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ミステリー 書評

【ブックレビュー】教室に並んだ背表紙(著:相沢沙呼)

更新日:

【作品情報】
 作品名:教室に並んだ背表紙
 著者:相沢 沙呼
 ページ数:296
 ジャンル:ミステリー
 出版社:集英社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 優しくなれるかも度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 多感な青春時代を送っている人

■作品について

寂しくて、迷ってしまったときは“物語”を読んで―。
図書室を舞台に、“読書”との出会いで変わっていく少女たちの心模様を描く、全六篇の連作短編集。
図書委員のあおいはある日、苦手な同級生を図書室で見かける。
本に興味がないはずの彼女が、毎日来るのはなぜだろうと疑問を抱き…。「その背に指を伸ばして」。
読書嫌いのあかねは、本を読まずに読書感想文の宿題を終わらせたい。
偶然クラスメイトが捨てた下書きを見つけて、それを利用しようと奮闘するが…。「やさしいわたしの綴りかた」ほか、全六篇を収録。!

■良かった点

図書室を舞台にした、多感な女子中学生たちの今を描いた物語が6つ。
連作短編集であり、最後の一編を読んだところでちょっとした仕掛けも。

主人公はどれも中学生の女の子。
図書室が舞台だからといって、誰もが本好き、読書好きというわけではない。
課題のために仕方なく図書室に来る子。
図書委員になってしまったので来ている子。
逃げ場所を探して図書室までやってきた子。

学校というのは誰もが楽しいわけではなく、苦しい場所でもある。
閉じられた空間、決まった人間関係、それが同じクラスで最低1年間、同学年なら3年間続くわけで。
うまく人間関係を作れなかったり、そもそも集団生活が苦手だったり、馴染めなければ辛く苦しい時間となる。
そこまでではなくても、大なり小なりあるはずで、そういう実際にありそうなことを背負った少女たちが描かれている。

少女たちに関わるのは、図書室にいる司書の先生。
ずかずかと踏み込むわけではなく、かといって放置するわけではなく、図書室を、本を通して少女たちに関わっていく。
図書室や本が問題をすべて解決してくれるなんてことはない。
それでも、ちょっとしたきっかけになったり、一歩を踏み出すことを思わせてくれたり、そういうことが出来たらいい。
そして、実際に少し変わる少女たち。

不安や悩みを抱えつつ、少し希望を抱けるような話。
同年代の子が読んだら、共感を得られるのかも。

単なる少女たちの不安や悩みを描いた作品で終わらせない仕掛けがあるのは、相沢先生らしい。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

完全に問題解決!

 という話ではないので、完全ハッピーエンドを望む人にはちょっと物足りないかも?
でもまあ、これはこれで良いのでは。

 

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