「 マリみて 」 一覧

～　フツウの少女　～   　祥子は普段、噂話の類には興味を持たない。だがそれは、噂話を聞かないということとイコールではない。近くで噂話がされていればごく自然と耳には入ってくるし、その内容を理 ...

～　祭りのアト　＜可南子編＞　～   　例え夜になって日が落ちたとて、真夏は真夏であり、蒸し暑さが解消されるというわけではない。ギラギラと焼き殺さんばかりの太陽が顔を隠しただけマシだが、周囲 ...

～　恋せよ乙女　～    　十二月に入ってすぐのこと。  　高校生時代の女子仲間たちとの同窓会が開催され、ちょうど仕事の都合もついた栄子は参加をすることが出来ていた。  　さすがにこの年齢に ...

～　パラレル　オルタネイティヴ　～＜プレリュード＞   『アンリミテッド』   　それは、狂おしい憧憬。 　何度も願い、望み、手を伸ばしてきた。 　叶わなかった。 　届かないからこ ...

～　ウワサのカノジョ　～   　冬休みが終わり、三学期が始まると本格的に大学の受験が実施されるようになり、三年生はほとんど姿を見せなくなる。だから学園内も、随分と寂しい感じがしてくるのだが、 ...

～　あの記憶から、また　～   　世間はゴールデン・ウィークである。いや、もちろん、祐麒にとってもゴールデン・ウィークは等しく訪れてきている。 　街中を行きかう人の数も、心なしか多いような気 ...

～　ヒミツのおまじない　～   　お昼御飯を速攻で食べ終え、乃梨子は一目散に目的地へと向かっていった。目指していのは、写真部の部室。今日の朝、マリア像の手前で武嶋蔦子に声をかけられ、お昼休み ...

  ＜１＞ とうとう、この時が来たのだ。令は、高鳴る胸を必死に抑えながら、目の前に立つ祐麒の姿を見据える。 出会ってから、どれくらいの日を数えたのか。デートをしたのは何回か。今日で会うのは何 ...

  「俺……本気で祐巳のことが好きなんだ。だから……俺と付き合ってくれないか？」 祐麒の言葉が耳を通って心に落ちていく。 夕焼けに染まる空を背景にして、二人きりの観覧車内、そんなシチュエーシ ...

～　ぱられる！　～   　「ぱられる１２　　眠れない街に流されて」　＜Ｅ＞ 　夏といえば海、という人も多いのだろうか。 　そして海といえば、眩しい太陽、突き抜けるような青空、きらめく水面、さ ...