ノーマルCP マリア様がみてる 清子

【マリみてSS(清子×祐麒)】から騒ぎ

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~ から騒ぎ ~

 

 

 街で清子に出会ったのは、本当にただの偶然だった。
 "あの" 小笠原家でのお泊まりをしてから既に半年ほどが過ぎ去っていて、あの夜のことはまさに夢だったのだろうと忘れていた頃、不意に出くわした。
 本来なら軽く挨拶して終わりとなるくらいの関係のはずだが、なんとなく立ち話をして、どこへ出かけるのかと尋ねられたので素直に答えたら、驚かれた。祐麒が向かおうとしていたのは3コインショップ。1品300円の品が揃えられているお店で、レコードショップに行くついでに、家族からの注文もあって寄ることにしていた。
 清子は3コインショップというものの存在を知らず、なぜか興味を示して一緒についてくることになった。そしてコンビニ同様、様々なものが300円という均一の値段で売られていることに驚き、いたく感動した。
 楽しそうに、物珍しそうに色々なものを手に取ってはすぐに購入しようとするので、どうにか押しとどめるのに苦労した。
 そんな、一時間にも満たない邂逅を終えて、清子とは別れた。
 日常の中のささいな偶然、それで終わるはずだったのだが。

 

「ちょっとアンタ、おい、そう、そこのお前だよ」
 清子と会ってから数日後のこと、街を歩いていた祐麒は不意に誰かに呼びとめられて振り向いた。
 そこに立っていたのは、やけに怖そうなお姉さんだった。Tシャツにパーカ、スキニージーンズというラフな格好で、憎い相手を睨みつけるように祐麒のことを見ている。吊りあがった目つき、威嚇的な表情、上背もあって祐麒を見下ろしていてとても迫力がある。声も少し低めで、威圧的。赤茶色の髪の毛は後ろで無造作に束ねられているが、逆にそれがワイルドさを醸し出させている。
「お、俺ですか?」
「他に誰がいるのさ、目ぇ悪いのか?」
 年の頃は二十代前半といったところか。
 どこからどう見ても逆ナンとは思えないし、さりとて絡まれるようなことをした覚えもない。周囲に目を配るが、誰もこちらのことを気にしている様子はない。目の前の女性は怖いが、声自体は小さく周囲に届いていないようだ。傍から見れば、単に話しているだけにしか見えないのかもしれない。
「少し、つきあってもらおうか」
「でも、俺にも都合がですね」
「……あン?」
 滅茶苦茶睨まれた。明らかに、不良とかヤンキーとかレディースとか、そういう系統の団体に所属していた、もしくは所属しているとしか思えない雰囲気を全体から滲みださせている。
 結局、断ることも逃げることも叶わずに、近くにあったファミレスに連行されてしまった。女性と二人きりという展開だが、全く喜べない。
 一体、なんなのだろうか。自分が何か悪いことをしたのか、気に障る事をしたのか。ファミレスということで、公共の場だから暴力的なことはされないとは思うが……しかし待て、ファミレスといえば24時間営業、詐欺や強引な営業が延々と相手を解放せずに商品を売り付ける、なんてことを聞いたこともある。もしかしたらこの女性もその手の……とは全く思えない。やはり、さっぱり予想がつかなかった。
「ほれ、飲みな」
「あ、ありがとうございます」
 祐麒がボーっとしている間に、女性はドリンクバーから二人分の飲み物を持ってきてくれた。コーラだった。
「で、だ。単刀直入に訊くぞ」
「は、はいっ」
 正面の座席に座った女性は、真っ直ぐに祐麒を射抜くような目を向けてくる。萎縮しつつも、目をそらしたら殺されると思い、必死に見返す。
「おまえ、奥様とは一体、どういう関係なんだ?」
「――はっ?」
「だ、か、ら、奥様とは一体どんな関係だって訊いてんだっつの」
 女性はテーブルの上に身を乗り出し、噛みつかんばかりだが、祐麒には事情がさっぱりわからなかった。そもそも、『奥様』とか言われたところでなんのことだか意味不明だ。祐麒が首を傾げていると、女性は苛ついたようにテーブルを指で叩き始める。
「ああもう、しらばっくれんなよ、お前この前、奥様と一緒に買い物していたじゃねぇか」
「買い物……?」
「まだとぼける気か? あたしは目撃してんだよ、あぁ?」
「いや、だから誰のことだか分からなくて」
「誰、だと? 小笠原清子さまに決まってんだろーがよぉ、あ!?」
「え……ああ」
 確かに先日、清子と出会って買い物という程のことはないが、したことはした。だが、なんでこの目の前の女性がそのことを知っているのか、そして何故怒っているのかが理解できない。
「あの、失礼ですがあなたは清子さんの?」
「あたしか? あたしは小笠原家の使用人だよ」
「えぇっ!?」
 全くもって信じられなかった。あの小笠原家に、なんでこんなヤンキーみたいな使用人がいるのか。
「奥様はあたしの恩人だ、奥様をたぶらかしているようなら、容赦なくぶっ殺す」
 瞳に宿る殺意は本物だった。
 何をどうしてそう思ったのか不明だが、とにかく誤解を解かないことには殺されると思い、口を開こうとしたのだが何を言ったらよいのか言葉が出てこない。
「っ、あ、あのっ」
「……と、思っていたんだけどな」
 祐麒が次の言葉を口にする前に、女性の言葉が被さった。
「正直、あんな風に楽しそうに笑う奥様を見るのは、初めてだった。あんな笑顔、あたしにも見せて下ったことはない……」
 寂しそうな口調に、息が止まりそうになる。
「なあお前、確か福沢祐麒とかいったな、おっと、調べはついてんだ、誤魔化そうったってそうはいかねえ。福沢、お前、奥様のことどう思っている?」
「へ? どう、って言われても」
「お前、正月に小笠原家に泊まりにきたんだってな。じゃあ、その理由も聞いているんじゃねぇのか? そうだ、旦那様は愛人を囲っていて正月は愛人の所に行っちまう、奥様を残してな。酷い話だと思わねぇか? 思うだろ? だからな、あたしは奥様が同じことをしてもかまわないと思うんだ」
 またまた、話が良く分からない方に向かっていた。
「同じこと、って」
「わ、分かるだろ?」
「いえ、分かりません」
「だからっ、その、奥様が愛人を作ってもいいと思ってるってんだよ。奥様だって、その、お、女としての幸せを求めても、いいだろ」
 別に夫婦仲が悪いとは聞いていない。まあ、確かに愛人を作る夫というのはどうなのかと思うが、反抗するように清子まで愛人を作るなんて話が飛躍しすぎている。というか、女の幸せって。
「それで?」
「ああもうっ、悟れよ、お前、奥様をエロい目で見ていたろ? その気があんだろ? だったら奥様のツバメになれってんだよ」
「はあっ!? なんでそうなるんですかっ??」
「奥様は、お前と一緒にいて楽しそうだった。あんな笑顔、あたしはもちろん、お嬢様や旦那様にも見せたことはないと思う。少なくとも、あたしが小笠原家に来てからは。奥様はお前のことを気に入っている。お前も奥様に発情している。ちょうどいいだろ?」
「発情なんてしてないですよっ」
「はンっ、この前奥様と一緒にいて、胸元ばっかちらちら見ていたくせに。それに、そんな赤くなりながら言ったって、説得力ないぜ」
 祐麒自身、顔が熱くなっていることは分かっている。清子のことは素敵だと思ったし、先日は確かに、微妙に胸元が強調された服だったのでつい目が向いてしまうこともあったが、それとこれとは話は別。そもそも、清子は祥子の母親であり、即ち祐麒と親子ほどの歳の差があるわけだし、ツバメだとか愛人だとかあり得ない。
「なんだテメー、あたしがこんだけ頭下げてんのに断るってのか? 奥様のことどう思ってんだよ」
「どこが頭下げているんですかっ? てゆうかですね、俺は……」
 どうやらこの女性、根は悪い人ではないようだが、考え方がかなり突飛なようで、しかもこうだと思い込んだらなかなか引かないようだ。
 結局、ファミレスで数時間も噛み合わない言い合いをして、仕事のために戻らなくてはならないと女性が立ち去る頃には、ぐったりと疲れ果てていた。

 

 それだけで終われば、まだ笑い話で済ませられたのだが。
 数日後、なぜか分からないが小笠原家に呼び出された。それも、清子の名で。
 あの小笠原家の使用人と名乗った女性が、裏で何か手を回したのだろうか。色々と疑いつつも、断るわけにもいかずに小笠原家を訪れると、清子自ら玄関まで迎えに出てきてくれた。
「まあいらっしゃい、よく来てくださったわ祐麒さん、さ、上がってちょうだい」
「はい、お、お邪魔します」
 清子は上機嫌だった。
 そして、相変わらずに綺麗で若々しい。とても祐麒とほぼ同い年の娘がいるとは思えないほどに。
 と、妙なことを考えそうになって、慌てて首を左右に振って余計な思いを振り払おうとする。清子が祐麒のことをどうこう思っているはずがない。娘と同じ高校生で、子供でしかない祐麒に対して特別な感情を抱くなどありえないではないか。
 清子に案内され、リビングに通される。広い家なのに人の数が少ないから、やけに寂しく感じられる。
「くつろいでくださいね」
「はい、ありがとうございます……あの、ところで今日は一体」
 どうして呼ばれたのか訊ねようとして、だけど到着していきなりそんなことを訊くのは失礼だろうかと言いかけた言葉を引っ込める。
 と、そんな祐麒を見て清子が笑った。
 なぜか、悪戯を考えついた子供の笑みのように思えた。
「今日、祐麒さんをお呼びしたのはね、それはね」
 うふふ、と笑う清子。
 ちょうどそのタイミングで、軽いノックの音とともにリビングの扉が開いた。
「失礼いたします。奥様、お紅茶をお持ちしました……」
 給仕に現れた使用人は、間違いなく先日、ファミレスでバトルした女性だった。使用人の服を着て、落ち着き払った態度からはヤンキーっぽさは感じられないが、目つきの鋭さや声は同じだ。
 彼女は祐麒を見て一瞬、驚きの表情を浮かべたが、すぐに何でもなかったかのように給仕を続ける。紅茶とお茶菓子を置き、丁寧にお辞儀をする姿からは、ファミレスで見せた柄の悪さは想像もできなかった。
「失礼いたします」
 役目を終え、戻ろうとする彼女だったが、清子の声が呼びとめる。
「待ってちょうだい、真由さん。一緒にお茶、していかない?」
「はっ? い、いえ、私などそんな、奥様、お客様とご一緒など」
 真由、と呼ばれた彼女は、驚いたように清子を見る。
「ふふ、別にいいじゃない。それに私、もう知っているんですからね」
「え、何を、でしょうか」
 話の流れが見えず、不審かつ不安そうな表情を見せる真由。清子は逆に嬉しそうに笑っている。
「照れているのかしら? 真由さん、祐麒さんとお付き合いされているのでしょう?」
「………………は?」
「あの、何を仰っているのですか……?」
 祐麒も真由も、目が点になっている。一人、清子だけがにこにこと続ける。
「私、先日見かけてしまったのよ、二人が一緒に仲良さそうにレストランでお話しているところを」
「あ、え?」
 清子が言っているのは、祐麒が真由に脅された日のことだろう。
「でも、それだけで」
「真由さん、私と出会った頃のような格好と顔をしていたじゃない。うちに来て、もうずっと見せていなかったのに。あの、素の真由さんの姿を見せるのは、余程親しい相手だけだって、前に真由さん、言っていたじゃない」
 いやいや、それは恐らく祐麒のことを脅すため、かつてのヤンキースタイルに戻っただけだと思いますよと、祐麒は言ってやりたかった。
 ちらりと真由の方を見ると、驚愕しているのか混乱しているのか、フリーズしていた。どうも想定外の事態には弱いようだ。
 そんな真由の姿に何か勘違いしたのか、清子は満足げだ。
「ふふ、驚かそうと思って祐麒さんを呼んだのだけど、成功したみたいね。ね、祐麒さん、真由さん可愛いでしょう?」
 むしろ恐ろしいです、と言いたかったが、身を乗り出すようにしてきた清子のシャツの胸元から覗いて見える肌に目が吸い寄せられ、言葉が出ない。別に、谷間や下着が見えているわけでもないのに。
「凄く良い子だから、よろしく頼みますね。真由さんね、あんな素敵なのに24年間、男性とお付き合いしたことがないんです。だから、大事にしてあげてくださいね」
「な、なっ、ななななっ―――――!」
 こっそりと祐麒にだけ耳打ちしているつもりのようだが、真由にだだ漏れだった。清子の言葉を耳にして、真由は真っ赤になった。
 とりあえず分かったことは、真由が24才らしきこと。そして年齢イコール彼氏いない歴だということ。
「お、おいっ、お前ちょっと、こっち来いっ!」
「おわっ!?」
 余程パニクったのか、乱暴な言葉遣いになった真由は、これまた乱暴に祐麒の腕を掴んでリビングの隅に引きずっていく。相当な腕力だ。
「おいお前、どういうことだ? なんであたしとお前が、こ、ここっ、こ、恋仲、だなんてことになってんだ!?」
 壁に押し付けるようにして睨みをきかせてくるが、先日ほどの恐ろしさは感じない。使用人の姿をしているということ、そして真由が動揺していることもあるだろう。それに、どうも恋愛系の話は苦手なようで、声も微妙に上ずっている。
「俺に訊かれても知らないですよっ、てかどうやら、ファミレスで一緒にいるところを見られて誤解されたようですね」
 しかし、清子と一緒にいるところを真由に目撃されたと思ったら、今度は逆に、真由と一緒にいるところを清子に見られていたとは、なんと都合のよいというか悪い偶然だ。
「うあぁ、そういやあそこのファミレス、奥様の通るルートだっ。しまったー」
 頭を抱える真由。
「真由さん、祐麒さん、私もいる前であまり見せつけなくてもよいではありませんか?」
「おおお奥様っ、これは、違いますっ」
「真由さんたら、照れているのね。ふふ、いいわ、今日はもうお仕事終わりでいいから、真由さんのお部屋に祐麒さんを連れて行ってあげなさい」
「だああああっ、ち、違いますっ、て、お前、どうにかしろ」
 髪の毛を掻きむしって叫んだ後、祐麒の顔を正面から掴んで詰め寄る真由。
「ど、どうしろって、どうしろってんですか」
「お前が好きなのは奥様だって言うんだよ、ホレ言え」
 祐麒の肩を掴んだかと思うと、体をくるりと反転させて清子の方に向かせる。
「そんなこと、言えるわけないでしょうがっ」
「いいからさっさと言え、さもないと、明日の朝日、拝めなくすんぞ」
 背後に立つ真由からは、本気の殺意を感じた。
「ほら、言え」
 背中に何かが当てられるのを感じた。まさか、ナイフか何かか。祐麒は恐怖を感じ、慌てて口を開いた。
「ち、違いますっ。あの、俺と真由さんはそういう仲ではなくてですね」
「隠さなくても良いのですよ。祐麒さんだったら、きっと真由さんのことを幸せにしてくれるでしょうし」
「い、いえ、そうではなくてですねっ、お、俺が好きなのは」
 清子がきょとんとしている。
 背後からは、真由の殺意と生温かい吐息を感じる。
「俺が好きなのは、さ……」
 そこまで口にして、考える。
 本当に言ってしまっていいのか。こんな場の勢いと状況に流されるような形で言っていいような事ではないはずだ。そもそも、自分は清子のことをどう思っているのか。姉の姉の母親(と、書くととんでもないことのようだが)に対して、どういった感情を抱いているというのか。自分でもよく分かっていないのに、とんでもないことを口にしようとしているが、もし言ってしまったら清子にも迷惑をかけることになる。
「お、俺が好きなのは、さ、さ、さ……」
 言えない。言えるわけがない。
 例え背中から刃物で脅されていても、言えないものは言えない。
「え、ゆ、祐麒さん、まさか」
 先を言わなくとも、清子の方が反応した。目を見開き、口元を手で抑え、びっくりしたように祐麒のことを見ている。
 祐麒が言おうとしていたことが分かってしまったのかと肝を冷やすが、逆に頬は熱くなる。鼓動は速くなる。
「祐麒さん、さ、祥子さんのことが好きなの?」
 どーしてそうなるのかと問い質したかったが、その前に何やら重い本か何かが床に落ちた様な鈍い音が耳に届いた。
 音のした方を見てみれば。
「え……な……お母様……?……杏里……?」
 立ち尽くす祥子がいた。足元には、分厚い本が倒れている。
「ゆ祐麒さん!? わ、わわっ、私っ……」
 祥子の白皙の肌が、首から頬にかけて朱に染まっている。
「……し、失礼しますっ」
 くるりと背中を向けると、長い髪の毛を翻し、入ってきた倍以上の速さでリビングを出て行く。
「おっ……前、お嬢様にまで色目つかっていやがったのか!?」
「はっ? ご、誤解です、誤解っ!」
「誤解も沙蚕もあったもんじゃねえっ! どうにかしてこいっ」
「さ、祥子さん?」
 真由に押された祐麒の前に、祥子を追いかけようとしたのかソファから立ち上がった清子の姿。
「もふっ?」
 祐麒の胸に、清子が飛び込んでくるような格好となった。現実的には反対なのだが。
「あら、す、すみません祐麒さん」
「いえ、俺の方が……うっ」
 抱きついた格好となり、清子の胸が押し付けられていた。暖かくなって衣服も薄くなりつつあり、十分にボリュームのあるそれは感じられる。おまけに衝突した衝撃で微妙にシャツも乱れ、見下ろすと胸元からほんのりと膨らみが目に入ってきた。人妻とは思えないような、純な瞳が上目づかいに見上げてくる。不意に、抱きしめたいという衝動が襲いかかってくる。
「清子さん……」
「ゆ、祐麒さん、駄目」
「でも、その、なんというか俺」
「駄目ですよ……恋人の見ている前で」
 そっと、祐麒の胸を手の平で押す清子。
「清子さ……ぐほぅっ!?」
「てめっ、お、奥様になんてことしやがるっ!?」
「いや、あ、あんたこそ今のミドルは、ろ、肋骨にっ」
「ほら、真由さんも怒って……ってそうだわ祐麒さん、まだ肝心なことを聞いていませんでした。さ、祥子さんと真由さん、あなたまさか二股をかけているのじゃあ……」
「ななな何を言っているんですか清子さん、大体俺は」
「お前、二股とかふざけんなよッ!?」
「ねね、ネックハンギングて、ちょっ……く……」
「祐麒さん、回答次第では私も許しませんよ。大事な娘と、私の大事な友人を傷つけるようなことは」
「そそそその前に、俺、俺が死にますってっ……!!」
 耳をすませば更に聞こえてくる、邸内の狂騒。
『お、お嬢様、どうなさったのですか、落ち着いてください』
『わ、私は落ち着いているわ、ああ、でも、その、あのっ』
『それはグラスではありません、花瓶ですお嬢様――っ!?』
 薄れつつある意識の中。
 祐麒の脳裏に最後に浮かんだのは、甘く、柔らかな、胸に飛び込んできた清子の感触だった――

 

おしまい

 

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