書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

マリア様の愛読書

ノーマルCP マリア様がみてる 菜々

【マリみてSS(菜々×祐麒)】するわけ、ないじゃない

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~ するわけ、ないじゃない ~

 

 

 授業を終えて帰途に就く。
 歩きながら正門にふと目を向けると、三年の先輩らしき生徒が門のところで待っていた他校の女子と並んで歩いて行く姿が見えた。
 男子校とはいえ、彼女がいる生徒がいないわけではない。そして、このように彼女が門で待っていることも全くないわけではない。そういう生徒は、えてして他の男子生徒から羨望と嫉妬の視線を送られることになるが、優越感を得られることに変わりはない。件の先輩も、周囲からの視線を半ば心地よさ気に浴びているように見えた。
 羨ましい話だが、祐麒には今のところ無縁の話である。いや、どうだろうか。彼女とはいえないかもしれないけれど、最近知り合った年下の女の子はいる。しかも、その女の子の家族からは『彼氏』と思われているのだ。
 自分自身はどう思っているのだろう。気になっていることは確かだし、少なからぬ好意を抱いていることも間違いない。よくメールも送って返信がくると嬉しいし、逆になかなか返信が来ないとがっかりするし寂しい。ネットワークゲームでもよく遊び、一緒にパーティを組んで冒険して、時にはオフラインで会って遊ぶこともある。彼女と一緒にいる時間はとても楽しくて、いつもあっという間に過ぎ去ってしまう。もっと、この時間がいつまでも続けばいいのにと、いつも思う。
 そこまで考えて、愕然とする。
 もはやこれって、彼女のことが『大好き』というレベルではなかろうかと。
 今まで本気で恋なんてしたことなかったからどうかと思ったが、どうやら間違いないようだ。
 そうか、自分はあの子のことがやはり好きなのだ。
 だが、下手にそんなことを口にする気にはならない。今の関係を壊してしまうのが怖い、というのもあるけれど、もしも好きだという気持ちを告白なんかしたりしたら。
『……やっぱり、私のことが好きだったんですね。そんなこと分かっていましたけれど、だって好き好きオーラが出ていましたし、いつもえっちぃ目で私のこと見ていましたもんね、先輩?』
 とかドヤ顔で言われそうだから。
 でも、告げないことにはカレシカノジョになることもできないわけで、さてどうしようかなんて益体もないことを考えながら正門を抜けたところで、シャツの裾を誰かに引っ張られた。

「――――ん?」
 振り返るとそこには。
 可愛らしいミニスカートにニーハイソックス、髪の毛はツインテール、そしてランドセルを背負った小学生女子らしき子が祐麒を見上げてきていたのだが。
「え…………菜々ちゃん?」
 格好こそ小学生みたいだが、間違いなく菜々だった。祐麒は当然のように首を傾げ、疑問の声をあげる。
「なんだ福沢、お前の妹?」
 近くにいたクラスメイトに問われ、祐麒は困る。なんと説明したものか。
「いや、この子は……」
「わたしは、ごしゅじんさまの"にくどれい"です」
 菜々の口から紡ぎ出された衝撃的な言葉に、周囲が凍りつくのを感じた。
「ちょっ!? 菜々ちゃん、何を言って」
「ごしゅじんさまぁ、今日は菜々にどんなお仕置きをしてくれるんですかぁ? 菜々、ごしゅじんさまにお仕置きされることを考えるだけで……からだが熱くなっちゃいます。昨日もたくさん、ごしゅじんさまから白いのをかけていただき、ありがとうございました」
「こら待て待て待て! 何とんでもないこと口走ってんの!?」
 菜々の両肩を掴んで揺らすと。
「――えへへっ、ごめんねだぁりん、ちょっと調子にのっちゃった。でも、そーゆーぷれいをしよう、って言ってきたのはだぁりんだったでしょー。まあ、菜々も楽しかったし、だぁりんも菜々で気持ち良くなってくれたから、嬉しいけど」
「だあぁぁぁぁぁっ!? もう、喋るなぁっ!」
 慌てて祐麒は菜々を背後から抱きしめて手で口をふさごうとしたが、ランドセルに邪魔をされて予定していたよりも下部、即ち菜々の薄い胸部をおさえてしまった。
「あん……もぉ、せっかちなんだから。これから帰って、すきなだけしていいのに」
「福沢…………お前……」
 クラスメイト、および周囲の他の生徒達から何やら変な視線を感じる。
「のおおおおおぉぉぉっ!? 違う、これは違うぞ!」
「お前、そんな小学生にいかがわしいことしてるのか……へ、変態ロリ……」
「違うって! 俺はロリコンじゃない! この子は」
「そうですよ、わたしだって来年には最上級生になるんですから、だぁりんはろりこんなんかじゃないですぅ」
 この菜々の一言によって。
 祐麒の名は地に落ちた。

 

「あぁ……終わった……明日から俺には『ロリ』の烙印が押されるんだ……」
「先輩、それは違いますよ」
「ん?」
「きっと、もう今日から囁かれてますよ。先輩は女子小学生、即ちJSを手籠めにした変態ロリ野郎だということが」
「うがああああああああああっ! 全部菜々ちゃんのせいでしょうが!?」
 絶叫する。
 ここは有馬家、菜々の部屋。
 学校でランドセルスタイルの菜々にとんでもないことを口走られ、そのまま留まっていても事態を悪化させるだけだと悟った祐麒は、菜々の小さな手を握って駆け出しその場から逃げた。そしてようやくのことで菜々の家に辿り着き、こうして荒い呼吸でいまだランドセル姿の菜々に大声をあげて迫っているわけである。
「――ちょ、菜々、ランドセルプレイ? 福沢くんって、そういう趣味だったの?」
 開いていたドアから菜々の姉、瑠々が目を丸くして覗き込んでいた。
 立ち上がり、無言でドアを閉めて姉の視線をシャットアウトする菜々。ついでに、ようやくランドセルを下ろしてくれた。
「大体、なんでそんなわざわざランドセルを出して、あんなことしたのさ?」
「だって、祐麒先輩、私のこと幼児体型で色気がなくて子供っぽくて、まるでまだ小学生みたいだって言って笑ったじゃないですか。だから、その通りにしてみせたんです」
「う……」

 確かに先日、二人でオンラインゲームをプレイしている時にチャットでそんなことを言ってしまった記憶がある。顔が見えないという気楽さもあり、つい調子に乗ってしまったのだが、菜々の方はそれを根に持っていてやり返しに来たというところか。
「だからって、あれはないだろ……」
「そこまで落ち込まなくても、いいじゃないですか。それともまさか……誤解されるとまずいような殿方でもいるとか??」
 なぜか目をキラキラさせながら訊いてくる菜々。この辺は腐ったオーラがぷんぷんと漂ってくる。
「やっぱ、ちょっとゴツイ感じの先輩ですかね? 嫉妬に狂ったその先輩は、いつもより激しく祐麒先輩を攻めたて……おおう」
 何やら祐麒で変な妄想をしているのか、菜々の表情がにやける。いつもこんな風にからかわれてばかりだし、弄ばれているような気がする。たまには、逆に菜々のことを慌てさせてやりたいものだ。
「……そうだ。それなら、いっそのこと事実にしちゃうとか」
「は? 何がですか」
 ベッドに腰をおろし、足をぷらぷらさせていた菜々が視線を向けてくる。
「菜々ちゃんが学校で言ったことを、事実にしちゃえばってことだよ。それに菜々ちゃん言ったよね? 帰ったら、好きなだけしていいって」
 にやりと、できるだけ悪っぽい笑みを浮かべて菜々に目を向ける。
「別にいいですよー? 何するんですか?」
 全く信じていないのであろう、菜々は余裕の様子でそんなことを言っている。祐麒は無言で立ち上がり、菜々を見下ろす。
「なんですか?」
 微妙に違う雰囲気を悟ったのか、菜々がわずかに距離を取るように身を動かしたが、祐麒は素早く菜々の肩をつかんでそのままベッドに押し倒した。
 見上げてくる菜々と目があう。
「あんまり男をなめていると、いつか酷い目にあうよ? 力では、男にかなわないんだからさ」
 わざと、少し凄んでみせる。肩をつかんだ手に力を入れると、痛いのか菜々はわずかに顔を顰めた。
「――酷い目って、どういうことですか?」
「菜々ちゃんが、さっき学校で口にしていたようなことだよ」
「できるんですかー、祐麒先輩に?」
 余裕を見せているのは、ヘタレな祐麒は結局何もできないだろうとタカをくくっているからに違いない。それは間違いではないかもしれないが、馬鹿にされ続けているわけにはいかないし、菜々にもっと危機感をもってもらわないといけない。祐麒以外の男だったら、どうなるかわからないのだから。
「できるさ。後悔するなよ?」
「っ!?」
 シャツの裾を握ると、びくっと体を震わせる菜々。だが、まだ余裕こいているのか抵抗する素振りは見せない。そろりと上げると可愛らしいお臍が姿をみせる。それでも動こうとしないので、さらにシャツを捲っていく。さすがに下着が見える頃になれば抵抗するだろうと思いつつ、ゆっくりと捲り上げる。お臍から徐々にあばら骨のあたりが見え始め、さらに肌の露出が高くなっていくが、なかなか下着が見えてこない。こんなに上の方だっただろうかと思っているうちに、ごく僅かな膨らみが目に入る。
「――――って、なんでノーブラなんだっての!?」
 慌てて握っていたシャツの裾を引き下ろして菜々の肌を隠し、体を離す。菜々がゆっくりとベッドに手をついて上半身を起こし、深海にすみついて動かない海鼠のような目をして祐麒を見つめてくる。

「…………ほぅら、やっぱり」
「そ、そうじゃなくて、なんでノーブ……あ、危うくみられるところだっただろ!?」
「どーせ私は小学生並の幼児体型ですしー、実際、あんま必要を感じないですもん」
 横を向き、拗ねたように口を尖らせる菜々。なんだかんだいって、気にしているのだ。
「だからって、何も抵抗しない理由にならんだろっていうかむしろ抵抗しないと駄目じゃんか!」
「ふふん、先輩自身のヘタレ具合を逸らそうとしているのですか? 甘いですね」
「そうじゃなくてだからそういうのが危な……」
 言いながらも。
 菜々のシャツの胸の部分、ほんのりとぽっちりと膨らんだように見える部分に目がいってしまい、だからといって視線を下げると、じたばたと動かしている脚はミニスカートの裾をひらひらと揺らし、下着が見えそうで見えない危険な感じ。
 この無防備さ、いくら相手が祐麒だからとはいえ、油断しすぎではないだろうか。目のやり場に困ってしまう。
「………………っ」
 すると、不意に菜々の動きが止まった。
 目が見開かれ、顔がみるみるうちに赤くなっていく。その菜々の目の先を追いかけてみてみれば。
「うわぁっ!? いや、これは、違うよ、って!?」
 慌てて股間を隠そうとしたが、両手首を素早く菜々によって掴まれて防がれる。
「ふおぉぉ……こ、これが……は、初めて見ました、男性の生もっこり……」
「いやいやいや菜々ちゃん!?」
「この前おしつけられましたけれど、目にするのは初めてです。ふぉ……ま、漫画とかで見るのはデフォルトされたものだとばかり思っていましたが、本当にこんな……膨らむものなのですね」
「や、やめてーーーーっ」
「ふ……こんなにして、私のことを幼児体型とか小学生とか言っておきながら、欲情したわけですか?」
「仕方ないだろ、菜々ちゃんみたいに可愛い女の子の胸ポチ見せられたり、スカートの下の太腿をチラチラ見せられたりしたら、男ならこうなるっての!?」
 ぴたり、と再び動きが止まる菜々。

「ちょっ……い、いつの間に人の見てんですか!?」
「って、気付いてなかったのかよ!? ノーブラでそんな薄っすいシャツ着たり、そんな短いスカートでそんな格好で足をじたばた動かしたりしたら、見えるに決まってるだろ!?」
 ちらり、と自分の姿を見て。
「ふわああああぁぁぁっ!? なんたるエロ男爵!?」
 胸を右腕で抑え、左手でスカートの裾をおさえる菜々。
「……マジで気が付いていなかったのか…………」
「ううううう迂闊でした、今までは『見えそうで見えない』一線を守って祐麒せんぱいの視線がちらちら向けられるのを気が付かないフリして内心は『はぁ、これだから男子ってのは。視線が向けられているの、気が付いてないとでも思ってるですかねぇ。ま、可愛いもんです』と、余裕でせせら笑っていたのに!」
 赤くなって身を震わす菜々だが、口に出していることは結構酷い。というか、バレバレだったのか。
「と、とりあえず着替えますんで、部屋を出てください」
 一旦、部屋を追い出されて再び中に入ると、先ほどと変わっていない菜々がいた。
「……下着をつけました」
「あ、そうか。ごめん」
「いえ……」
 なんとなく気まずくなった中、床に置かれたクッションに腰を下ろす。ベッドに腰掛けている菜々の太腿とスカートの奥に目がいってしまうのは条件反射だ、仕方がない。と思っていると。
「――そんなに見たいんですか? じゃーん!」
「ちょっ、馬鹿、何してんだっ!?」
 菜々は何を考えているのか、立ち上がるとスカートの裾をつまんで自ら捲り上げた。咄嗟に手で目を隠すが、指の隙間から覗き見てみると。
「えへへーっ、残念、短パン穿いてましたー」
「いや……」
 確かに菜々は短パンを穿いていたが、短パンというよりかなりミニのショートパンツといったところで、スカートを自ら捲っている姿ともあわせて、なかなかに健康的なエロさが滲み出ている。
「どうしました~、顔が赤いですよ。ふふ、私のようえんな脚線美に魅了されましたか? もしどうしてもと希望されるなら、太ももにキスくらいさせてあげますよ?」
「じゃ、じゃあお願い」
「――――え」
 思わず即答していた。
「あ、いや、今のは――」
「いいですよ、別に、できるものなら、どうぞ」
 自分の言葉を打ち消す前に、頭上から菜々の声が降ってきた。先ほどと同じ、どうせできっこないだろうという思いがこめられた声に、祐麒もまたカチンと反応してしまう。
「それじゃあ、遠慮なくいくぞ」
「どーぞどーぞ」
 スカートを両手で持った菜々の両足に手を添え、顔を近づける。
「…………っ」
 菜々が息をのむのが分かる。
 細くしなやかな太ももは、おそらく剣道で鍛えられているのだろう、適度に締まっていて適度に柔らかい。すべすべで手触りが良く、もちもちとしている。
 おそらく菜々の顔は真っ赤になっているだろうが、祐麒とてそれは同じで、とても顔を上げられない。

「は……はやく、するならしてください」
「あ、ああ、そのためにはもう少し、足を開いてくれないか」
 無言で、僅かに足を開く菜々。その間に顔を入れ、足の付け根に唇を近づけていく。傍から見たらただの変態だろうが、今の祐麒は真剣だった。
「……ぺろ」
「うっきゃあああああっ!? ななな、なんで舐めるんで……っ」
「ちゅ……」
「ひっ……ん……」
 ぷるぷると震え出す菜々。
 祐麒は、どんどん自分が暴走し出していくのが分かったが、止められそうも無かった。太腿を掴んでいた手を少しずつあげてゆき、ショートパンツに包まれたお尻を撫でる。先ほどとは反対側の足の付け根に唇を動かし、吸う。
 更に、ショートパンツの隙間に舌を差し入れようとして。
「――――菜々、ジュースのおかわり持ってき」
「首相撲からの膝蹴りーーっ!!!!」
「おぶぅっ!!!?」
「――何でムエタイしてんの?」
「あは、あははっ、あれ、瑠々姉どうしたの?」
「ひ、ひでぇ…………」
 菜々の膝をもろにくらい、祐麒はそのまま崩れ落ちた。

 

「ううぅ、酷い目にあった」
「自業自得です」
「そ、そうか? いや、だって菜々ちゃんが」
「私が、なんですか?」
「いやすみません、俺が全面的に悪かったです」
 途中まで送られながらの、菜々の家からの帰り道。いまだズキズキと痛む顔面を撫でながら、祐麒は歩いていた。
「本当、祐麒先輩はえちぃですからね、油断も隙もならねーです」
 後ろ手を組み、偉そうに歩きながら言う菜々。
「いや、つーかさ。真面目な話、あーいうことしちゃダメだよ、菜々ちゃん」
「ほえ?」
「だからさ、誰も彼も俺みたいに我慢強いわけじゃないし」
「ヘタレなだけですよね?」
「う……と、とにかく、女の子なんだし、もっと自分を大事に、慎ましくしないと」
「…………誰にでもするわけないじゃないですか」
「ん、何か?」
「なんでもないですよー」
 なぜか不機嫌そうな菜々に、祐麒としては肩を竦めるしかない。まあ、痛い目にはあったがそれに見合う良い目も見たから良しとしよう。むしろ、冷静になればあんな変態的なことをしたのに、これくらいですんでいるのが不思議なくらいだ。
 それだけ菜々も祐麒に気を許してくれているということだろうし、もっと関係を進めることだって大丈夫かもしれない。
 ちらりと、頭一つ小さい菜々に目を向ける。
「――――なんです? 視姦するような目で私のことを見て」
「なんでも、ないよ」
 それとも、今のままの方が良いのか。
 並んで歩きながら、考える祐麒だった。

 

 

おしまい

 

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