しく、江利子を愛する。溢れ出した液体で、私の指も、顔も、シーツもびしょびしょに濡れていたけれど全く気にならない。むしろ、興奮度を最高潮にまで高めてくれる。
 敏感な部分を指でいじりながら、私は舌を今までより奥深くにぐっと差し入れた。

 瞬間。

「―――――――――――――――――――っっ!!」

 江利子は背中を反らし、今までで一番激しく体を震わせ、声にならない悲鳴をあげた。ぴくぴくと震える体、切れ切れの息。そして、江利子の体は力を失った。

 

 息も荒く、江利子は意識も朦朧としているようだった。私は江利子が達した後も、余韻を楽しむかのように秘所を味わっていた。その度に、無意識にであろうか、江利子の体は反応する。
 そっと顔を離し、今度は逆行するかのように股間から下腹部、お臍、胸という順番に上っていくようにして、江利子の体を愛でてゆく。熱く、汗に濡れた江利子の肌と自分の肌を触れ合わせるのが心地よい。
 やがて顔までたどりつくと、瞳を閉じてまだ少し荒い息遣いの江利子に口付けをして、私もぐったりとして体を預ける。

 満足して私は江利子の顔を見つめる。
 しかし、満足した中にも私は一つの疑問を感じる。

 私に抱かれながら、自らの気持ちを告白した江利子。溜め込んでいたものを吐き出すことにより、少しは気も軽くなっているかもしれない。

 でも。

 

 江利子は本当に、全てを吐き出したのだろうか―――?

 

 

その7へつづく

 

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