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ミステリー 書評

【ブックレビュー】アリバイ崩し承ります(著:大山誠一郎)

更新日:

【作品情報】
 作品名:アリバイ崩し承ります
 著者:大山 誠一郎
 ページ数:252
 ジャンル:ミステリー
 出版社:実業之日本社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 アリバイの複雑さ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : パズル本的にトリックを考えて解きたい人

■作品について

とある地域の捜査一課に異動してきた新米刑事の住む町の商店街にある小さな時計店、美谷時計店。
この店では時計の修理だけではなく、「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。
アリバイ崩しとは即ち、時間に関することである。
であればそれに適しているのは時計屋だ。
とのこと。
事件で詰まった新米刑事は、美谷時計店を訪れて・・・

■良かった点

アリバイ崩しに特化した短編集。
収録されているのは7つの作品だが、いずれもアリバイ崩しがテーマとなっている。
アリバイ崩しを行うのは、時計店を営んでいる美谷時乃といううら若き女性。
果たして、時計屋にアリバイ崩しができるのか?

時計屋の若き女主人に殺人事件の話をしてしまうとかは小説なので置いておいて。
タイトル通り、とにかくアリバイ崩しに焦点をあてている。
短編ということもあるが、人間の心理とか、警察内の人間関係とか、そういったものはない。
更にいうなら主人公の心の内とかそういうのも殆どない。
若い女性との交流ということだけど恋愛要素もない。

問題が出題されて、それを考えて解いていく。
そういう問題が7つあって、出題者が刑事、回答者が時計屋、というパズル本的な感じ。
味気ないといえば味気ないが、ある意味割り切って読める。
文章も癖がないので、さくさくと読み進められる。

まあ、アリバイ崩しと深くとらえずにトリックを暴くと考えれば良い。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

これはこういう作品なんだという前提なので。
人間ドラマとか、警察のあれこれとか、そういうものを期待しないように。

 

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