書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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【マリみてSS(色々・ネタ)】小ネタ集24 ノーマルCP<未来2>

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~ The story of one future ~

夢にまで見たはずの結婚式だというのに、なぜ、こんなことになったのか。
いや、結婚式自体は問題なかった。
確かに身長差というものはあったけれど、そんなのは些細なことだし昔から分かっていた。
似合わない、なんていわれかねないウェディングドレスを身につけ、一生の愛を誓い合った。
信じられる、愛すべき相手との、幸せな瞬間。しかし、今、この二次会の場では。
「きゃー! 格好いいっ! 令さまこっち向いてーー!」
「わー、可愛い新婦さん! 照れている姿がいいわよねー」
外野からの声に、引き攣った笑顔で応じる。
何せ、タキシードを着ているのが新婦の令で、ウェディングドレスを身につけているのが新郎の祐麒なのだから。
これでは罰ゲームだ。
二次会の仕切りを任せた由乃と小林にそれぞれ引き連れられ、渡された衣装がこれだった。
拒否したものの、由乃だけでなく他の人たちにも取り押さえられるようにして、無理矢理に着せられた。
令はミスター・リリアンと呼ばれていたくらいだし、一時期伸ばしていた髪も今はさほど長くなく問題ない。
一方の祐麒も、成長したとはいえ可愛らしい顔に変わりはなく、衣装と化粧で見事に可愛い花嫁姿。
実のところ、祐麒の花嫁姿を見てドキドキして、萌えたのは秘密だ。
「な、なんで結婚してまでこんな目に遭うんだ」
「ま、まあまあ、みんな喜んでくれているし」
落ち込みがちな祐麒を、どうにか慰めようとする令。
昔からよく男女間違われたし、嵌められて男女交換した格好で外出させられたりもした。(しかもバレなかった)
それがまさか、結婚して尚、ネタにされるとは。なんかおかしくなって、令は笑ってしまった。
「わ、笑わなくてもいいじゃないですか、もう」
拗ねた表情がまた、可愛らしさに拍車をかけていることに本人は気がついていないのだろう。
「いいじゃない、祐麒くんが男らしいっていうのは、私がよく知っているんだし」
今くらい、笑われたっていいじゃないか。皆が笑いながら祝福してくれているのだから。
「ね、私の可愛い花嫁さん」
またまた真っ赤になる祐麒くん。
「新郎ー、キスしろ、キスっ!」
歓声があがる。この新郎とは、令のことなのだろうなと考えて。
令は、真っ赤な顔をした可愛い花嫁姿の旦那様に向けて、そっと唇を近づけるのであった。

 

~ The story of one future ~

私の撮った写真も、大分と有名になってきた。まあ、まだまだ業界の中では、というレベルかもしれないが。
それでも実際、前に出した数々の少女達をおさめた写真集は、かなりの売り上げをあげている。
ただ、写真の腕前を認められてなのか、それとも美少女達に目が眩んだ人のおかげなのかは分からないが。
仕事が落ち着き、髪留めをはずして手で髪を梳く。随分と長くなった髪は背中まで達しており、
そろそろ切りに行かないと、と思う。
眼鏡の位置を直し、腰を伸ばしたところで声をかけられる。
「蔦子さーん、そろそろ行きますよー」
スタッフの声に、手を上げて応じる。今日は雑誌のグラビア撮影だ。
「しかし蔦子さんがグラビア撮るの微妙なんですよね。だって、下手な子より綺麗でスタイルいいから」
「お世辞言っても無駄よ。若い子には敵わないし」
「いやいや、大人の女性として完成されていますから。被写体が自信なくしちゃうこともあるから」
言いながら、少し鼻の下をのばして私のことを見つめてくるスタッフ。
ボーダーのキャミソールにクロップドパンツという格好は、ちょっと露出度高かったか。
髪の毛を後ろで纏めながら、私は歩を進める。
「蔦子さん、今日の仕事の後とか予定あります? よかったら美味いもんでも食いに行きません?」
スタッフが、誘ってきた。純粋な好意かもしれないが、まあ下心込みだろう。私は笑顔を向けた。
「そうですねえ、そういえば私最近、若い子の写真撮るのにはまっていて」
「え、まあそれは知ってますけど」
「女子高生とかじゃなくて、もっと若い子よ。見る?」
と言って、バッグの中から取り出したミニアルバムを渡す。スタッフの男性は首を傾げながら開いて、目を丸くする。
挟んである写真は、三歳になる我が息子。もちろん私と祐麒を入れた、親子三人の写真もある。
「ええっ、つ、蔦子さん、結婚していたんですかっ!? しかも、子持ちっ!?」
「知らなかったの? 産休と育児休暇も取ったのに」
まあ公言もしていないし、彼もこの業界に入って日が浅いみたいだから、知らなくても不思議ではないが。
「いやあ、驚いた……しかし、子供産んでそのスタイルってのは、凄いですね。被写体の娘、泣きますよ」
なめるな、この体型を維持するためにどれだけ努力していると思っているのだ。
しかし私はそのことは表情に出さず、もう一つ釘をさした。
「あ、ちなみに数ヵ月後には二回目の産休、とるからよろしく」
目を丸くして口を開けているスタッフを置いて、私は歩く。自然と、笑みがこぼれる。
近く訪れるであろう、また楽しい写真を撮る日々のことを想像して。

 

~ The story of one future ~

本当に、この場にいていいのだろうかと、半ば戸惑いながら祐麒は様々な人に挨拶していた。
もう何年も経つというのに、いまだに慣れることはない。これが小市民としての哀しい性なのか。
「祐麒さん、貴方が主役なんですから、もっと堂々となさって」
確かに主役だろうけど、他人から見たらどうだろう。何せ相手がゴージャスすぎる。
「そんなことないですよ、ご立派な挨拶でした。分かる人には、分かります」
「はあ、ありがとうございます、清子さん」
「祐麒さん、また」
「あ……は、はい、お義母さん」
なんと今日は、祐麒と祥子の婚約発表パーティが催されていたのだ。
色々あった挙句、見事に祥子と結ばれた祐麒。困難を乗り越え、公式の発表を行ったのが今日というわけだ。
「おめでとう、祐麒」
声をかけてきたのは、祐巳だった。由乃と志摩子も一緒にいる。
しばし、四人で話をしていると、もう一人の主役である祥子がこちらの姿を認めて近寄ってきた。
「祥子さま、おめでとうございます!」
「ありがとう、由乃ちゃん、志摩子」
久しぶりに会った後輩と談笑する祥子。シンプルなドレスなのに、素材が良すぎて豪華にしか見えない。
本当に、こんな女性と結婚するのだと、今でも夢ではないかと思うときがたまにある。
「ねえ祐麒くんと祥子さまは、普段はお互いのこと、何て呼ぶんですか?」
余計なことを由乃が質問してきた。なんとか誤魔化そうとしたが、教えないことには離してくれそうに無い。
根負けして、祐麒と祥子は頬を赤く染めながら口を開いた。
「えと……さ、祥ちゃん」と、祐麒。
「ゆ、祐くん」と、顔を真っ赤にして祥子。
「きゃーっ、かわいいーっ!」と、歓声をあげる女子に散々からかわれたが、やがて祥子も。
「もう、いい加減にして……祐巳お姉さま」
「え……」絶句する、祐巳と祐麒。口にした祥子も、自分で言って照れているのが分かる。
この先、色々と苦労するだろうけれど、この可愛いお嬢様のためなら何でも出来る。
そう、改めて思うのであった。

 

~ The story of one future ~

オートロックの扉を開き、マンションの中に入る。エレベータは使わず階段で三階へ。
目的の部屋まで来たら、躊躇うことなく鍵を開けて中に入った。
「ただいま。今日は鱈が安かったからホイル焼きにしようと思うんだけれど、いいわよね?」
買い物袋を一度置いて、しゃがみこんでブーツの紐をほどきにかかる。
返事はないけれど、電気はついているからいるはずだ。
「あと、ついでにトイレットペーパーと電灯も買ってきた。ほら、キッチンの切れ掛かっていたでしょう」
「あ、うん」と、ようやく声が返ってきた。いるならいるで、おかえり、くらい言ってほしい。
ブーツを脱ぎ終え、買い物袋を再度手にして立ち上がる。
「それから、この前観たいって言ってたDVD借りてきたから、夜一緒に観よ」
そこまで言って、固まった。買い物袋を取り落とす。目を見開く。声も出ない。なぜなら。
「わー、凄い、完全に主婦って感じ?」
「躊躇わずに入ってきたし、手馴れた様子からして、もう大分前からそうだってことよね」
「可南子ちゃんて、世話焼き女房タイプだったんだー」
さわがしい集団。祐巳、由乃、志摩子、乃梨子、瞳子が、リビングに居座っていた。
「な、な、な、何よこれっ! ど、どういうこと!?」
部屋の隅で申し訳無さそうな顔をしている祐麒を睨みつける。
「いきなり遊びに来たんだよ、ってか何で来るんだよ、メールしただろ」
「ええっ!? ……あ」買い物袋で手がふさがっていたから、確認をしていなかった。
しかしピンチだ。今まで十分に注意を払ってきたのに、なんということか。
「可南子ちゃん! 弟を、祐麒をよろしくね!」
「ち、違います。別にそんなんじゃありません。あまりに先輩がだらしないから、放っておけなかっただけです」
「最近、家の方にいないと思ったら、こういうことだったのですね。男嫌いだとか言いながら、全く」
「だ、だから違うってば。ほら、そう、どうしてもと頼まれて仕方なく。好きでやってるわけじゃないから」
「乃梨子、これは何かしら?」
「ああ、これは避妊具よ志摩子さん。私達には必要ないけれど」
「きゃああああっ! か、勝手に買い物袋漁らないでよっ!!」
今までひた隠しにしてきたというのに。可南子はがっくりと膝をつくのであった。

 

~ The story of one future ~

「いらっしゃいませー」
誰かがお店に入ってきて、反射的に振り向き笑顔で挨拶をすることにも、すっかり慣れた。
初めの頃は、なかなか思うように客が入らなかったりもするが、今は随分と落ち着いてきている。
昔からの常連さんも戻ってきてくれた人もいるし、新しい常連さんも出来たりした。
苦しいこと、辛いことがたくさんあったけれど、それでもここまでやってきた。
「いらっしゃいませーって、なんだ、小林か」
また新たに店に入ってきた人に向けて挨拶をしたが、入ってきたのは昔馴染みの顔だった。
「そんなつれないこと言うなよ、常連さんに向かってよ」
小林は、店が軌道にのる前、四苦八苦していた頃からずっと足しげく通ってくれていた。
そのことに関してはもちろん、感謝はしているけれど、小林の狙いが別のところにあるので微妙だ。
「そうそう、感謝しろ。んで、真美ちゃんは?」
さっそく、これである。祐麒はわざとらしく大きく息を吐き出した。
「いらっしゃいませ! あ、小林さん、こんにちは」
タイミング悪く? 真美が顔を出した。丁度、休憩から戻ってきたらしい。
「わーお、真美ちゃん、今日も可愛いねえ」
「あ、ありがとうございます。ええと、今日はどうしますか?」
初めの頃は照れまくりだったが、今は大分慣れたようだ。それでもまだ、恥しがっているのが可愛いが。
しかし不思議なものである。普通に大学を卒業して普通の会社に就職したはずが、今やケーキ屋の店主。
もちろん、ケーキはまだ上手く作れない修行中の身だから、ケーキ職人は別にいる。
店はカフェにもなっているので中で食べることもでき、真美は店の看板娘である。
学生時代よりわずかに伸ばした髪は童顔を意識してのことだろうが、可愛らしさは損ねられていない。
シンプルな制服が素朴な味わいを出していて、ひそかに人気があるのだが、祐麒は複雑な気分である。
何せ。
「あー、しかし真美ちゃんもとうとう『看板娘』から『看板人妻』になっちゃったか」
「えへへ」
「そういうことだから、もう仕事中の真美にちょっかい出すなよ」
「馬鹿、人妻だろうと何だろうと、俺は魅力的な女性には声をかける。ね、真美ちゃん」
「あ、いらっしゃいませ! こちらへどうぞー」
「ちょ、ちょっと真美ちゃーんっ」
笑いが起きる。
そんな、素敵な二人の店での、小さくて大きな幸せの話。

 

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