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ミステリー 書評

【ブックレビュー】翼がなくても(著:中山 七里)

更新日:

【作品情報】
 作品名:翼がなくても
 著者:中山 七里
 ページ数:312ページ
 ジャンル:ミステリー
 出版社:双葉社

 おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 登場人物共演度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 障碍者スポーツに興味あり

 

■作品について

オリンピックも嘱望された女性アスリート、市ノ瀬沙良。
その沙良を突然、災厄が襲う。
自動車事故に巻き込まれ、左膝から下を失ってしまう。
しかも運転をしていたのは沙良の幼馴染だった。

絶望に襲われる沙良だが、今度は事件の加害者である幼馴染が殺されてしまう。
支払われる高額な保険金の行く先は。
障害者スポーツ、パラリンピックの存在を知り、絶望から立ち上がる沙良の運命は。

■良かった点

障害者スポーツに対する認識を得られる。
どのような思いでスポーツに取り組んでいるのか、特にもともとスポーツで頂点を目指していたアスリートが体の自由を失うとは、どれだけの絶望を味わうのか。
そして、再び立ち上がり走り始められるならば、どんな辛い思いにも耐えられる。
そういう凄まじい執念というか思考というか、本作を読んで知らされる。
そうですね、根性の時代は過去の事、スポーツは科学なんですよねぇ。

沙良の執念には感服させられるし、這い上がっていく姿には鬼気迫るものを文字の向こうから感じさせられた。
そして、事件には犬養と御子柴が絡むという、中山作品を読んでいる人には嬉しいサプライズも。
御子柴は相変わらず御子柴です。。。

単に殺人事件を扱うだけでなく、こういう障害者とそのスポーツといったところに焦点をあてているというのは、今までの作品とはまた異なった趣向でしょうか。
ちょっと意外性を感じた作品でもある。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

犬養、そして御子柴と、中山先生の作品を代表する警察と弁護士が出てきて、二人の対決が見られるかと思いきや。
そこはあくまでおまけであり、事件の真相や裏といった部分は弱い。
ミステリーを期待していると、ちょっと肩透かしを食らうかも??
あと、沙良に都合よく話が進み過ぎているのも、ね。

 

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