【作品情報】
作品名:能面検事の奮迅
著者:中山七里
ページ数:278
ジャンル:ミステリー
出版社:光文社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
事件の真相の驚き度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 前作を読んで好きならいけるはず
学校法人荻山学園に対する大阪・岸和田の国有地払い下げに関し、近畿財務局職員の収賄疑惑が持ち上がり、大阪地検特捜部が捜査を開始。
ところがその特捜部内の担当検事による決裁文書改竄疑惑が浮上。
最高検から調査チームが派遣され、大阪地検一級検事の不破俊太郎は惣領美晴事務官と調査に乗り出し、信じがたいものを発見する……。
表情を一切変えることなく、原理原則を貫いて職務に邁進する能面検事、不破俊太郎の活躍第二弾。
今回は、国有地の払い下げ問題に関する疑惑が持ち上がる。
その中で検事による文書改ざん疑惑が持ち上がり、不破が調査に乗り出すことに。
事件そのものが、なんというか日本で発生した実際の問題をほうふつとさせます。
狙ってやっているのでしょうかね。
偉い人たちや関係者たちの思惑など関係なく、ただ事実だけを追い求める不破の姿勢は変わることない。
誰の言にも左右されることなく、真実を追い求める。
その姿は理想ではあるけれど、実に難しいよな。
それが出来るだけの能力がないと、絶対に無理。
更に、そこに絡んでくる岬検事。
不破とはまた異なり、老練というか、つかみどころを見せない姿で絡んできます。
岬はもちろん、彼のことです。
事件の裏にはまた異なる事件というか真実があり。
そういう展開のさせ方は中山さんらしいともいえる。
ただまあ、能面検事のキャラクターに比して、事件の展開というか真実は、ちょいと微妙かもしれない。
面白くないわけじゃないんだけど、なんだろう。
主人公は、不破の部下である惣領美晴なのだが、この美晴がずっと同じことの繰り返しで成長が見られないのが読んでいてちょっとイラつく。
不破の凄さというかを見せるための比較なのだろうけれど、いつまで繰り返すの?
感情にはしって後先考えない発言ばかりで・・・うーん。