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ノーマルCP マリア様がみてる 祐巳

【マリみてSS(祐巳×祐麒)】XX宣言 <おまけ>

更新日:

 

「俺……本気で祐巳のことが好きなんだ。だから……俺と付き合ってくれないか?」

祐麒の言葉が耳を通って心に落ちていく。
夕焼けに染まる空を背景にして、二人きりの観覧車内、そんなシチュエーションで祐麒の口から出た言葉に、祐巳の呼吸が一瞬、止まる。
時間の経過がゆっくりに感じられる。
どう、反応するのが正解だろうか。
そんな風に考えていたところで。

「――――っと、これで、文句ないだろう? きちんと告白もしたわけだし、恋人同士という設定にも真実味が出たってもんだろう?」

軽く笑いながら祐麒が言った。
祐巳は内心でため息をつく。

結局、これか。

本当にヘタレだなぁ、と思う。
小さい頃はあんなに強気だったのに。
祐巳は、幼い頃の記憶を思い出す。

「おおきくなったら、おねえちゃんをお嫁さんにしてあげる!」
祐巳のことをまだ”おねえちゃん”と読んでいた頃、無邪気に祐麒はそんなことを宣言していた。<br>
「ええー、だめだよそんなの」
「えっ、だめなの?」
しゅんとうなだれる祐麒。<br>
「うん。でも、あたしのおむこさんにならしてあげてもいいよ」
「えーっ、なんで」
「いやなの?」
「およめさんのほうがいいなぁ」
「それじゃあ、ゆうきが男らしくなったら、およめさんになってあげる」
「ほんとう? じゃあ、男らしくなる!」

などと言っていた祐麒はどこに消えてしまったのか。
そのくせ、変なところは男らしくなってきている。
主にエッチな方面で。

祐巳は家ではラフな格好でいることも多い。
ショートパンツ、首周りの緩いシャツ、ノースリーブ。
下品にならないレベルで、露出度を少し高くしている。
すると祐麒の視線がお尻や、太ももや、胸や、脇などに吸い寄せられてくるのがわかる。
さらに、ひっついたりしてスキンシップを図ると、分かりやすく反応もする。
嫌がっている言動を見せるが、顔が赤くなっているのを祐巳は知っている。

「……これじゃあやっぱり、およめさんは無理かな」
ぼそりと呟く。
観覧車を降りた後、祐麒の耳には届かなかったようだ。
男らしさは不合格だけど、それでもデートは楽しかった。
差し引きでいえば、ちょっとプラスか。最後の観覧車での告白、冗談としなければもっとプラスだったけれど、それでもまあ合格点はあげよう。
隣を歩く祐麒との距離をちょっと詰め、その手を握る。
「へへ、まあ、さっきので一応、正式に"恋人同士"になったわけだしね、ご褒美」
驚く祐麒に言う。
幼い頃は手を繋ぐなんて簡単だったのに、今は難しい。
それでも。

「う、うるせーな」

照れを隠すように口をとがらせている祐麒を見て笑いながら、祐巳は祐麒の手を握る力をちょっとだけ強めたのであった。

 

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