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エンタメ 書評

【ブックレビュー】プリンシパル(著:長浦京)

更新日:

【作品情報】
 作品名:プリンシパル
 著者:長浦京
 ページ数:544ページ
 ジャンル:エンタメ
 出版社:新潮社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 地獄へ突き進む度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 権力と暴力の渦に巻き込まれたい人

■作品について

1945年、東京。関東最大級の暴力組織、四代目水嶽本家。その一人娘である綾女は、終戦と父の死により、突如、正統後継者の兄たちが戦地から帰還するまで「代行」役となることを余儀なくされる。
懐柔と癒着を謀る大物議員の陥穽。
利権と覇権を狙うGHQの暗躍。
勢力拡大を目論む極道者たちの瘴気……。
幾多の謀略を経て、次第に権力と暴力の魔力に魅せられていく綾女。
そして、鮮血に彩られた闘争の遍歴は、やがて、戦後日本の闇をも呑み込む、漆黒のクライマックスへと突き進み……。

■良かった点

舞台は終戦直後の東京。
父親の死により望まずして暴力団の後継者となった綾女。
暴力団など嫌いで家を飛び出して教師となったけれど、幼いころからお世話になっていた一家が敵対組織に惨殺されたことにより、復讐のため一時的な「代行」として組織の頭となる。
嫌々で始めたのに、いざ動き出すと誰よりも暴力団の頭としての素質、能力を持っているという。
終戦直後ということで、民主主義になった日本で政治とヤクザは切り離せないような時代。
さらにまだアメリカも残っていてGHQも関与してくる。
もちろん、敵対する暴力団組織もある。
そんな混乱の中、大黒柱であった父親を亡くした組織を生き残らせるべく動き続ける綾女。
生き残るということは、組織を大きくしていくということでもある。
ただの暴力団では生き残れず、フロントの会社をたてて社会的に名を大きくしていく必要がある。
力だけで牛耳れる世界ではなく、政治的な能力というか嗅覚、そういったものが必要。
妖怪じみた人たちを相手にしていくわけですからね。
さらに、戦争犯罪人や捕虜として捕まっていた兄たちが帰国すれば、当然のように内部での争いも発生。
そんな世界を泳いでいく綾女。

読み始めてから、これはもうどう考えても地獄にしか辿り着かない物語だなと分かる。
綾女も、わかっていながらも突き進むしかなかったのだろう。
灼熱の鉄板の舞台の上で踊り続け、踊るのを止めたらその瞬間に全身を燃やし尽くされ舞台を降りるしかない。
そういう意味でプリンシパルなのか。
綾女も、嫌々でなったとはいえ、なったからには徹底的にやるのが凄まじい。
とにかくもう、圧倒的な勢いと力で読ませれくれる作品。
というか、一気に読み進めざるをえない力を持っている。

なぜ、どうして、こうなったのか。
それでも止まることのできなかった綾女が、悲しくも、熱い、物語。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

血みどろです。
そういうのが苦手な人はご注意。

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