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ノーマルCP マリア様がみてる 三奈子

【マリみてSS(三奈子×祐麒)】もうひとつのイエスタデイ <後編>

更新日:

 

~ もうひとつのイエスタデイ ~
<後編>

 

 

 大学の午後の講義が終わった夕方、沙紀は、さて、これからどうしようかと考えながら歩いていた。隣を歩いている、友人のまことと遊びにでも行くか、サークルに顔を出すか、真っ直ぐに帰るか、それとも祐麒でも誘うか。
 前回のラブホの件から少し日が経つし、祐麒の意識があるときに、本当にセックスしておいた方が確実だし。あの日以来、祐麒は沙紀とはどうにか距離を置こうとしているようだが、突き放すこともできないでいる。だから、沙紀が押していけば結局のところ、断ることなど出来ないに決まっている。
 三奈子もこの二、三日見かけない。諦めてすごすごと尻尾を丸めているか、逃げ出してしまったか、いずれにしろ気にする必要などない。敗者は去るのみ、ヒロインは沙紀一人で良いのだから。
 さてそうなると、祐麒を呼びださねばならない。校舎を出て携帯を取り出す沙紀だったが、その時、沙紀のことを見つめる視線に気がついた。
 沙紀は俯いて顔を隠しながら薄く笑い、携帯電話をポケットにしまう。顔をあげて、改めて表情を作る。 「何か御用ですか、築山先輩」
「うん、少し時間いいかな、雪代さん」
 沙紀は頷き、まことに別れを告げると、三奈子の後について歩いて行く。
 案内されたのは、大学の図書館の脇を抜けて進んだ先にある、デッドスペース。何があるわけでもない場所で、当然のように人の姿はない。
 立ち止まって振り返る三奈子を、沙紀は真正面から見つめて、軽く首を傾ける。今さら現れて、何をしようというのか。
「ええと、それで、なんでしょうかお話って?」
 夕方、まだ日が落ちるって程ではないけれど、徐々に暗くなっていく空。昼の残照を浴びて、三奈子のポニーテールが揺れる。
「雪代沙紀さん、10月4日生まれの天秤座、18歳、血液型はAB型。ご両親とお婆さま、妹さんの5人家族で、ペットは犬の玄太郎」
「――は?」
 突然、三奈子の口から語りだされた沙紀のプロフィール。
 体の前で腕を組んだまま、三奈子は続ける。
「福島県生まれ、小学生の時は書道部、中学生の時はバレー部、高校生の時は美術部に所属、大学入学を機に上京して一人暮らしを始める」
「な、なんなのよ一体、どういうつもりですか、人のプライバシーを」
「これくらいなら、卒業アルバムでも分かるでしょう。でもまあ、確かに余計なことを言っても仕方ないし」
 三奈子は右手の人差し指を立て、頬に当てる。
 沙紀は険しい目をして、三奈子を見つめる。
「雪代さん、あなた、中学生のころから随分と派手なことをしていたみたいね」
「……っ!?」
「初めて男性とお付き合いしたのが、中学一年の時、相手は三年生の先輩」
「な、なに、を」
 強く拳を握りしめ、三奈子を睨みつけるが、動揺は隠しきれず言葉がうまく出てこない。
「その後、高校卒業するまで何人の男性とお付き合いしたかは知らないけれど、少なくとも三人の男性と肉体関係があることは分かっている」
「は? て、適当なこと言わないでくださいよ」
「えー、ガソリンスタンドでアルバイトしていたY先輩、プーさんのMさん、N大学のKさん」
 すらすらと話していく三奈子に、さすがに沙紀の顔色も変わる。
「あと、おじさま達からお金をもらって、いわゆる援助交際的なこともしていたようで、感心しないわね」
「ちょっと……一体、なんなのよ、あんた」
 沙紀の口調が変わる。
 だが三奈子は、ひるむ様子もなく続ける。
「ふふーん、私は築山美奈子、リリアン女学園新聞部の元部長にして、当大学新聞部のエース。二、三日もあれば、これくらいの取材は楽勝よ」
「ま……さか。私の地元にっ?」
「雪代さん、お付き合いする殿方や、お友達はもう少し選んだほうがいいと思うわよ。こんな風に、簡単に私に話してくれちゃうなんて、ねぇ」
 にこやかなまま、諭すように言う三奈子。
 沙紀は言葉もなく体を震わせていたが、やがて、顔をあげて三奈子に指をつきつけた。
「ふんっ、それがどうしたっていうのよ。だからって、私が福沢くんに抱かれたっていう事実は変わらないし。昔がどうとか、関係ないじゃない」
「でも雪代さん、あなた、祐麒くんにヴァージンを捧げたって言っていたわよね。祐麒くんもそれを信じたってことは、何らかの痕跡を祐麒くんに見せたのでしょう。それは、絶対にあり得ないことなのに。本当は、祐麒くんとは何もなかったんじゃないのかしら?」
「そっ、それは、でもだからどうだってのよ! 肝心なのは、福沢くんが何を信じるか、でしょう!?」
「そうね」
「今さら、遅いんだから。それに、ふん、覚えていなさいよ、個人情報保護とか、プライバシー保護とか、問題あるんだからっ」
 沙紀は、それだけ捨て台詞を吐いて、去っていった。走っていかなかったのは、沙紀なりのプライドか。
「今さら遅い、ねぇ」
 三奈子は腰に手を当て、何とも言えない顔をして息を吐き出した。
 そして、横に顔を向ける。
「聞いていたかな、祐麒くん?」

 

 三奈子の声を受けて、祐麒は身じろぎした。
 午後一の講義を終えた後、安奈に呼び出された。午後二の講義をサボる羽目になってしまうが、三奈子との連絡はつかず集中もできないので、構わなかった。
 大学の食堂で、安奈と特に中身のない話をしていたが、講義が終わりの時間に近づいたところで、安奈について来いと言われてやって来たのが、図書館の裏の人気のない場所。こんなところに連れてきて何をするのかと思っていたら、しばらくして他の人がやってくる気配。安奈に静かにしろと言われて聞いていると、なんと三奈子と沙紀で、しかも話している内容もなかなかに衝撃的な内容だった。
「三奈子、さん」
 足を動かし、三奈子の前に出る。
「聞いていた、祐麒くん」
 もう一度、同じことを訊いてくる三奈子に対し、祐麒は頷いてみせる。
「でも、なんで……?」
「あー、うん、まあ祐麒くんとさっきの雪代さんのこと、耳にしてね。それでまあ、本当かなって調べてみたの。祐麒くんも、困っていたみたいだし。ほら、ずっと様子がおかしかったじゃない、このところ」
 確かに困ってはいたが、三奈子に話してはいない。それとも、沙紀と一緒にいる祐麒を見て、何も言わなくとも察したというのか。
「祐麒くんは、彼女に何もしていないよ、だから、だいじょーぶだよ」
 安心させるように、三奈子は笑った。
 その笑顔に、心が締め付けられる。
「あーそうそう、電話に出られなくてごめんね? 実は福島に取材に行くときさ、駅のトイレに電話落っことしちゃって、壊れちゃって。こっち戻ってきてようやく、代替の携帯を借りたんだ」
「ったく、それならそうと、行く前に一言くらいあってもいいでしょ。おかげで、変に心配しちゃったじゃない」
「あはは、ごめん、安奈」
「三奈子さん!」
「うぉうっ、なっ、何? びっくりした」
 いきなり大声をあげた祐麒に、三奈子も安奈も一瞬、体をびくっと震わせる。
 祐麒は唾を飲み込み、大きく息を吸い込んで、三奈子を見つめる。
 自分で勝手に色んなことを考えて、混乱して、迷って、惑って、情けない自分が嫌になりかけたけれど、でもようやく大事なことが分かった。
 いや、前から分かっていたけれど、ただ甘えていただけだったのだ。
「あの、大切な話があります。聞いてください」
 そう言うと、後ろで安奈が「おおっ、ついに」という風に呟くのが聞こえたが、気にしないことにした。
 もう二度と、今回のような状況にはしたくない。そのためには、自分の気持ちをきちんと伝えておかないといけない。三奈子がどう受け取るかは分からないけれど、祐麒自身の気持ちを迷いなく、伝えておくのだ。そうすればきっと、もう二度と間違えない。
「――安奈っ、三奈と祐麒くんは?」
 どこからかやってきた蘭子と雅が、今の様子を目にして足を止める。安奈、蘭子、雅、三人の視線が祐麒と三奈子をとらえる。
 だが、ギャラリーがいたって、気にする必要はない。
 祐麒が伝えたい相手は、ただ一人。彼女にさえ伝わればよいのだから。他の誰に聞かれたって恥じることはないし、聞かれる相手が三奈子の友人であり、祐麒のためによくしてくれた先輩なら、尚更だ。
「何、大切な話って?」
 はて、といった風に首をわずかに傾ける三奈子。つられるようにして、ポニーテールが揺れる。
「あの、俺っ」
 拳に力が入る。
 三奈子とずっと一緒にいて、一緒に話して、一緒に笑ってきた。三奈子を前にしてこんなにも緊張したのは、初めてだった。
 恐怖がのしかかる。
 もし、三奈子に拒絶されたら――そんなことはあり得ないだろうと思うのに、それでも心のどこかで万が一を考えてしまう。拒絶されなくても、単なる仲の良い友人、後輩としてしか見られていなかったら。やはり、あの一緒にいた男と――
 しかし、ここで言わずして、いつ言うというのだ。どこまでヘタレなのだ、福沢祐麒という男は。
 今回のような思いを、もう二度としたくないだろう。
 祐麒は心の中で自分自身を叱咤し、とうとう想いを吐き出した。

「お……俺っ、みみ、三奈子さんのことが、す――好きなんです!!」

 直後に、「おーっ」というような歓声ともどよめきともつかないものが起こったが、今の祐麒の耳には届かない。
 顔と体が熱くなる。この熱さは、今までに感じたことのない熱さだった。
 そして、火照った体のまま三奈子を見ると。
「うわ、すっごい真剣な顔していたから、何を言われるのかと思ってたけど、なんだ、そっかー」
 よく分からないが、ほっと力が抜けた顔をしていて、あまりいつもと変化が見られなかった。
 伝わっていないのか、それとも分かった上で、別に何とも思っていないのか。
 三奈子はゆっくりと祐麒に近づいてきて、二歩ほど手前で止まる。
「びっくりさせないでよ、もう。なんだ、そんなことか」
「そ、そっ、そんなことかって!」
 告白である。
 今までの甘えた関係から脱するべく、意を決し告げた想いを、「そんなこと」だなんて、祐麒のことをそんなにも軽く考えていたのか。
 膝の力が抜けそうになる祐麒であったが。
 三奈子はいつもと変わらない、三奈子の笑顔で、力むこともなく言う。

「だって、そんなこと、とっくに知っていたし」

 と。
「……え?」
「うーん、と、一年半くらい前からかな」
 それでは、三奈子と出会ってから大して月日が経っていない頃から、ということになる。その頃から三奈子のことが好きだったのかなんて、自分でも自信がないのに、三奈子は言いきっている。
「やだなー祐麒くん、すんごい分かりやすいのに、私が気付かないとでも思ってたの?」
「え、ええと……あの、それで、答えというか返事というか……」
 予測してなかった方向に話が流れて戸惑い、とりあえず祐麒は、告白に対する答えを求めるという行動に出るしかなかった。
 すると三奈子がまた一歩近づき、祐麒の両の頬を手の平で挟み込んできた。くすぐるように指先が動いたかと思うと、急に頬の肉をつままれ左右に引っ張られた。
 今や目の前にまで迫っている三奈子が、ちょっときつい目をして睨みつけてきている。
「何、ひょっとして、それも言わなくちゃわかんないの?」
「ふぇ……?」
 ほっぺをつままれたまま、情けない声を出す。
 むーっ、と、ふくれっ面の三奈子。
「ひょ、ひょれっへ……いひゃっ!」
 頬がさらに左右に引っ張られ、のびきったところで指を放された。
 痛みに涙を浮かべそうになりながらも、三奈子を見ると。
「本当にしようがないなぁ、祐麒くんは」
 手を腰の後ろで組み、また笑っていた。
「え、じゃ、じゃあ……あれっ、でもそれじゃあこの前、安奈さん達との飲み会に来られなかった日に一緒にいた男の人は……」
「え、何それ? んー、あー、あれか! え、やだ何、見ていたの? だったら教えてくれればよかったのに。あれは、取材よ」
「取材?」
「うん、先輩のつてでね、うちの大学のOBで、三十前にして社長になったという人の取材が出来ることになって。結構有名だけど、知らない? 雑誌とかにも時々出ているよ」
「でで、でも、あんなに三奈子さんも、綺麗な格好して」
「あれ、レンタル。あの人が、着ないと取材させないってさ、爽やかなフリして中身はムッツリだったのよ。あ、それは祐麒くんも同じか」
「なんですかそれ!?」
「それより、その日の取材のこと、安奈には言っておいたはずだけど?」
「えっ、そうなんですかっ!?」
 振り返ると、安奈がなぜか親指を立てて笑っており、その隣で雅が無表情のまま、左手の指で作った輪っかに右の人差し指を抜き差しして見せていた。意味不明だ。
「えと、じゃあ逆に、俺と雪代さんが一緒にいるのを見て、何とも思いませんでしたか?」
「何かって?」
「それは、だから、俺が女の子と一緒にいて……」
「あ、何、もしかしてヤキモチやいてほしかったの? 祐麒くん、可愛いねえっ。でもさ、祐麒くんが私以外の女の子に本気になるなんて、ないし」
 何という強気、それとも、何という楽天的とでもいうのか。
 だが分かるのは、三奈子はそれを微塵も疑っていないということ。
「じゃあ、安奈さん達に、俺との付き合いのことを否定していたのは」
「祐麒くんに、正式に付き合ってって言われていたわけじゃないから」
「じゃ、じゃあ、山口さんと会った時、逃げたのは」
 そこで初めて、三奈子の表情が変わった。
「あ~、あれは、だって、妹に見られるのって、恥しくて」
 ほんのりと、顔を赤くして苦笑い。
 なんのことはない、真美と会った時は、本当に照れていたのだ。
 結局、全ては祐麒の独り相撲だったのだ。三奈子は本当に、いつも通り変わらなかったのに、祐麒が勝手に思い悩み、挙句の果てには自爆しかけた。
「三奈子さんは、俺のことを信じてくれていたんですね。その、雪代さんと、そんなことするはずがないと」
「いやー、そこまでは、どうかな」
「へっ?」
「だってほら、祐麒くんもムッツリだし、女の子に迫られたらうっかり流されそうだし。だから、そういうことがあってもおかしくないかも、とは思った」
 腕組みをして、うんうん、と頷く三奈子。
「でもね。たとえそうだとしても、祐麒くんが私のことを好きなのは変わらないし。私はそれを、知っているから」
「そ、それはさすがに、自惚れじゃあないですか」
 ちょっとだけ反撃を試みる祐麒であったが、もちろん、三奈子に通じるはずもない。
「自惚れなんかじゃないよ。だってそれは、客観的な事実だから」
 言い切られてしまうと、祐麒としてはそれ以上の反撃の言葉も見つからず、ただ赤面してしまうだけ。
 三奈子にはどう足掻いても、敵わないのだ。
 それでも、いい。
 今回の件で全てが分かり、三奈子に伝え、そして三奈子との関係をはっきりさせた。大事なのは、そのことだろう。
 結果的に今回は何事もなかったが、下手をしたら祐麒が心配していたような事になっていたかもしれないのだ。祐麒も三奈子も、全く異なった昨日を過ごしていたかもしれない、それはとてつもない恐怖だった。
 ありうべからざる、もう一つの昨日。異なる今日。離れゆく明日。
 そんなものを起こしたくないし、想像だってしたくない。
 だから、三奈子に敵う、敵わないではない。一緒にいて、手をつなぎ合っていられることこそが、重要なのだ。
「……そこのバカップル、そろそろ、いい?」
「おめでとう、三奈、祐麒くん」
「というのも、今さらな感じだけどね」
 雅、蘭子、安奈が、続けて言いながら二人に寄って来た。それぞれの表情にあるのは、二人に対する祝福の想い――などではなく、呆れであった。蘭子でさえも。
「あ……そうだ、安奈さん、あの日の三奈子さんのこと知っているって、どういうことですかっ!?」
「ん? ああ、祐麒くんを焚きつけるのにいい切っ掛けになるかなって思ってねー。蘭子は顔に出ちゃうから、教えてなかったけど」
 どうりで、大学からさほど近くもない場所にわざわざ出向いて飲み会など開いたわけだ。今考えれば、二次会の場所を取りに行った時、祐麒と蘭子を残したのも安奈達の策略だったのかもしれない。
 あの日、あの時間、あの場所に、三奈子が現れることを知っていて。そして祐麒は見事にはまったということ。
 つい、安奈に文句を言いたくなったところ、三奈子にまた顔をつかまれた。
「安奈たちに怒る筋合いじゃないでしょう、祐麒くん」
「う……はい」
「これに懲りたら、もう格好つけしいはやめること。素直に感情を出して、ね。そして、私に伝えなさい」
「は、はい」
 恥しかったけれど、祐麒は赤面しながら首を縦に振るしかない。そんな祐麒を見て三奈子は、祐麒をそっと抱きしめ、頭を撫でる。
「よしよし、本当に世話がかかるねぇ、祐麒くんは」
「み、三奈子さんに言われたくないし。とっ、ところで三奈子さんは、本当に俺のこと」
「む、また。本当に言わないと分からないの?」
「素直に感情を出してって言ったのは、三奈子さんじゃ」
「私、ずっと出してるよ。伝わらない?」
「い……いえ……」
 真面目な顔をして、困ったように眉を下げて尋ねてくる三奈子。狙ってなのか天然なのか分からないが、苦し紛れの祐麒の攻撃もあえなく潰える。
 いつだって三奈子は、楽しそうで、笑っていて、祐麒のことを引っ張って、じゃれついてきて、即ちそれこそが三奈子がずっと祐麒に伝えてきたこと。

 

「……となると、三奈子さんはいつから、俺のことを?」
 最後のあがき。
 三奈子の祐麒に対する態度や感情表現は、初めて会ったときからあまり変わっていない気がする。もちろん、電話やメールの頻度や、会う機会が増えるといった変化はあったが、三奈子自身はどうだったか。祐麒の記憶の中では、三奈子はいつでも、変わらぬままの三奈子であった。
「んー、知りたい?」
 知りたかった。自分のことばかり筒抜けのようで、なんかちょっと悔しいから。
「それはねー」
 にっこりと笑うと、三奈子は祐麒の頬に自分の頬をくっつけ、耳元に口を寄せた。柔らかな三奈子の頬っぺたが、こそばゆい。
 抱きついてきた三奈子が、祐麒の髪の毛をくしゃくしゃとかき回す。
 そして、いつもと変わらない明るい口調で、楽しそうに囁いた。

 

「……教えてあーげない♪」

 

 

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