書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

マリア様の愛読書

ノーマルCP マリア様がみてる 乃梨子

【マリみてSS(乃梨子×祐麒)】気のせい的な彼女 <おまけ>

更新日:

 

「打ちあげの幹事、ですか」
 乃梨子は目をぱちくりさせながら応じた。
「そうそう、学園祭の大成功を祝して、是非とも打ち上げをするべきだと思うのよね」
 薄い胸を張って由乃が偉そうに言う。
 別に大成功したのは由乃さま一人のおかげではありませんよ、などと大人げないことを乃梨子は言うつもりはなかった。
「分かりました、幹事をやれということですね」
「おー、さすが乃梨子ちゃん、何も言う前に分かっちゃうなんて」
「そりゃ、分かりますよ」
 驚いて目を丸くする祐巳に対し、乃梨子は当たり前のように言う。
 幹事といえば通常、年次が下の者がやるものだろう。
 そして山百合会に一年生は乃梨子一人しかいない。
 ならば、結論は自然と出る。

「場所はカラオケBOXでいいですよね。適当なお店を探して決めておきますね」
 この手の打ち上げで奇抜なことをする必要はない。
 お酒を飲むわけでもないし、ボウリングやビリヤード、ダーツなどでは苦手な人、好きではない人もいるだろう。
 カラオケは、別に謳わずとも皆で集まって、食事してお喋りするだけで、個室で防音もされているから間違いはない。
「ちょーーーっと待った乃梨子ちゃん!」
「な、な、なんですか、祐巳さま?」
 すると、いきなり祐巳が迫ってきて乃梨子の肩をがっしりと掴んだ。
「駄目だよそんな適当に選んだりしたらっ」
「え、あの、この場合の適当はテキトーではなく、適度な」
「ダメダメ、うちらホストなんだから、恥ずかしいことはできないの、ちゃんとしないと」
 由乃が人差し指を立てて詰め寄りながら言う。
「そうよ乃梨子、こういうのは下調べをいくらしてもしたりないということはないわ」
 志摩子がにこにこと笑顔を浮かべながら圧力をかけてくる。
「な、な、なんぞ?」
 三人の二年生に前方と左右を囲まれ、さすがに乃梨子もビビる。

 

「え、そう言われてもどこを調べたら困る? そうよねー、乃梨子ちゃんまだ一年生だし、よくわからないわよね」
 由乃がどこかわざとらしく言うが、リリアンの内部生である由乃たちより、中学まで公立の学校に通っていた自分の方がよほど知っていると思う乃梨子。
「それは困るわねぇ、祐巳さん、何か良いアイディアはないかしら?」
 全く困っていない笑顔を浮かべながら、志摩子がここぞとばかりに祐巳にパスを出す。
「私達は忙しいし、お姉さまたちにお願いするわけにはいかないし、あ、そーだ、ちょうど暇しているのがいるわ」
 祐巳が指を鳴らそうとして失敗する。
「あらあら、それは丁度良いわね」
「本当、それなら乃梨子も安心ね」
「ちょ、ちょっと待ってください」
 そこでようやく乃梨子は口を挟んだ。
 話の流れから、三人が何を考えているのか見えたからだ。
「あのですね、なんでそこで祐麒さんが出てくるんですか。別に祐麒さんに頼らなくても問題ないですし、祐麒さんにも迷惑じゃないですか。それにお呼びする花寺の方にヘルプをお願いするのもどうかと思いますし」
 一気に言い放つ。
 これは正論だ、間違っていないぞ。
 すると祐巳達三人は顔を見合わせた。
 どうだ。
「あれぇ~、別に私達誰も祐麒くんなんて言っていないけれどぉ?」
 由乃がニヤニヤしながら言った。
「え」
「ちょうど瞳子ちゃんが暇しているみたいだったからお願いしようと思ったけれど、そうか、乃梨子ちゃんは祐麒だと思ったんだね、それは申し訳ない。うん、確かに祐麒もこのところ暇そうで乃梨子ちゃんと会いたいって言っていたから、私が話しつけといてあげるよ」
 祐巳が頷きながら言う。
「え、ちょ」
「良かったわね乃梨子」
 志摩子が菩薩の笑みを見せながら言う。

 

「え、ちょっ、だ、騙されたーーーーっ!?」

 

 叫び、乃梨子は頭を抱えた。

「失礼ね、誰も騙してなんかいないのに」
「乃梨子ちゃんは可愛いなぁ。こんな妹ができると嬉しいなぁ」
「あら祐巳さん、乃梨子は私の妹よ」
「もーやめてくださーいっ!」

 乃梨子は悲鳴をあげた。

 

「ああもう、なんでこんなことに」
 なんやかんやとあって、祐麒と一緒に出掛けることになった当日。
 あーでもない、こーでもないと、乃梨子は着ていく服をようやくのことで決めて、鏡の前で服と髪の毛を確認し、部屋を出ていこうとして立ち止まる。
 机に戻り、引き出しの中にしまってあった小箱を取り出す。
 中に入っているのはシンプルなデザインのネックレス。
「…………」
 手にして、鏡に向かって首の前にかざしてみる。
「ま、まあ、ちょうど、今日着ていく服にあわないことはないよね」
 そう呟き、首にかけようとして手を止める。
「さ、さすがに、最初からしていったら、なんか、ねえ」
 まるで嬉々として身に付けて見せるみたいに思われてしまいかねない。
 あくまで、装飾品として乃梨子の好みというだけで、それ以外に他意はないのだ。
「ま、途中で気が向いたらしてみようかな。そんな機会、ないかもだけど」
 そう言って、バッグの中にしまう。

 

「乃梨子、そろそろ出ないとデートに送れちゃうんじゃないかい?」
 リビングから董子の声がした。
「分かってる、今から出るところー」
 返事をして、バッグを手にして部屋を出る。
 そして。

 

「……ちょっ、デートじゃないって言っているでしょー!」

 

おしまい

 

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