書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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【マリみてSS(色々・ネタ)】小ネタ集11 ノーマルCPショート2

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【1】

 「えええっ、お父さんもくるの、授業参観!?」
 父の発言を聞いて亜優は、目を丸くして大きな声を出した。今は、夕食の場、家族団欒の時間。
「でで、でもお仕事は?」
「休みを取ってあるから心配しなくて大丈夫。当り前だろう、可愛い亜優ちゃんの授業参観なんだから」こともなげにいうけれど。
「ええー、やだよーっ」足をじたばたさせて反意を示すと、父が悲しそうな顔をする。
「な、なぜだ亜優。ひょっとして、これが反抗期……」衝撃を受けたように箸をとり落とす。ああ、本当に親ばかだ。
「違うよ、恥ずかしいんだよー。お姉ちゃんの授業参観のときの話、聞いたんだからーっ」
 姉の絆は、ショートカットをわずかに揺らしながら、亜優のことをキョトンと見つめてくる。
 妹の由香利は枝豆を剥くのに夢中で聞いていないようだ。お皿に枝豆がひたすらたまっていく。
「親が授業参観に来るのが恥ずかしい気持ちも分からなくないけれど、だからってそこまで嫌がらなくても」
「お父さんたちが来るのが恥ずかしいんじゃないの、お父さんとお母さんが学校でイチャイチャするのが恥ずかしいのっ!!」
 さらに大きな声で言うと、台所から母が姿を現して、笑った。悔しいけれど、三児の母とは思えない若さだ。肌の艶もスタイルも
 まあ、父は父で童顔だからやっぱり年相応には見えないし、若く見える父がちょっぴり自慢だったりするけれど、口には出さない。
「なんでー、私と祐麒くんはイチャイチャなんかしてないよー、いつも通りだもんねー?」母の言葉に無言で頷く父。
「その、『いつも通り』がイチャイチャしてるっていってるの! 子供の前で平気でキスとかしないでよっ!」
 言ってるそばから、母は父の背後から首に手を回すようにして抱きついている。小さい頃から平気で目の前でキスもしていた。
 それに、この年になっても『祐麒くん』、『三奈』なんて呼び合っているのだって、友達の家では無いって言ってた。
 小さい頃から当たり前のように思っていたことが、当たり前でないと気がついたのはいつだったか。
「亜優ちゃん、お父さんとお母さんの仲が良いのはいいことじゃない」
「なんで絆お姉ちゃんは平気な顔しているのよー」「うーん、慣れ?」亜優の問いに首を傾げて、母特製のコロッケを頬張る姉。
「亜優ちゃんなんて、まだマシよ。私なんて最初だから、そりゃもうお母さんの張り切り具合とぶっとびっぷりなんて、そりゃもう」
「うううぅ、いやああぁ」思い出す、姉から聞いたおそるべきエピソードの数々。想像するだに恥しいし、容易に想像できるのが怖い。
 今までは妹の由香利の面倒などもあり、亜優の授業参観は、父と母、両方の都合があうなんてことがなかったのだ。  しかしとうとう今年、二人の都合があってしまった。姉から聞いた光景を思い浮かべる。絶対に、友達にあとでからかわれる。
 若々しい両親は自慢だし大好きだけれど、亜優だってお年頃、他の人にラブラブ両親を見られるのは恥ずかしい。
「大丈夫よ亜優ちゃん、お母さん、絆ちゃんの時に反省したから、授業中にもう手は挙げないし、祐麒くんに抱きつくのも我慢する!」
「やーめーてー!」頭を抱える。隠そうとしたところで、絶対にばれる。何せ亜優と母の三奈子はそっくりなのだから。
 しかも今は髪の毛も揃ったようにポニーテール、こんなことなら切っておけばよかったと思うが、そもそも顔立ちがそっくりなのだ。
 一緒に歩いていると親子とは思われないくらい若く見える母は大好きだけれど、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ!
「亜優ちゃん、諦めなって。誰もが通らなくてはならない試練なのよ、これは」
「こんなの、ウチだけだよー!!」
 バタバタもがく亜優の目の前で、母は、父の頬についたコロッケの衣のカスをぺろりと舐めとるのであった。

 

【2】

うわあ、やばい、遅刻する、遅刻するっ。なんで昨夜いきなり、ためこんだお笑いビデオを見ようなんて思ったのか。
しかも、見始めたら見始めたで完全にはまり、まさかあんな時間まで見てしまうとは、いやはやおそろしいものである。
なーんて考えている場合じゃない。お淑やかに、スカートの裾を翻さず、なんて無理。ダッシュ、ダッシュ。
あの角を曲がって、それからええと……なんて思いながら曲がり角に突入すると、いきなり目の前に人影が。
こ、これはひょっとして黄金のラブコメ出会いパターンか、などと一瞬、頭によぎりながら桂はすっ転んだ。
「うわあああああっ! たっ、ぎゃぼっ!」全く可愛らしくもないうめき声が口から洩れる。
そして、呆れたような無言の視線を感じる。なんと、ぶつかる前に桂の方が勝手に転んでしまったのだ。馬鹿みたい!
「ええと、だ、大丈夫ですか?」おずおずと、その人はとりあえず声をかけてきてくれた。恥ずかしくて死んでしまいたい。
「あ、あはは、大丈夫ですっ。私、元気だけが取り柄ですからっ」笑顔を作ってその人を見てみると、どこかで見たことあるような。
「そ、そう……とりあえず、その、スカート直した方がいいですよ」と、その人は顔を横に向けたままで言う。
何事かと思えば、転んだはずみでスカートの裾がめくれ、おそらくその人の方からだとパンツが丸見え状態に!?
「ぎゃああああああっ!?」またも色気もへったくれもない叫び声をあげてしまった。だって今日のパンツ、ハ○太郎プリントパンツだ!
と、まあ、これが出会いだったわけなんだけれど。

そして今、信じられない言葉を耳にして、桂は茫然自失である。
「ああああああの、今、なななななななんとおっしゃられましたでしょうか」ガクガクと震えながら、聞き返す。
「だから、俺、桂さんが、す、好きなんだ。今さらかもしれないけど、付き合ってほしい」少し照れたような顔。
「え、でも、なんで私なんか。祐麒さんは、由乃さんとか志摩子さんが」
「だから、それは違うって。俺は、いつも元気で笑顔で、生命力にあふれている桂さんが好きなんだ」
真剣な顔で力強く言われて、桂は自然と涙があふれ出すのを止めることが出来なかった。
「嬉しい……嘘じゃないよね、私、私……」
「桂さん、好きだ」もう一度言われ、体の底から沸騰するような熱が発生する。ふわふわと落ち着かない気持ちになる。
気がつけば、ベッドの上に横になって寝かされていた。緊張した面持ちの祐麒が覆いかぶさってきて、指が、身体に触れる。
と、その時、桂は大事なことに思い至った。
今日のパンツ、ハ○太郎プリントパンツだ! そんなのいやああああああん!! 「ちょっと待って!!」
「ぐはっ!?」
まさに、桂のスカートの裾をつまんで捲ろうとしていた祐麒を防ごうと、足をとじようとしたら膝が祐麒の頭にクリティカルヒット。
白目をむいて崩れ落ちる祐麒。落ち着きのない二人の関係。きっとそれは、これから先もずっと続くのであろう。

 

【3】

いけないことだというのは理解している、だけどやめることができない。
麻薬などに手を出した人が味わうのは、こういう気分か。あるいはアルコール中毒、ニコチン中毒など。
まさか、こんな気持ちが自分の中で沸き起こるなんて、実際に体験するまでは想像もしていなかった。
契機は、ささいなことだった。契機ともいえないようなこと。
「どう、したんですか?」
優しい声が、尋ねてくる。その声に、甘えてしまいたくなるのを、こらえる。
「なんでもないですわ」
自然に笑えただろうかと、不安になる。そんな不安を抑えるかのように、そっと手の甲に温もりが加わる。
彼の人の手が重なったのだろ理解する。離したくない。だけど、いつまでも掴んでいるわけにはいかない。
自分のせいで、不幸にするわけにはいかない。地獄に一緒に落ちてもらうわけにはいかないのだ。
「俺は、後悔なんかしていませんよ」
囁くような声はごく自然で、聞き逃してしまいそうなほどで。だけど、耳に必ず残る。
そうだ、いまさら何を言おうと、どう思おうと、時間を戻せるわけではないのだ。
私は既に、何度となく彼の人の腕に抱かれ、その身体の下で淫猥な姿を晒しているのだから。
どちらが求めてきたのだろうか。いつから、そうなってしまったのか。誰に押し付けることもできない、自分自身の咎。
だけど、その罪悪感までもが、この身に、心の奥底に、えもいわれぬ感覚を与えてくる。
身をくねらせ、熱い息を吐き出し、自ら求める。あさましく、淫らで、醜悪な自分。
それを彼の人は、美しいと言ってくれる。求めてくれる。
「……貴方は誰よりも若々しく、そして美しいですよ」
耳元に吹きかけられる熱をもった囁きが、体を敏感にする。
「俺は……幸福です。清子さん」
もう一度、口にしてくれたその言葉を耳にして、心が震える。

 

【4】

予備校は同じだったけれど、大学は別々になってしまった。まあ、当り前といえば当たり前だけど。
そうそう都合のいいことなんてあるはずがない、そんなことは分かっていたのだけれど……
「え、え、えええーーーーっ!!?」思わず私は、大声をあげてしまった。
「ちょっと真美さん、落ち着いて。大きな声を出さないで」クールな瞳が見上げてくる。
「こ、こ、これが落ち着いていられますかっ」
とは言いつつも、声のトーンを落とし、周囲の様子に気を配ってから正面を見つめる。
騒がしいファーストフード店内といえど、やっぱり声の大きさに限度はあるというものですから。と、そんなことより。
「どどど、どういうことですか、典さん?」正面の席に座っている高城典さんに、私は問いかける。
「どうもこうも、私も祐麒さんと同じ大学に進学することに決めたんです。あ、学科は違いますけれど」
しれっと言い切る典さん。私の方は動揺しまくりだというのに。
「そ、そんなの聞いてないですよ。ずず、ずるいですっ」
「志望校の一つとしては挙げていたわよ。真美さんも、知っていたでしょう?」
「そ、それはそうだけど……第一志望ではなかったですよね?」
「仕方ないじゃない、第一志望は落ちちゃったんだから。二浪する余裕もないし、そこに決めたのよ」
冷静に聞けば、確かに典さんの選択は当然のことのようだけど、やっぱりずるいと思ってしまうのは私のあさましさか。
「だ、第一、私たちの協定はっ。今はまだ、私たち大学生じゃないですよね」
協定、その名も『大学生になるまでは祐麒さんに抜けがけしない協定』である。
「別に、破っていないわよ。大学を決めただけで、告白とかしたわけではないし」
「そ、そうかもだけど……ううぅ、な、なんというハンディ」
私はテーブルに突っ伏した。大学が違うなんて、距離のハンデは大きい。学科が異なるとはいえ、同じ大学はそりゃ有利だろう。
そんな私の姿を見て、典さんが大きく息を吐き出した。
「これくらいのハンディは良いのでは? もともと、真美さんが圧倒的有利な状況なんですから」
「……え、え? どど、どういう意味ですか?」飛び起きた私の顔を見て、典さんはより一層大きなため息をついた。
「……はぁ。二人とも、鈍感」

 

 

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